表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
36/60

第36話 次なるパッチは「破壊(NOBUNAGA)」


「議論を終わらせる方法は一つだ」


夜裏の手が、五番目のカプセルのロック解除キーにかかる。


「全員を黙らせるほどの『圧倒的な決断』。そして、古い価値観をすべて焼き払う『破壊』だ」


「や、焼き払うって……まさか……」


私は後ずさりした。 嫌な予感がする。 その人物の名は、日本人なら誰もが知っている。 最も革新的で、最も残酷で、そして最も人気のある「魔王」の名だ。


『おいおい大将、本気か?』 


gennaiの声すら震えている。


『そいつは制御不能だぜ? 議論どころか、俺たちの存在ごと消し炭にされかねねえぞ』


「構わん。停滞よりはマシだ」 


裏は躊躇なく、その赤いスイッチに指をかけた。 その瞳には、これから起きる災厄すらも許容する、狂気じみた覚悟がある。



「承認する。――歴史(日本)を、やりなおす」



「Re-JAPAN計画、フェーズ5。……起動せよ、【NOBUNAGA】!」

【Code Name: NOBUNAGA / The Demon King】



ガシュゥゥゥゥン!! 



カプセルが開くと同時に、凄まじい熱波が吹き荒れた。 執務室の温度が一気に上昇し、スプリンクラーが作動しかける。


黒煙の中から、その男は現れた。 燃えるような深紅のマント。西洋甲冑を思わせる黒いナノ・アーマー。 そして、腰には二丁の長銃レールガンを帯びている。


『……是非もなし』


低い、地鳴りのような声。 男が目を開いた。 その瞳は、人間の色をしていなかった。燃え盛る炎の色。すべてを灰にするまで止まらない、破壊の炎だ。


「織田……信長……!」


私は腰を抜かした。 ヤバい。こいつはヤバい。 PRINCEやUSHIWAKAとは格が違う。 話が通じるとか、情に訴えるとか、そういう次元じゃない。「存在自体が災害」だ。


「行くぞ、かたる君」


夜裏なおすは、炎の魔王を前にしても動じず、冷徹に告げた。


「ターゲット・イヤー、西暦一五八二年。……この理屈っぽい国を、跡形もなく焼き尽くしてこい」


「焼き尽くしてどうするんですかぁぁぁ!」


転送の光が私を包む。 インクの匂いは消え、代わりに鼻をつくのは、火薬と血の匂い。


さようなら、評論家たち。 次に目覚めるのは、炎上する本能寺。 議論無用、問答無用の「破壊」の時代だ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ