6.5話・会話
今回は6話の舞台裏みたいな話です。
リュートがティグリオと相まみえたその頃、遠く離れた暗い場所にて四体の巨大な影がその闘いを観戦していた。
『まずは余と氷帝の転生者があいまみえたか』
赤いオーラを纏う巨大な影が話す。
『しかし灼王よ、今回は我の転生者の方が上手だったようだな。』
灼王と呼ばれた赤いオーラの影に対し、青白いオーラを纏う影が話す。
『それはどういう意味だ、氷帝よ。』
『どう見ても我の転生者の方が押していたではないか、防戦一方と言っても過言では……』
『最後の一撃で巻き返されたであろうが、そもそもあの鎧を纏うまでは、押していたのは余の転生者の方であろう。』
『あの鎧は我らの力あってこその物、力を上手く扱えているとは思わんか?』
『最後の一撃も魔力の細かいコントロールあってこその物だ、だいたい自慢の鎧も一撃で砕かれ……』
『紙一重の差で何を言っておる。』
二体の言い争いを緑のオーラを纏った影が遮る。
『まったく、貴様らは事あるごとにいがみ合いおって……あの小童らの間に貴様らの言うような差があるとは、妾には思えぬぞ。』
『朕も同感だ、決着が付かなかった以上、言い争った所で仕方あるまい。』
灰色のオーラを纏う影もそれに同意する。
『偉そうな事を、そういう貴様らの転生者はどうなのだ? 』
氷帝が二体の影に尋ねる。
『朕の転生者は……ふむ、どうやら力はうまく使いこなせているようだな。』
『妾の方も使いこなせておるな、しかし、他と相まみえるのは当分先じゃのう。』
『朕等の転生者は生まれた地が違う故、仕方あるまい。』
『フン、まあ良い、どのみち我らの時は無限、気長に見てれば良かろう。』
灼王が話す。
『しかし、転生者同士の闘いがあれほどとは、これは予想以上に面白いかもしれんな。』
氷帝は笑みを浮かべている様子で話す。
『あの女神から奪い取った力がこんな形で役に立つとはな、大口叩いてる割に脆弱な奴じゃったが……』
『悠久の時を生きる朕等にはちょうど良い暇つぶしよ、せいぜいこれからも楽しませてもらおうか。』




