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『異世界の通貨が日本円!? スキル【100円ショップ】をもらった平凡大学生、100均グッズと弓の戦術で最強美少女たちと無双&経済支配!』  作者: 月神世一


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EP 7

世界樹のエルフ来訪。近代化の波は森を越えるか

昨晩の『肉椎茸とネギカリバーの野外バーベキュー(カセットコンロ使用)』とサケスキーの宴会は最高だった。

T-ACEのフルフラットシートでの車中泊も、100均の低反発マットのおかげで、まるで高級ホテルのような寝心地だった。

……ただ、ストゼロを飲みすぎて二日酔いのルチアナが、朝から「頭がガンガンガンガン! アタマガガン!」と謎の歌を歌いながら後部座席でのたうち回っているのを除けば、だが。

「ふぁぁ……よく寝た。おはよう、ライザ、サリー」

「おはよう、タロウ。……空気が美味しいわね」

「タロウさん、おはようございます! 畑、すごいことになってますよ!」

T-ACEのスライドドアを開けて外に出た僕たちは、目の前の光景に息を呑んだ。

昨日植えたばかりの太陽芋の葉が、まるでジャングルのように生い茂り、畑全体から尋常ではない濃密な『生命の魔力』が陽炎のように立ち上っていたのだ。

「100均の液体肥料、効きすぎだろ……。これなら明日には収穫できるぞ」

僕が腕まくりをして畑に入ろうとした、その時だった。

「――そこまでだ、不届きな人間ども!!」

凛とした、しかし怒りに満ちた声が響き渡った。

振り返ると、ポポロ村と隣接する深い森の境界線から、数人の人影が姿を現した。

透き通るような白い肌に、美しい金糸の髪。そして、長く尖った耳。

緑の外套を羽織り、白木の美しい弓を構えた彼らは、ファンタジーの代名詞とも言える種族――『エルフ』だった。

「エルフ……? なんで彼らがポポロ村に?」

ライザが警戒し、腰の剣に手をかける。

先頭に立つ、一際美しい女エルフが、鋭い目で僕の畑を睨みつけた。

「私は世界樹の森の守護隊長、フィエル! この村から、森の魔力循環を狂わせるほどの異常なマナの奔流を感じて来てみれば……なんという惨状だ!」

フィエルは、僕の畑を指差してワナワナと震えた。

「大地の呼吸を塞ぐ、この漆黒の邪悪な布(防草シート)はなんだ!? そして、あちこちに張り巡らされた、透明で不気味な管(散水ホース)! 極めつけは、あのカチカチと不吉な音を立てる黒い箱(散水タイマー)!」

彼女の目には、僕の最新鋭100均スマート農業システムが、世界を滅ぼす邪法か何かに見えているらしい。

「自然の摂理を捻じ曲げるような、黒魔術の儀式場を作るなど……エルフの名において断じて許さん! 今すぐこの冒涜的な布を剥がし、大地を解放しろ!」

フィエルが弓を引き絞り、後ろのエルフたちも一斉に魔力を練り上げ始めた。

一触即発の空気が流れる。

「ちょっと待ってくれ! これは黒魔術なんかじゃなくて、ただの農業用の便利グッズで……」

僕が弁明しようとした瞬間。

「――おいおい、朝っぱらからピーチクパーチクとうるせぇエルフどもだな」

紫色の煙と共に、麦わら帽子を被ったネギオが、畑の奥からヌッと姿を現した。

「なっ……あ、あなたは、世界樹の聖なる端末ポーン様!? なぜこのような姿で、しかも人間の畑などに……!」

フィエルが驚愕に目を見開く。エルフにとって、ポーンは神聖な存在のはずだ。

「ポーンじゃねぇ、俺はネギオだ。……フィエルとか言ったか。お前ら、このタロウの畑を『冒涜』って言ったな。ふざけんじゃねぇぞ。これは土の養分と水分の効率を極限まで計算し尽くした、至高の『超・論理的農業』だ」

ネギオはポポロシガーを吹かしながら、エルフたちを鼻で笑った。

「ま、まさか、ポーン様が洗脳されている!? 人間め、なんという卑劣な……っ!」

「だから洗脳じゃねぇっての。お前らエルフの『自然のままで』ってのは聞こえはいいが、要は『工夫を怠る言い訳』だろ。ダブスタも大概にしろ」

ネギオの容赦ないディベート攻撃(昨日僕が教えた戦術)に、フィエルたちは顔を真っ赤にして反論しようとする。

これはいけない。自然を絶対視するエルフと、効率厨のネギオが口論になれば、千年戦争が勃発しかねない。

「まぁまぁ、ネギオさんもフィエルさんも落ち着いて!」

僕は二人の間に割って入った。

「フィエルさん、この道具(プラスチック製品)は地球……いや、遠い国の素材を加工したもので、決して邪悪な魔法じゃありません。でも、森の魔力循環を驚かせてしまったことは謝ります」

「……謝って済む問題ではない! 私たちはこの目で、あなたがこの邪悪なシートを撤去するまで帰らないからな!」

フィエルは頑なに弓を下ろそうとしない。

自然を愛するエルフは、一度「これは不自然だ(人工物だ)」と思い込むと、テコでも動かないのだ。

理屈ディベートで勝っても、彼女たちの根本的な『人工物への嫌悪感』は消えない。

ならば、どうするか?

(……そうだ。人工物の『恐ろしさ』ではなく、『便利さと快楽』を直接叩き込めばいいんだ)

僕は悪魔のような笑みを浮かべ、振り返ってクーラーボックスを開けた。

「わかりました。撤去の話は、とりあえず朝ご飯を食べてからにしませんか?」

「なっ……! エルフは森の朝露と果実しか口にしない! 人間の作った穢れた食事など……!」

「いいからいいから。まぁ、座ってくださいよ」

僕は100均の『レジャーシート』を広げ、その上に『ポポロ村・地域振興型戦闘糧食(PRO型)』、通称ポポロ・ボックスをいくつか積み上げた。

エルフの頑固なプライドを、現代地球の『ジャンクフード』と『100均の便利グッズ』でドロドロに溶かして堕落させる。

『エルフ懐柔(堕落)作戦』の幕開けである。

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