第十五章
春休みに入ってまもなく由季から遊園地へのお誘いがありあたしはすぐOkした。
その日 由季があたしの家へ迎えに来た。二人で駅まで歩いている時 由季があたしに聞いた。
「ところで ユウカ…白河君との事どうしたの?」
「本当はね卒業式の当日まで付き合ってみようって思ってたの‥だから最後に杉城さんと話したかった。でも改めて自分の気持ちに気づいてしまったから‥やっぱり友達としか思えないから‥断ったわ。」
「そうね。自分の想いに気づいてしまったら それしかないものネ‥」
あたしは頷いた。
駅まで行くと、そこに楡井さんと真臣君がいた。
あたし達を見ると楡井さんが手を振った。
「由季‥どうして楡井さんと‥杉城さんがいるの‥?」
あたしは由季の顔を見た。
「決まっているじゃない‥四人で行くのよ。」
由季は平然としている。
「四人で…?」
あたしはときめいた。と同時に気まずい思いがした。
「いや?」
由季が聞く。
「嫌じゃないわ全然‥でも‥」
あたしは即答した。
「でもじゃないの‥ほら行くわよ。」
由季はあたしの腕に自分の腕を絡めると彼らの方へ歩き出した。
あたし達が行くと彼らは自分達の車の方へ連れて行った。
二人共 卒業前に免許を取っていたので車で行く事になっていたらしい。
彼らはそれぞれの車で来ていた。
(えっ 車が二台‥という事は必然的にあたし杉城さんの車よね…どうしよう…)
なんて思っていたら
「ユウカちゃん こっちに乗るかい?由季もいるし…l
と楡井さん。
すると慌てたように真臣君が
「何 言ってるんだよ博‥ユウカは俺の車に決まってるだろう。ほら ユウカ‥」
真臣君が助手席のドアを開けてくれた。あたしは真臣君の車へ歩き出した。
「悪い 悪い そうだったな‥」
楡井さんはそう言いながら笑っている。
「まったく お前って奴は‥」
何て言いながら真臣君も笑顔だった。
あたしが車に乗ると真臣君はドアを閉めてくれた。
そして真臣君は運転席へ…
(夢みたい‥あたし 真臣君の車に‥それも助手席に乗ってるんだ。何かドキドキしてきた。何か話そうにも何にも浮かばないよ‥)
あたしがそんな事思っている間にも 車は目的地へ向かって走り出している‥
あたしはどうしようなんて思いながらはなしもできずに黙っていた。
「ユウカ‥俺と一緒じゃいやか…?」
真臣君の声が響く。
「いえ そんな事ないですっ!」
「そうか‥それならいいけど‥駅で俺を見た時も‥車に乗る時もためらっていたみたいだったから…」
「そうじゃないんです。あたし 由季と二人だとばかり思っていたから驚いちゃって…車に乗る時もあたしが杉城さんの車に乗っちゃっていいのかなと思って…杉城さんこそあたしが一緒でご迷惑じゃないですか?」
「迷惑の訳ないだろう。俺はユウカが来る事知っていたし‥だからこそ来たんだから‥ユウカじゃなかったら来ないぞ。」
あたしの胸はまたドキッ‥
「そんなふうに言ってもらえて…嬉しいです。あたし卒業式の日 杉城さん怒らせちゃったみたいで‥ずっと謝りたかったんです。‥ごめんなさい。」
自分の声が少し震えているのがわかった。
「いいよ謝らなくて‥俺が悪かったんだから‥返って気を使わせたみたいだな‥」
杉城さんはそう言いながら、あたしの手を自分の手で優しく包み込むと
「ごめんな」
と言ってすぐにハンドルに手を戻した。
あたしはときめきで何も言えなくなってただ頷いた。
その後はいつも通りいろいろな話しができた。




