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8-2

「じゃあ、私はシリウス達と買い出しに行くわ。二人ともよろしくね」

「了解」

「ああ」

「なら私はリオンさんとだね。ユフィア、また後でね」

「ええ、気を付けてね」


そう告げて、私達は分かれてそれぞれ方向へと向かう。


「そう言えば、食料などの調達ってどこで行うの?」


村では小さな店があって、そこで買うか後は採取や狩りに出かけたり、育てたりして食料を補っていたため、こんな大きな町ではどうなっているのか不思議でならない。

見る限り田畑はみられないので自分達で育ててはいないようだけれど。


「ああ、そうか。ユフィアちゃんは町は初めてだもんな。商店通りなんて見たことはないかな?」

「商店通り?」


ジェイルの言葉に私は首を傾げて見せる。

聞いたこともない言葉だったから。


「ああ、だいたいこの国の町は皆いろんなところへと買い出しに行ったり輸入したりして商品を買いそろえてるんだ。それを売るのを商売にしている店が並んでいる通りを商店通りって言うんだぜ」

「そうだったのね。私のところにもお店はあったけれど、一つしかなかったわ」

「なら実際見たら驚くだろうねぇ。店の数も人の通りも違うだろうから」


そう言われて、私は期待半分、怖さ半分に気持ちになっていた。

正直、未知の世界である場所に行くのは楽しみではあるけれど、少しの怖さも感じるのだったりする。

ジェイル達に連れられて辿り着いた商店通りを見て、私は再び唖然としてしまう。

けれどそれは仕方のないことだった。

だって、村では一軒しか見られなかった店が両脇に何十軒と並んでいて、日用雑貨や食料や衣料品以外にも見たことがないものも売っていたりするのだから。

しかも、通りを歩く人々の多さも村とは桁違いでやはり圧巻されてしまう。

そんな私の様子を楽しそうに見つつ、ジェイルが告げてくる。


「やっぱり驚いてるみたいだな?」

「え、ええ。正直びっくりだわ。こんな通りがあるなんて」

「でも賑やかで楽しそうだろう?」

「そうね」


確かに賑わっていて楽しそうな様子を見ると、ついつい心が躍ってしまう気がした。

メルフィが見たら随分と喜んだだろうなと思いつつ、私はジェイル達の方へと視線を向けた。


「それで、ここで何を買うのかしら?」

「そうだな。必要なのは水と食料。あとは旅に必要なものを何点か買わないといけないんだが、順番に回って行ってもリオン達を待たせるほどの時間はかからないだろうから一緒に行動しておくか」

「そうだな」

「私は二人に任せるわ」

(こんなところ一人で歩くことになったら迷子になる自信があるし)


心の中で付け足して私は二人の後を大人しくついていくことにした。

向かう店、向かう店、皆村にあった店よりもはるかに大きくて品物の数も多くて見るたびに驚いてしまう。


(村の皆もこんな町に住めたらきっともっと楽な暮らしが出来るのに)


と不意に村にいる皆や両親の事を思い出して少しだけ切なくなったりもしたんだけれど。

村での暮らしは決して豊かとはいえなかったから。

だからって村の暮らしが嫌だったわけじゃないけれども。

なんて考えていると、不意にシリウスが声をかけて来た。


「…どうかしたのか?」

「あ、ううん。なんでもないの。ちょっと圧倒されちゃってただけで」

「そうか」


それだけ言うとシリウスは黙ってしまったけれど、もしかして少し気落ちしたのに気づいて気遣ってくれたかもしれない様子に、シリウスの優しさを感じて少し嬉しくなった。

それから私達は、必要な分の食料や旅のものをすべて買い揃えて、そろそろリオン達と合流しようかと店から出た時だった。

ジェイルとシリウスはなにか真剣な表情を浮かべて立ち止まる。


「おい。気が付いているか?」

「ああ」


静かな声で話し合う二人の様子を見て、私は首を傾げつつ問いかける。


「二人ともどうしたの?」

「しっ、静かに聞いてくれ。二件ほど前からずっとつけられてる」

「つけられてるって、誰に?」

「さぁ、まだ判らないが。あまり友好的な雰囲気ではないな」

「とにかく、振り返らずに合流地点まで急ぐぞ」

「え、ええ。わかったわ」


二人の様子から楽観できる状況ではないことを悟って、腰に装備しているモーニングスターをぎゅっと握りしめる。


「大丈夫だ」

「え?」

「君の事は俺達が護る」

「そうそう。俺達に任せておけば大丈夫だからな」


緊張した私の様子を感じ取ったのか、そう言ってくれるシリウスとジェイルの言葉に私も少し安心して微笑んだ。

けれど状況は緊迫している様子で、二人の表情は真剣さを増していく。


「…不味いな」

「ああ。だんだん近づいてきている」

「狙いはやはり彼女か」

「わ、私?」

「だろうな。どこから情報が漏れたのかはわからないが」

「…よくわからないけれど、光の巫女と関係があるの?」

「ああ、それだけわかってれば十分…って、走れ!」

「っ!?」


急にジェイルが叫んだのを聞いて咄嗟に私は走り出した。

それと同時に私がいた場所に黒いローブにフードを被った男がどこからか飛んできてナイフを振りかざしていた。


「きゃあああっ!?」


通行人の悲鳴が聞こえ振り返ると、襲ってきた男は私たち目がけて走ってくる。

どこから現れたのか、同じように黒ローブの男達が数人現れて追いかけて来ていた。


「あれって!?」

「あいつら、人がいてもお構いなしかよ!ちっ、取りえずそのまま突っ走るんだ!そして突き当りを曲がれ!」


ジェイドの声に私は必死に走っていくと、突き当りまで辿り着いたものの曲がり角は右と左に別れていてどちらに曲がればいいのか一瞬迷ってしまう。


(こうなったら、勘でいくしかないわね!)


咄嗟に考えて選んだのは。


右!→9-1へ

左!→9-2へ

シリウス・ジェイルルートです。

出来るだけリオンルートと文字数を合わせつつ金太郎飴にならないように心がけていますが、もし似たような展開になってしまったらご容赦ください。

次はシリウスとジェイルの個別ルートになります。

選択肢が簡単すぎたかなと思うので今回はどちらがどっちか分からないようにしてみました。

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