第2話・憤怒
寝不足で書き上げたため文章に自信がありませんが、どうぞご覧ください。
森の中、盗賊と思しき複数の男によって、カイトはボロボロになっていた、そしてそこには、カイトと同い年くらいのオレンジのツインテールの少女、シャリーもいた。
「いてて……くそっ、このガキ……」
盗賊の中にはカイトの魔法によって軽い火傷や傷を負っている物もいた。
「ったく、ちょっと魔法が使えるくらいでいい気になりやがって。」
魔法が使えると言ってもカイトが使える魔法はどれも初級の魔法ばかり、中には戦闘に使える魔法もあるが、とても大人数の大人を相手に出来るような物ではなかった。
「初級の魔法くらいで俺らがビビるとでも思ってたのかよ、馬鹿が!」
「ウグッ!」
盗賊の一人が倒れているカイトの背中を踏みつける。
「カイトくん!」
「さてと、邪魔者は片付いたし、一緒に来てもらおうか、お嬢ちゃん。」
盗賊の中の一人がシャリーの腕を掴む。
「い…いやっ!!」
「心配すんなって、俺らにそんな趣味はねえよ。」
「ただ奴隷として売り物になってもらうだけだ、女のガキは高く売れるからな。」
「いやぁ!」
ガシッ
「あん?」
カイトはボロボロの状態で地面に伏したまま盗賊の足を掴む。
「放せ……シャリーちゃんを……」
「……チッ、しょうがねぇ、ガキだと思って勘弁してやったが……」
盗賊は腰に差してた剣を抜く。
「や……止めて!!」
シャリーが叫ぶが、盗賊は聞き入れず、カイトの背中に切っ先を向ける
「そこまで死にてえなら、望み通り刺し殺し…」
盗賊がカイトの背中に剣を突き刺そうとした、その時だった。
「グベェ!!」
突然盗賊の中の一人が数メートル吹っ飛んだ、男は木に激突して気を失った。
「な……何だ!?」
盗賊は全員吹っ飛ばされた男がいた方向に目を向ける。
「リュートお兄ちゃん!」
男を拳でぶっ飛ばしたのはリュートだった。
「テ……テメエ、俺達が誰だかわかってンのかコラァ!!」
盗賊達は一斉に剣を抜く。
「知らねぇな、ただ一つ解ることは……クズということだな。」
リュートは無表情だが、その瞳には凄まじい怒りが宿っていた、そしてさらに、魔力が無いと言われた筈のリュートの体から凄まじい程の魔力が溢れ出していた。
「くそっ……舐めんなコラァ!」
盗賊の一人がリュートに向かって剣を振り下ろす。
ガッ!
しかし、その剣はリュートに素手で止められた。
「な……」
ドガッ
「ゲフェ!」
リュートはそのまま前蹴りで盗賊を吹き飛ばす。
「野郎!」
「テメエ!」
今度は二人がかりで襲いかかる盗賊だが……
ガシッ
「なっ……う……うおおお!」
リュートは一人の腕を片手で受け止め、もう片方で腹部を掴み、そのまま盗賊を持ち上げる。
「おらよ!」
ドズン
「ギャッ!!」
「グオッ!!」
そしてそのままもう一人の方に叩きつける、盗賊は二人とも気絶した。
「くっ……舐めんなーー!!」
『ウオオオオオーーー!!』
盗賊は残りのほぼ全員で一斉にかかってきた。しかし、リュートは全く怯む様子もなく盗賊達に突っ込んでいく。
『ギャアアアーー!!!』
そしてリュートは父親仕込みの体術で盗賊を次々と蹴散らしていく、膨大な魔力で強化されたその体術は一撃一撃が凄まじい重さを誇っていた。あっという間に盗賊が地に伏していく。
「そこまでだぜ! お兄ちゃんよぉ!!」
リュートが呼ばれた方に目を向けると、いつの間にか最初にぶっ飛ばした盗賊が目を覚まし、カイトの首にナイフを向けていた。
「弟の命が惜しかったら大人しくしろ!」
カイトを人質にとり、勝ち気な様子の盗賊、しかしリュートは顔色一つ変えずに左の掌を盗賊に向ける。すると、盗賊の空だが淡い光に包まれた。
「な……何だ……!? 身体が……動かねぇ!?」
「懲りもせずにカイトを人質にとるとはな……」
リュートがその掌を上に向ける、すると今度は盗賊の体が宙に浮いた。
「ま……待て、待ってくれ! 頼む! 許してくれ……」
リュートは左手で何かを引き寄せるような動作を行う、すると、盗賊の体がリュートにの方へ引き寄せられた、その先のリュートの右拳には、膨大な魔力が宿っていた。
「ギャーーー!!」
ボゴッ
引き寄せられた盗賊の顔面に、リュートは右拳をおもいっきり叩きつける。盗賊は顔面が著しく凹み、気を失った。
(俺は……何を……?)
頭に血が上っていたリュートは我に返ったらしく、自分の手を見つめていた。
「カイト!!」
「カイトくん!」
ボロボロのカイトに駆け寄るリュートとシャリー、リュートはカイトを抱き起こす。
「カイト、しっかりしろ!」
「兄ちゃん……ごめん……俺…すげー馬鹿な事しちゃった。」
カイトは弱々しい声でリュートに話す。
「……全くだよ、このアホたれ。」
「……けど兄ちゃん、俺なんかよりも……めちゃくちゃ強かったんだなぁ……すげーや。」
命に別状は無さそうな様子に安堵した様子のリュート。
「リュート! カイト!」
リュートが呼ばれた方に目を向けると、父、ランディとイングラム家の亭主が走り寄って来た。
「パパーー!!」
「シャリー!!」
シャリーとイングラム家の亭主が互いに駆け寄り、抱き合う。
「父……さん……」
カイトは弱弱しく父を呼ぶ。
「しっかりしろ、今治してやる、“ヒール”」
ランディはカイトに両手を翳し魔法を唱える、すると、カイトの体が光に包まれ、体の傷がゆっくりと癒えていく。
「母さんから念話で話を聞いたんだ、まったくお前たちは……」
「……」
バツが悪そうな顔をするリュート、因みに念話というのは離れた場所にいる特定の相手と短時間だけ脳内で会話する魔法である。
「……まあ説教は後にして家に帰ろう、母さんも心配しているからな。」
ランディはカイトを背負う。
「さあシャリー、俺達も帰ろう。」
「うん!」
シャリーは父親と手を繋いで歩く。
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帰宅してすぐ、後先考えず飛び出したリュートは正座でアメリアに叱られていた。
「まあまあ奥さん、リュート君が来なかったらカイト君もうちのシャリーもどうなっていたか解らん、ここは一つ、俺とシャリーに免じて許してやってくれ。」
「……はあ、全く仕方ないわね。」
「じゃあ俺達はこれで失礼するよ、リュート君、ランディさん、本当にありがとう。」
「ありがとうございました!」
イングラム親子はお礼を言って帰路につく。
「カイトを寝かせてくる、それと二人ともこの後いいか?」
「何だ? 父さん。」
「何かあったの?」
「リュート、お前の魔力について話がある。」
次回は主人公の力についてとこれからについての話になります。あと新キャラ登場します。




