第10話 さすが蓮くん!!
〔投票の結果、鳳月さんが処刑されました。
鳳月さんは幽霊となり、以後の話し合いには参加できません。〕
「そっか...詩織さんが...」
それが碧月の感想だった。
碧月はどうやら鳳月が真占い師だと思っていたらしい。まあ、思っていたと言っても何も情報がない以上、勘での推理だったのだが。
碧月の勘通りなのか、次にスマホに現れた文字は〔容疑者を処刑したにも関わらず、再び恐ろしい夜がやってきました。〕だった。
やっぱり...碧月がため息をつく。
「これで、鳳月が人狼ではないことが確定...か。」匁沢もため息をつく。
そして、各自夜の行動に移る。
〔恐ろしい夜が明け、朝がきました。
昨晩の犠牲者は、..三織さんです。
三織さんは幽霊となり、以後の話し合いには参加できません。
それでは、話し合いを続けてください。〕
「僕...か。まあ、言う事は昨日の昼で言えたから。」と、三織は満足そうに生徒会室の外へ出ていった。
鳳月も同じく、生徒会室の外へ....
碧月は、「占い師...が2人死んでなおかつゲームが続いているってことは、残るひとりは人狼...つまりっ!!」
碧月は人差し指で桐崎の方を指し、「蓮くん、あなたが人狼ね!!」と高らかに叫んだ。
ところが、その桐崎も余裕の笑みを浮かべて、「いいえ、僕じゃありません...人狼は...」と一呼吸おいて、「匁沢さん、あなたです!!」と匁沢を名指し。
「いや、そんなはずないよ!!だって、占い師は3人中2人死んでるんだよ!?残りは人狼だって水槻が...」碧月の主張を、桐崎はさえぎり、「まず、瀬戸さんは何ですか??その調子なら、人間側みたいですけど...」と質問。
「わ、私は市民だけど...」碧月が答える。
「お、おい待てよ。俺も市民だぞ??瀬戸、お前が人狼か??」
「んなわけないでしょ!!私は蓮くんが人狼だと...」
「ぼ、僕は匁沢さんが...」この調子でしばらく話し合いが続く。
その頃三織は、鳳月と二人、生徒会室の外で話していた。
「やられた〜!まさか見破られるとは思わんかったなぁ...」
「え、という事は鳳月先輩が...」
「そーゆーこと。私が狂人。」
やっぱり...と納得する三織。そこに鳳月が疑問をぶつけてくる。
「なら三織くんは...やっぱり占い師なん?」
「いえ、僕は...」三織は言葉を濁す。そして、鳳月の耳もとでこそっとささやいた。
「...!!なんでそんなことを...」
一方ゲームは昼の時間から全く進んでいない。
最初は言い合いだったのだが、今は沈黙が続いている。
碧月はやはり桐崎を疑っている。その桐崎は、匁沢に疑いの眼差しを向けている。匁沢は、碧月を人狼だと...
沈黙を破ったのは高村だった。
「皆さん、1回今の状況を整理してみましょうよ。」
「...そうね。何もしないよりは...」碧月が久しぶりに口を開けた。
現時点では碧月と匁沢は市民CO、高村は霊媒師CO、桐崎は占い師CO。
「念のために聞くけど、早姫ちゃんさ、詩織さんどうだったの??」
「人間...っていうか、人狼ひとりなんだから意味無いじゃん(笑)」
高村がそう言うと、桐崎は、「なるほど!!」と声を上げた。
「蓮くん、何かわかったの??」
「うん。全部...バッチリね。」
桐崎が説明する。
「恐らく、鳳月さんか三織がどっちかが騎士なんです。
誰も騎士COしなかったんで変だと思ったんですが。
騎士でも占い師COすれば、人狼は占い師を噛みに行くので真占い師の生存率は高くなりますし、真占い師と2人COが出れば、真占い師を守れる可能性も出てきます。少人数なら、騎士が生き残るより真占い師が生き残る方が断然有利ですから。」
「でもさ、人狼と騎士の2人が占い師COすれば、もっとややこしいことにならないの...??それに、そもそも騎士は潜伏するのが基本でしょ??」
「ええ。なので、最初は僕もあの中に2人人狼チームがいると思いました。しかし、現実は違った。2人とも死んだのにゲームが続いている。となれば...」
「そう考えるのが自然...ってことか。」キョトンとしている高村を置いていく勢いで3人で話が進む。
「それで僕は、匁沢さんを占いました。市民チームが不利になるしか言っていなかったので、最初は騎士だと思っていたのですが...」
「人狼だった...ってわけなのね!」高村もようやく話に追いついた。
「なるほど...確かに筋は通ってるわね...」碧月もうなずき、匁沢の方を向く。匁沢は、まいったという表情だった。
「すごいな桐崎くん。よく俺が人狼だって当てたなぁ...」
「いえ、匁沢さんを占ったのはたまたまなので(笑)」
「さすが蓮くん、やるねぇ!!」
こうして、投票に移り、匁沢は処刑され、市民チームが勝ったのだった。
鳳月と三織が戻ってくると、碧月はまず、「どちらが狂人だったんですか??」とふたりに問いかけた。
「私だよー!!」と鳳月が言ったのを聞いて、「水槻ぃ...!!よくもあんなややこしい真似を!!」と噛み付く。
「だってさ、僕死にたくなかったもん(笑)
占い師2人だったらどっちも殺されずに済むかな...って。」
桐崎は、そんな理由だったのか...とか半ば呆れている。
「あのねぇ、それで騎士が死んだら本末転倒でしょ??
今回は6人だったからよかったけど、もっと人数増えたら騎士も占い師も役割がどんどん重くなるのよ??」
「ま、まあ、今回は許してくれって...」三織が笑いながら謝ると、碧月は、もぅ!と一言、すぐにいつもの碧月に戻った。
「まあ、今回勝てたのは蓮くんのおかげだね!!」
「いや、そんな、初めてなのに...」桐崎は謙遜した。
「あと、隠れたファインプレーが早姫ちゃん!!
霊媒師COがあったから間違えて吊らずにすんだんだよ!」
「あ、ありがと!!言っていいのかどうか迷ったけど、言ってよかったぁー!!」高村も満足しているようだ。
「おっと、そろそろ下校時間が...」
時計を見るともう19時40分を過ぎていた。
「じゃあこれでかいさーん!!」碧月のひとことで、今日の生徒会の集まりは終わったのであった。




