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「俺たちで、世界を救おう!」
そう決意する親友の横顔はいつも凛々しかった。リュカと彼は常に一緒にいた。しかし、そんなものは過去の話。
「……そうか。俺は、お前を信じている」
彼の最後の言葉はこれだった。完全にリュカのことを信じきっている顔。「恐れることは何もない」と、清々しさまでも感じさせる。
「僕だって、君を信じている」そんな言葉は飲み込んだ。自分がこれから殺す男に、そんなことを言って何になる。
リュカの頭には、たくさんの景色が蘇る。
噴火する山と、逃げ惑う人々。
そうだ、自分はこれで良かったのだ。
そう思って、魔法を放つ。彼は最後に笑った。
「どうして、そんな顔するんだ」
リュカにはわからなかった。死んで後悔しないことも、人を信じ切るということも。
「竜守りなんて、なるんじゃなかった」
「ホーーーゥ」と、竜が高らかに鳴き魔法で地面を荒らす。そんなことはもう、どうだっていい。竜だって、誰かが止められる。けれど、たった1人を救うことができなかった。
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「お兄さん?どうかした?」
アズに揺すられて目を覚ます。そうか、あれは夢だったのか。またいつもの悪い夢。
リュカは乱れる呼吸をどうにか整えて答える。
「どうってことないよ。ただ夢を見ただけだ」
アズは心配そうにこちらを見ている。そんなアズの頭を撫でた。
「うぅーー!」
いつもは撫でたら嬉しそうな顔をするのに、今は嫌そうだ。
「どうした?」
リュカが聞くと、アズは彼の体を思いっきり抱きしめた。
「痛いよ……」
アズは見た目の割に力が強い。骨がキシキシと音を立てている気がする。
「苦しいならさ、無理しないでよ」
「うーん」
リュカは納得できなくて、曖昧な返事をしてしまう。すると、アズは「はー」っと口を開き、リュカの首筋を思いっきり噛んだ。
「い、痛い!」
「俺、お兄さんより年下で、頼りないけど甘えられたら嬉しい」
「なんで噛んだ……」
アズは拗ねたみたいに噛んだところをちゅうちゅうと吸う。
「お兄さん、俺の話聞いてないから……」
そういわれると、そうだったかもしれない。ここは一つ、甘えてみるかという気にリュカもなった。
「じゃあ、この傷治して」
「嫌だ!」
アズは首筋をちゅうと強く吸い上げた。
(こいつが何を考えているかわからん)
リュカはもうすっかり諦め、アズの首筋に顔を埋めた。アズは嬉しそうにリュカの頭を撫でた。
(絶対首筋、痕がすごいことになってるよな……)
気づかれないように治療しとくか、リュカはそう決意してまた眠った。




