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7/20

情報提供⑤ 配送記録



こんばんは、無記名です。


今回掲載するのは、

配送業務に従事していた方からの情報提供です。


提供者は、

九州地方で長年、

宅配業務を行っていた男性です。


現在は退職されています。




内容については、

本人了承のもと、

一部編集しています。




──────────────────




最初に連絡をいただいた際、

提供者は

こう書いていました。




「最初は山奥の普通の集落だと思っていました」




──────────────────




以下、

提供内容を書き起こします。




──────────────────




自分が担当していたのは、

山間部を回る配送ルートでした。


町から外れた地域が多く、

細い山道を走ることも珍しくありません。




だから、

多少変な場所でも、

当時は特に気にしていませんでした。




問題の場所に行き始めたのも、

そんな頃です。




配送先住所は、

毎回少し違いました。




ただ、

最終的に向かう場所は

ほとんど同じだったと思います。




山道をかなり進んだ先に、

古い橋がありました。




最初に行った時は、

正直、

「こんなところに人住んでるのか」

と思いました。




橋を渡った先に、

小さい集落がありました。




──────────────────




覚えているのは、

静かだったことです。




山の中だから、

静かなのは当然なんですが、

妙に音が遠いんです。




車のエンジン音も、

自分の足音も、

少し遅れて聞こえる感じがしました。




あと、

洗濯物が多かった。




家の前、

軒先、

物干し台。




白いシャツとか、

タオルとか。




生活感は普通にあるんです。




でも、

人をほとんど見なかった。




──────────────────




何回か通ううちに、

変なことに気付きました。




荷物は毎回、

ちゃんと受け取られてるんです。




配送記録にも残っています。




ただ、

誰に渡したのか思い出せない。




玄関先で受け渡しした記憶はある。




「ありがとうございます」

みたいなことも言われてる。




でも、

顔が浮かばない。




男だったか、

女だったかも曖昧なんです。




──────────────────




ある日、

会社で配送記録を確認していた時、

上司に言われました。




「この地域、

 まだ配達あったんだな」




自分は意味が分からなくて、

普通に

「ありますよ」

と答えました。




すると上司が、

少し変な顔をしました。




「いや、

 あそこ、

 だいぶ前に人いなくなっただろ」




冗談だと思いました。




でも、

地図を見ながら説明しようとした時、

配送先が見つからなかった。




住所検索しても出ないんです。




──────────────────




ただ、

配送伝票は存在していました。




会社にも記録が残っていました。




配達完了。




受領確認済。




日付も、

担当者印もある。




でも、

届け先住所だけが、

微妙に読めなかった。




インクが滲んでるというか、

潰れてるというか。




何回見ても、

頭に入ってこない感じでした。




──────────────────




それから、

橋を渡る時だけ、

ドラレコ映像が飛ぶことに気付きました。




毎回ではありません。




ただ、

確認すると、

橋の途中から映像が乱れて、

気付くと

集落側へ着いている。




帰りも同じでした。




橋を渡った記録だけが、

曖昧なんです。




──────────────────




一番変だったのは、

最後の配送の日です。




その日、

荷物は一つだけでした。




小さい段ボールで、

送り主欄には

個人名が書かれていました。




ただ、

受取人欄が空白だった。




会社のミスだと思いました。




でも、

自分は普通に

その集落へ向かっていました。




橋を渡って、

集落に入って、

いつもの場所に停めた。




その時、

初めて、

人を見ました。




家の前に、

何人か立っていた。




年齢も性別も、

よく分からない。




ただ、

みんな、

こっちを見ていました。




──────────────────




怖かったわけじゃないんです。




むしろ、

妙に安心したのを覚えています。




「ああ、

 ちゃんと人いたんだ」

って。




それで、

荷物を持って近付いた時、

その中の一人に言われました。




「帰ってきたんですね」




──────────────────




そのあとが、

思い出せません。




気付いたら、

営業所へ戻っていました。




荷物は無くなっていて、

配送完了処理だけが残っていました。




ただ、

その日の帰宅後、

自分の作業着から、

濡れた土みたいな匂いが

ずっとしていました。




──────────────────




提供内容は以上です。




なお、

提供者によると、

現在でも、

その集落へ行く夢を見ることがあるそうです。




夢の中では、

毎回、

橋の向こう側から

誰かが手を振っているとのことでした。




ただ、

顔は見えないそうです。




──────────────────




提供された配送記録についても、

確認を行いました。




一部の伝票には、

判読困難な住所が記載されています。




また、

複数の記録で、

橋付近と思われる時間帯のみ、

GPS履歴が欠落していました。




偶然かもしれません。




ただ、

これまでの情報と、

一致する点は多いように思えます。




──────────────────




個人的に気になっているのは、

この集落に関する記録には、

“受け取る側”の情報が

ほとんど残っていないことです。




映像、

卒業アルバム、

新聞記事、

配送記録。




いずれにも、

生活の痕跡はある。




しかし、

肝心の“誰がそこにいるのか”だけが、

曖昧です。




引き続き、

似た地域への配送記録、

地図、

古い資料などをお持ちの方は、

情報提供をお願いいたします。

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