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♪♪♪♪ ハッタツショウ害シャノ唄 ♪♪♪♪   作者: 動物の世界で人間らしく
第一章 何かを隠して生きる。
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001 【扉絵】──あとで塩でも撒こうぜ


挿絵(By みてみん)  



 ──ここに勤めて四人目か。次はわたしの番かもね。


 呉葉くれはは目の前で繰り広げられる甚だ不快な騒動を、燃え盛る焔の如き目でめ付けながら、心の中で呟いた。




「あいつは発達障害者だ!」

「今すぐ、クビにしてしまえ!」



 発達障害者だと罵声を浴びせられた痩身の男性は、翌週、特例子会社へと転籍させられた。

 彼は送別会どころか、離職の挨拶すらさせてもらえず、その日の夕方、夕闇の空に紛れて一人で会社を出ていった。

 


「これで、職場がよくなるな」

「いなくなってくれて、よかったぜ」

「あぁ、清々(せいせい)したわ」

「あとで塩でも撒こうぜ」


 そんな罵詈が、障害を持たない社員の口から、怒気とともに衝いて出る。



“塩を撒くって何なんだ。あの人が、そんなに迷惑をかけたのか!”


 と、呉葉は憤り、影ながら痩身男性のことを憐れんだり、謂われのない不浄扱いを嘆いたりして、発達障害者の悲惨な人生を想った。




 

 ──────呉葉もまた、発達障害者だったからだ。

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