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血の海に現れた女 2
霧人がその手を取ろうとした時、
「あー!! ロマンスなうっっ!」
砂糖菓子みたいな可愛いらしい声が殺人現場に響く。
場違いすぎて、霧人は頭痛がした。
研究室の入り口に、いつのまにか二人の女がいた。
一人は背が低くボブで、こちらを指差している。
もう一人は背が高く、腰まである金髪のロングヘアにカチューシャをしていた。
二人共、空子と名乗った女と同じような格好をしている。
「マジ、空子、手ェはやいから」
金髪の女がため息混じりに言うと、空子は、
「言いがかりはやめてよ。
いいから、マツリは死期帳管理部に連絡して。
あと、棺班に連絡入れてちょうだい」
と答えて、面倒くさそうに霧人の手を引いた。
「あいあいさー♡」
マツリと呼ばれたボブの女が、通信機で連絡を取り始める。
「美波、藍統さんに連絡を。見事に取り逃がしましたってね」
「えー、ウチが? 空子が言ってよ」
「あたしは、この方にお注射しなきゃだからさ」
「ヤダなー」
金髪の女は、美波と言うらしい。
ぶちぶちと文句を言いながら廊下に出て行った。
霧人は、立ち上がらされた後、ただ呆然とするしかない。
(なんなんだ、こいつら、人が死んでるのにこの冷静さとか)
開いた口が塞がらないでいる霧人に、空子はひとつウインクをしてから、
「このことは、他言無用よ。学生さん」
と言って、人差し指を立ててみせた。




