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『異世界の通貨が日本円!? スキル【100円ショップ】をもらった平凡大学生、100均グッズと弓の戦術で最強美少女たちと無双&経済支配!』  作者: 月神世一


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EP 8

エルフ堕落作戦。タロー・マート出張所の誘惑

「さ、どうぞ。遠慮せずに座ってください」

僕は100均の『ブルーシート(レジャー用・厚手)』をバサッと広げ、エルフの守護隊長フィエルたちに手で勧めた。

「クッ……なんだこの毒々しい青色の布は! 自然界に存在しない悍ましい色……エルフの誇りにかけて、このような穢れた布に座るなど……っ」

「あ、いいからいいから」

「きゃっ!?」

僕は強引にフィエルの肩を押して、ブルーシートの上に座らせた。他のエルフたちも、おずおずとそれに続く。

「……っ!? な、なんだこれは。一見すると薄い布に見えるのに、地面の石のゴツゴツ感が全く伝わってこない……だと!?」

フィエルがシートを撫でながら驚愕の声を上げる。100均の厚手クッションシートの威力を舐めてはいけない。

「さぁ、朝ご飯にしましょう。ポポロ村特製・PRO型レーション、通称『ポポロ・ボックス』です」

僕はクーラーボックスから、100均の『アルミ保温バッグ』を取り出し、中から湯気を立てる料理を取り出した。

一つは、昨晩の残りのネギカリバーと狂気の野菜を煮込んだ『豚神屋特製・濃厚おでん』。

もう一つは、100均の『マジックソルト』とニンニクを死ぬほどまぶして揚げた『超絶ジャンク・フライドチキン』だ。

「な、なんだその茶色い物体は! 油の匂いが強烈すぎる! 我々エルフは、森の朝露と新鮮な果実しか口にしないと……」

「まあまあ、騙されたと思って一口どうぞ」

僕は強引に、フライドチキンをフィエルの口元に押し付けた。

「ふんっ! 人間の穢れた食事など……サクッ」

フィエルが嫌々ながらチキンを一口かじった、その瞬間。

彼女の長い耳が、ピーン!と天を突くように逆立った。

「……なっ!?」

フィエルのエメラルドグリーンの瞳が見開かれ、全身がワナワナと震え始める。

「こ、これは……!? 舌の上で爆発する、この強烈な『旨味』の奔流はなんだ!? エルフの薄味な食生活では絶対に得られない、背徳的で、暴力的で、脳髄を直接ぶん殴ってくるような強烈な塩気とニンニクの香り……っ!!」

「隊長!? 大丈夫ですか隊長!」

部下のエルフたちが慌てて駆け寄るが、フィエルはすでに止まらなくなっていた。

「あぐっ、はむっ! むしゃむしゃむしゃっ!! なんだこれは、手が、手が止まらないぞぉぉっ!?」

彼女はエルフの優雅さなど完全に投げ捨て、両手で油まみれになりながらチキンを貪り食い始めた。

その姿を見た他のエルフたちにも、僕はおでんとチキンを配って回る。

数分後には、世界樹の森の誇り高きエルフ部隊が、ブルーシートの上で「うめぇぇっ!」「おでんのダシ最高ぉぉっ!」と涙を流しながらジャンクフードを掻き込む異様な集団へと変貌していた。

「タロウ……あなたって人は、本当に容赦がないわね。誇り高きエルフの食文化を、一瞬でジャンクに染め上げるなんて」

ライザが呆れたようにため息をつく。

「タロウさん、なんだか悪い魔法使いみたいですぅ」

サリーも苦笑いしているが、作戦はここからが本番だ。

「フィエルさん。森の生活って、夏は暑くて虫も多いし、寝る時は木の根の上で背中が痛いですよね?」

僕は、チキンの骨をしゃぶっているフィエルに悪魔の囁きを落とした。

「はっ!? そ、それは……自然と一体化する試練であり……」

「これ、プレゼントしますよ」

僕はスキルを起動し、100均の『ハンディ扇風機(USB充電式・魔力変換済み)』、『折りたたみパイプ椅子(ドリンクホルダー付き)』、そして『冷感タオル』を人数分取り出した。

「まずはこの椅子に座って、首にこの濡らしたタオルを巻いてください。そして、この扇風機のスイッチを入れるんです」

言われるがままにパイプ椅子に深々と腰掛け、冷感タオルを巻き、ハンディ扇風機の風を顔に浴びたフィエル。

その瞬間、彼女の顔から「エルフの矜持」が完全に抜け落ち、とろけるような『阿呆の顔』になった。

「あぁぁぁぁぁぁぁ……〜〜〜っ。す、涼しい……。風の魔法を使わなくても、涼しい風が……。それにこの椅子、腰が全然痛くない……最高だ……」

「隊長! このタオル、首に巻いてるだけで氷のように冷たいです!」

「もう森の湿気と虫刺されの生活には戻れない……っ!」

完全に堕ちた。

自然を愛するエルフたちは、地球の100均が誇る『圧倒的な利便性と快適さ』の前に、なす術もなく屈服したのだ。

「……タロウ殿」

フィエルが、パイプ椅子に深くもたれかかり、ハンディ扇風機で涼みながら、チキン片手に僕を見上げた。その目は完全に「堕落した現代人」のそれである。

「この魔法の道具と、神のチキン。……森に持ち帰ることは可能だろうか?」

僕はニヤリと笑い、一枚のプラスチックカードを彼女に差し出した。

「もちろん。この『タロー・マート(出張所)ポイントカード』を作っていただければ、いつでも提供しますよ。その代わり、僕の畑のやり方には今後一切文句を言わないこと。……取引成立ですね?」

「ああっ……! 誓おう、世界樹にかけて! タロウ殿の畑は、森の精霊も大絶賛する素晴らしい畑だとな!!」

フィエルはカードを両手で押し頂き、涙ながらに忠誠(?)を誓ったのだった。

「……ふぁ〜あ。なんか外が騒がしいわねぇ。……って、あんたたちエルフじゃないの。一緒にストゼロ飲む?」

ようやく二日酔いから復活したルチアナが、寝癖だらけの頭でT-ACEから降りてきて、フィエルに缶を差し出した。

「プシュッ! いただきます、ルチアナ様!!」

「ちょっと隊長!? 朝からお酒なんて……ゴクッ、うめぇぇぇっ! なんですかこの弾ける果実水はぁぁっ!!」

かくして。

僕の農業を妨害しに来たエルフ部隊は、ジャンクフードと100均キャンプ用品、そしてストゼロの快楽に沈み、ポポロ村の最強の「常連客」へと成り下がった(懐柔された)のだった。

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