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拾い、集め  作者: 日々桜香
第3章
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「俺たちで、世界を救おう!」

 そう決意する親友の横顔はいつも凛々しかった。リュカと彼は常に一緒にいた。しかし、そんなものは過去の話。


「……そうか。俺は、お前を信じている」

 彼の最後の言葉はこれだった。完全にリュカのことを信じきっている顔。「恐れることは何もない」と、清々しさまでも感じさせる。

「僕だって、君を信じている」そんな言葉は飲み込んだ。自分がこれから殺す男に、そんなことを言って何になる。


 リュカの頭には、たくさんの景色が蘇る。


 噴火する山と、逃げ惑う人々。


 そうだ、自分はこれで良かったのだ。


 そう思って、魔法を放つ。彼は最後に笑った。


「どうして、そんな顔するんだ」

 リュカにはわからなかった。死んで後悔しないことも、人を信じ切るということも。


「竜守りなんて、なるんじゃなかった」

「ホーーーゥ」と、竜が高らかに鳴き魔法で地面を荒らす。そんなことはもう、どうだっていい。竜だって、誰かが止められる。けれど、たった1人を救うことができなかった。


________________________


「お兄さん?どうかした?」

 アズに揺すられて目を覚ます。そうか、あれは夢だったのか。またいつもの悪い夢。


 リュカは乱れる呼吸をどうにか整えて答える。

「どうってことないよ。ただ夢を見ただけだ」

 アズは心配そうにこちらを見ている。そんなアズの頭を撫でた。


「うぅーー!」

 いつもは撫でたら嬉しそうな顔をするのに、今は嫌そうだ。

「どうした?」

 リュカが聞くと、アズは彼の体を思いっきり抱きしめた。


「痛いよ……」

 アズは見た目の割に力が強い。骨がキシキシと音を立てている気がする。

「苦しいならさ、無理しないでよ」

「うーん」


 リュカは納得できなくて、曖昧な返事をしてしまう。すると、アズは「はー」っと口を開き、リュカの首筋を思いっきり噛んだ。

「い、痛い!」

「俺、お兄さんより年下で、頼りないけど甘えられたら嬉しい」

「なんで噛んだ……」


 アズは拗ねたみたいに噛んだところをちゅうちゅうと吸う。

「お兄さん、俺の話聞いてないから……」


 そういわれると、そうだったかもしれない。ここは一つ、甘えてみるかという気にリュカもなった。


「じゃあ、この傷治して」

「嫌だ!」


 アズは首筋をちゅうと強く吸い上げた。

 (こいつが何を考えているかわからん)

 リュカはもうすっかり諦め、アズの首筋に顔を埋めた。アズは嬉しそうにリュカの頭を撫でた。


 (絶対首筋、痕がすごいことになってるよな……)

 気づかれないように治療しとくか、リュカはそう決意してまた眠った。

 

 

 

 

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