10
合流場所に戻った私のところにメルフィが駆け寄ってくる。
「ユフィア!大丈夫!?」
「メルフィ!あなたこそ大丈夫だった!?なにもされていない?」
「うん。私は騎士様が護ってくださったから大丈夫だったけれど…」
私達の様子を見て、ジェイルが言った。
「その様子だとそちらの方でも何かあったみたいだな」
「ああ。黒ローブを被った男達に彼女が狙われた」
「やっぱり、こっちと一緒か。詳しいことは宿で話した方がいいだろうな」
「そうだな。とりあえず宿に行こうか」
リオンの言葉に全員頷いて私達は揃って宿屋へと向かう。
時間も夕暮れ時となっており、一階で夕食をとりながらお互いに起こったことを話し合う。
話を聞く限り、やはりメルフィも光の巫女と間違われて襲われたらしい。
「やはり光の巫女を狙っての犯行か」
「そうみたいだな。しかし………」
そう言ってジェイルはしばらく考え込む様子を見せると、やがて口を開いた。
「これは王都までの行き方を変えたほうがいいかも知れないな」
「どういうことだ?」
「今回の任務は極秘で、俺達と国王陛下しか知らなかったはず。なのに、光の巫女の存在を知る者たちがいて襲われた。どこから漏れたのかはわからないけれどな」
「ああ」
「となれば、お忍びで行動するよりは馬車を使って一気に王都まで行く方がリスクは少ない気がする」
「それは目立って逆に襲われやすくならないか?」
「勿論、襲われる可能性は高い。けれど、固まっている分彼女達を護りやすいし、馬車なら夜通し飛ばせば二日で王都に着く。歩いてだと一週間はかかるからな。正体がばれている以上忍んでいる意味はないだろう?」
「……確かに。それはいえるかもしれないな」
ジェイルの言葉に、シリウスは納得した様子を見せる。
リオンは少し考えた後、私達の方を見て言ったのだった。
「ユフィア達はどうしたい?」
「私達?」
「ああ、俺達の役目は光の巫女を無事王都に送り届ける事だ。ならば光の巫女の意思を尊重したい」
少し危険でも早く王都に着ける道か、襲われる危険はすくないけれど時間のかかる道か。
どちらかを選べと言われて私はメルフィを見る。
メルフィも私の方を見て笑みを浮かべた。
「私はユフィアに任せる」
「…そう、それなら」
私は少し考える。
(安全な道の方が無難かもしれないけれど、正直早く王都につきたい気持ちなのよね。村の事も心配だし、それに早く着いた方が襲われる回数も少なくて済むかもしれない)
そう考えて私は口を開いた。
「馬車で行く方にするわ。村の事も心配だし、できるだけ早く王都につきたいから」
「そうか。わかった」
私の言葉にリオンは静かに頷いて言ってくれた。
「巫女の意思を尊重しよう。明朝早くに馬車を使ってここをたとう」
「夜のうちに襲われる心配はないかしら?ここの宿やってばれているし」
私の疑問に、それなら、とリオンはシリウスの方へと視線を向ける。
そのリオンの視線を受けてシリウスは頷いた。
「…大丈夫だ。今夜の襲撃はない」
「え?どうして分るの?」
「ああ、シリウスの奴は妙に勘が妙に冴えててな。何かが起こりそうなら数時間前には察知できるんだぜ」
メルフィの問いかけにジェイルが何故か得意そうに答える。
「へぇ、シリウスって勘が鋭いのね」
「…それほどでもないが」
「とにかく、今夜の事は安心していい。万が一の事も考えて交代で部屋の前に見張りについているしな」
「わかったわ。それなら安心していいわね」
「では、明日からの行動は決まったな。二人の事は無事に王都に送り届けるから安心して欲しい」
「ええ、有り難う」
「有り難うございます!」
そうして私達は夕食を食べ終えると、メルフィと共に部屋へと入る。
普通の宿屋らしいけれど、私達の村にある宿屋から比べたら、というか私達の部屋から比べても豪華なつくりの室内にまた唖然としてしまったのだけれど。
「本当に凄いわね…」
「普通の町でこれだもんね。王都に着いたらどうなっちゃうんだろう?」
「想像もできないわね」
「ね?あ、そうだ。さっき宿の人に聞いたんだけれど、ここの屋根の上に上がれるんだって。そこから見上げる星空は綺麗らしいよ。よかったら後で見に行ってみたら?」
「そうなの?それじゃあ、後で行ってみようかしら」
メルフィとそんな会話をしながら時間を過ごし、夜も少し更けたころ。
(まだ寝るには少し早いのよね。そう言えば屋根上へ登れるって言っていたけれど、誰かを誘って行ってみようかしら?)
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ジェイル→11-3へ
メルフィ→11-4へ
夜会話へ。
基本夜会話は同時UPですのでしばらくお待ちください。




