夜の訪問者
「しっかし、お前がよく来たもんだよ」
いま俺たちはサンドルさんの案内でライトベース内部にいるのであった
「黙って案内しろ」エンザンはなにやら不機嫌そうだ
「案内っておま…」
そこまでいうとエンジン鋭いめつきになった
「無駄だと思うぜ…」
それっきり静かなまま進んでいった
「スカラ様、お客が見えています」
扉の前でサンドルが叫んだ
たしかスカラって女神とか言われてた人だよな
「誰だこの忙しいときに…」向こうから女のひとの声が聞こえる
「はい、エンキどの一行と…あと」
そこまでいうとエンザンが扉を開き入っていった
「私です」
後からおどおどとみんなはいるとそこはとんでもないところだった
とても広い空間の中央に騎士たちが並んでその先に座る女のひと
とてもきれい…たぶんこの人が女神なのだろう
「え、エンザン!今までどこにいってたのだ」
女神がエンザンを見るとこっちに走ってきた
「お久しぶりです…スカラ様…」
「ずいぶんと優しくなったように見えるわ、大将だったあなたが…」
た、大将…?
エンキたちは唖然となりエンザンをみる
「それよりも、話したいことがあります」
少したつと来客間に案内されてそこにみんな座った
「き、緊張するっす」
「お、お、俺は緊張なんてしてないぞ」
いやブルー緊張しまくりだから…
後から女神も入ってきた
「それで?話とはなんなの?」
「はい、まずここにいるエンキは『運命の子』でありともに『黄泉の秘宝』の承継者であります」
こっちをエンザンが指差していった
運命の子ってよく言われるけどあんまよくわかんないんだよなーそれに継承者ってなんだよ
「な、なんと…まさか…」スカラがとても驚いている
「事実です…そして、調べたところ魔界の連中も神の御加護もすでに動き出しています」
「そういえばサンドル率いる隊が1度神の御加護と戦闘になったことがあるらしいわ」
スカラがいうとサンドルがやってきた
「えー二人いたが会話からすると名前はキンリとロイ、片方には転送魔法で逃げられたがなんとかもう片方には痛手を負わせたところだ」
「ろ…ロイ!?」
エンキが思わず立ち上がる
「とにかく、我等聖者騎士団もこれから行動をとります」
「そのことなんですが、1つはスクルスの塔にあると言われています」
「ではまずそこに向かうとして、お主はどうするんだエンザン」
女神が深刻な顔をする
「俺は敵の足止めをします。エンキたちは四人で、聖者騎士団と別ルートでスクルスの塔へと向かってくれ」
「…わかった」エンキが返事をする
なんか話しのスケールがすげー
まだ心に迷いのある俺にどうしろと…
「では作戦決行は二日後、みなさんには宿を提供しますのでご心配なく」
そういうと女神さんは消えていった、エンザンもなにやら話があるとかでついていった
―その夜―
「なぁエンキ、俺らすげーことしてるんだな」
「あぁ」
アリサは別室でいないが3人で話していた
「正直不安っすよ、魔王を倒すはずが覇王は出てくるし秘宝だのなんだのって」
タツマが思わず本音を漏らす
「戦っていて、それで最後は平和になんのかな…」
「?」
エンキがどこか遠くを見てるかのように語る
「魔王を倒せたとしても覇王がいる、覇王を倒したとしてもまた別の争いが起こるような気がするんだよ」
「でも戦わないと死ぬんすよ、みんな」
「分かってる…けど」
エンキは思わず外に出ていた…
くそ…どうすればいいんだ…
「くす…君は面白いね」
声がする、どこだ…いない…上か
上を向くと銀色のような髪の男が浮いていた
「だれだ」
「僕は…そうだな、創造者?とでも言おうかな」
「創造者?」
なんなんだこいつ…オーラが無のように静かだ
「ねぇ、君さ、新しい力を手に入れたいとは思わない?」
「力?」
男は少し笑った
「うん、君が思うようにたしかに戦っていて最後に平和になるのかは分からない、でも…今は戦うときなんじゃない?」
なんでこいつ俺の考えてることがわかるんだ…
「本当の力は、『争う力』じゃない『救う力』だ」
「救う…力?」
「そうそう、僕は君にその力を与えに来たんだ」
「俺にその力は使えるのか?」
男は一瞬ためらった
「闇を…消し去ればね」
「闇…?」
「記憶と循環の精霊よ。邪悪な憎しみの記憶をこの者に『アバリクス・デ・ストローム」
…!!なんだこの感じ…頭に…変な記憶が思い浮かんでくる
「今君の頭に流れてるのは人々の憎悪さ、つまり闇、救う力を手にするためにはその闇を全て消し去らなければならない」
思い浮かんでくるのは戦争のような絵に死んでいる人々
飢えに苦しむ者や、何の罪もなく殺される者…
痛い…頭が…痛い…
「はぁ…はぁ…くそ…これが闇……」
「闇に飲み込まれれば君はもう本当の力を手にできない…」
いや…違う…痛いのは頭じゃない
心だ…
救いたいんだこの人達を…おれは…この人達を…
「なんとか行けそうだね…よかった」
夜は静かに…消えていった




