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9-2

私は勘に任せて左へと曲がるとすぐにまた左右に続く突き当りへと出くわしてしまう。

どっちへ曲がろうかと一瞬迷うと。


「ユフィアちゃん、こっちだ!」

「ジェイル!?」


グイッと腕を掴まれて左の方の道へと連れていかれる。


「何とかして追っ手をうまいこと撒かないとな」

「ねぇ、シリウスはどうしたの?」

「ああ、あいつなら半分の追手を引き連れて反対側に向かったよ」

「それって大丈夫なの!?」

(シリウス一人で追っ手の相手なんて危ないんじゃ!?)


なんて心配しつつ告げると、ジェイルは二ッと笑って言った。


「あいつの腕なら大丈夫だ。何の心配もない」


その言葉が何故か誤魔化しているわけでもなく確信めいたものだったので私も信じる事にした。

シリウスの事は私よりジェイルの方がよく分かっているだろうから。


「本当なら俺も戦って格好いいところを見てもらいたいところだけれど、残念ながら俺の武器はこの狭いちじゃ思う存分振るえないからな」


微かに苦笑してそう言ったジェイルは自分の背中に装備されている槍へとちらりと視線を向ける。


「確かにあなたの槍じゃこの場所では戦いにくそうね」

「だろ?なのでこうして戦う以外の方法で追っ手を撒いてるわけだ」

「これって撒けてるの?」

「大丈夫。俺はこの町の事は結構詳しくて裏道なんかも熟知してるから」


そう言いながらジェイルは細い道を選んで進んでいき、追手をどんどん減らしていく。


「よし、ユフィアちゃん。あそこの物陰に身を潜めよう」


ジェイルが視線で指した場所は大きな鉄製の箱が置かれた場所だった。

確かにそこは大人二人でも身を隠すには十分な場所で、私は頷くとすぐさま箱の裏へと身を隠す。

続いてジェイルも、箱の裏へと身を隠しつつ箱から目だけを出して辺りの様子を伺っていた。


「何!?消えた…!?」

「そんな訳がない!探せ!探し出すんだ!光の巫女の抹殺があの方のご命令なのだからな!」


そう言って黒ローブの男達は箱の前を通り過ぎていく。

一旦頭をひっこめたジェイルは軽く息をついて言った。


「何とか撒くことには成功したが…あの方のご命令ねぇ」

「誰か心当たりはあるの?」

「いや、それはないけれど。少なくとも光の巫女を邪魔に思う連中がこの国にいる事だけは確かだろうな」

「…そうね。光の巫女の抹殺って言っていたし」

「…ああ、それについて気になることがあるんだが…」

「何?」

「いや、これは後から皆と合流してから話そうか。この様子だとリオン達の方にも刺客が向けられてそうだしな」

「っ!?メルフィは大丈夫かしら…!」


私の代わりに光の巫女に間違われて襲われていたりしたらと思うと心配になって言葉を零す。

すると、ジェイルはぽんぽんと軽く私の頭を叩いて慰めるように言ってきた。


「大丈夫だ。心配ない。あっちにはリオンがいる。シリウス同様あいつの腕ならしっかりメルフィちゃんの事護ってるさ」


優しいその言葉に私は内心安堵してほっと息を零すものの、どこか子ども扱いされているような恥ずかしさもあって、軽く手を払ってしまう。


「もう!私は子供じゃないんだから!」

「ははっ、悪い悪い」


と言いつつ特に悪びれた様子は見せずにジェイルは再び周りの様子を伺うと私に向かって言った。


「追っ手は完全に撒いたようだな。このまま元来た道を戻ってシリウスと合流した後リオン達との合流地点に向かおうか」

「わかったわ」


私は頷いて立ち上がると、ジェイルと共に元来た道を走って戻っていく。

商店通りへと戻ったところで、無事だったシリウスとも合流し、追手が戻ってこないうちにとリオン達との合流地点へと向かったのだった。

ジェイルルートUP。

攻略対象が少ない時ぐらいは金太郎飴にならないように努力はします。

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