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愛の竜守りの塔を離れ、リュカとアズは2人で夢の竜守りのところまで旅をしていた。
「あ!」と声をあげ、アズは走り出す。
「いい加減、そんなものは捨てなさい」
「嫌だ!綺麗だもん」
アズが手にしていたのはキラキラと光る石だ。この世界には割と落ちているものだが、アズはそれを見つける度に拾うのでキリがない。拾った石はリュカの「荷物の魔法」でどうにか詰めているが、いちいち使うのが面倒くさい。
「大昔、記憶の竜守りが星を砕いて人類は魔法を使えるようになったらしい」
「そんなのは迷信だよ。姉さんはそんな力ない」
「勇気もない」と言いたいが、あの地獄耳の耳に入ると何をされるかわからないので黙っておく。
「もし、これが星だったらいいのになー」
「君、そんなこと考えて集めてたのか」
リュカは呆れてしまう。アズは本気だから余計に。この旅でリュカは大体アズのことがわかってきた。
彼は嘘をつかない。つけないの間違いかもしれないが、とにかくまっすぐな男だ。あとは、体が先に動いているようで意外と考えている。もしかしたら、この無邪気さも計算のうちかもなー、なんてリュカは考えるがきっとこれは彼の元来の性格なのだとわかる。なんとなく、彼のことは手に取るようにわかるのだ。
「夢の兄さんのところは遠い。今日はもうここで休もう」
竜守りのリュカに休憩なんて必要なかったが、人間のアズには辛いだろうと気を使う。しかし、当の本人はピンピンしてた。
「俺、まだ歩けるよ?」
「限界を知らない人間から、すぐに死んでいくんだよ」
リュカはそんな人間をたくさん見てきた。彼らはみな、アズのように真っ直ぐで誰よりも意志の強い人間だった。
「……わかった」
リュカの表情で何かを察したのか、アズは珍しく素直に従う。
(いつもこうだったらいいのにな)
ふと、そんなことが頭に浮かんだが、リュカは自分の言葉に首を傾げる。
(何が、「いい」んだ?)
「お兄さん、寝床ができたよ」
アズはお得意の魔法でフカフカの綿を出し、ベッドを作った。けれど、中に骨格がないせいでほとんど床で眠っているのと変わらなかった。
アズに申し訳なさそうな顔をされるがリュカは気にしない。そのままアズの作ったベッドで横になった。そんなリュカの様子を見て、アズもベッドに入ってきて2人は一緒に眠る。
(なんでこいつは一つのベッドしか出さないんだ?)
疑問はすぐに解消した。彼はリュカの肩に頭を押しつけてきた。リュカが頭を撫でると満足したのか、落ち着いて寝息を立てる。
「甘えたいのか……」
リュカの胸はチクチクとした。気持ちがいっぱいになってしまって、アズのことで頭がいっぱいになる。もし、今日見る夢がアズだったらどんなに幸せだろうか。




