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『異世界の通貨が日本円!? スキル【100円ショップ】をもらった平凡大学生、100均グッズと弓の戦術で最強美少女たちと無双&経済支配!』  作者: 月神世一


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EP 9

T-ACEの夜は更けて。妻たちとの甘い時間

エルフの守護隊長フィエルたちが、両手に大量のタロー・マート商品とストゼロを抱えてホクホク顔で森へ帰っていった後。

ポポロ村の休耕地は、僕の100均スマート農業のおかげで、もはや『休耕地』の面影を完全に失い、見渡す限りの豊かな緑と魔力に満ちた大農園へと変貌していた。

「いやぁ、今日も一日よく働いた(遊んだ)な!」

夕焼け空の下、僕はT-ACEのボディに寄りかかりながら、大きく背伸びをした。

王様としての終わりのない書類仕事から解放され、土を弄り、美味い飯を食い、笑い合う。これぞ僕が求めていた真の『スローライフ』だ。

「ふふっ、タロウさん、とってもいいお顔をしてますよ」

サリーが、隣に立って僕の袖を優しく引いた。

「そうね。帝都で机に向かって『ハゲる!』って叫んでた時とは大違いだわ」

ライザも、呆れたように笑いながら僕の肩を軽く小突く。

「……むにゃむにゃ。もう飲めないわよぉ……タロウ、あたしのツマミは……」

その後ろでは、すっかり出来上がったルチアナが、地面に敷いたブルーシートの上で大の字になって爆睡していた。

「さて、と」

僕は振り返り、スキル『100円ショップ』を起動した。

ポンッ、という音と共に召喚したのは、【ワンタッチ・ポップアップテント(一人用)】と【寝袋】だ。

僕は手早くテントを組み立てると、爆睡しているルチアナをズルズルと引きずってテントの中に放り込み、寝袋を被せた。

「ルチアナ様、風邪引かないといいですね……」

「大丈夫よサリー、あの駄女神はストゼロのアルコールで体内から消毒されてるから。……それよりタロウ、どうしてルチアナを外のテントに?」

ライザが不思議そうに首を傾げる。

僕はT-ACEのスライドドアを開け、後部座席のフルフラット空間(100均の低反発マット敷き)を指差した。

「そりゃあ……せっかくの『新婚旅行ハネムーン』なんだ。今夜くらいは、夫婦水入らずでゆっくり過ごしたいだろ?」

僕が照れくさそうに言うと、ライザとサリーは顔を見合わせ、パァッと頬を林檎のように赤く染めた。

「ふ、夫婦水入らずって……そ、そうよね。私たち、タロウの妻なんだから……」

ライザがモジモジと指を絡ませながら視線を逸らす。普段の凛々しい騎士の姿からは想像もつかない乙女な反応が、破壊的に可愛い。

「た、タロウさんと一緒に……えへへ、私、なんだかドキドキしてきました……っ」

サリーは両手で熱くなった頬を押さえながら、嬉しそうに微笑んだ。

     * * *

夜が更け、ポポロ村は静寂に包まれた。

T-ACEの車内は、100均の『車用・遮光カーテン』で完全に外部からの視線をシャットアウトしている。

天井から吊るした『暖色LEDランタン』が、フルフラットのベッドルームを優しく、そしてロマンチックに照らし出していた。

「お風呂(魔法で作った簡易ドラム缶風呂)、気持ちよかったわね……」

ライザが、少し濡れた金髪をタオルで拭きながら車内に入ってきた。

彼女が着ているのは、僕が貸した少し大きめのTシャツ(100均の速乾シャツ)だ。いわゆる『彼シャツ』状態であり、その無防備な姿に思わずドキリとしてしまう。

「はいっ。タロウさん、お待たせしましたぁ」

続いて入ってきたサリーは、薄ピンク色の可愛らしいネグリジェ姿だ。石鹸のいい香りが、狭い車内にふわりと広がる。

僕を真ん中にして、右にライザ、左にサリーがゴロンと横になった。

低反発マットが、三人の体重を優しく受け止める。

「……なんだか、不思議な気分だね」

僕は天井のランタンを見上げながらポツリと呟いた。

「数ヶ月前まで、魔神王を倒すために泥だらけになって戦ってたのに。今はこうして、平和な村で、星空の下、大好きな二人と一緒に寝転がってるなんて」

「そうね……」

ライザが、僕の右腕にそっと自分の腕を絡めてきた。

「最初は、変な服を着て、見たこともない道具(100均グッズ)ばかり使う怪しい奴だと思ってたわ。でも……あなたが私の命を、そして世界を救ってくれた。タロウ、私をあなたのお嫁さんにしてくれて、本当にありがとう」

ライザの赤い瞳が、ランタンの光を反射して潤んでいる。

僕は彼女の頭を優しく撫でた。

「私の方こそ、タロウさんには感謝しきれません」

左側から、サリーが僕の胸にコテンと頭を乗せてきた。

「タロウさんがいなかったら、私、今頃どうなっていたか……。こうしてタロウさんの隣で眠れることが、私にとって世界で一番の幸せです」

二人の温かい体温と、真っ直ぐな愛情が、僕の心を満たしていく。

王様としての重圧も、抜け毛の恐怖も、この瞬間だけは完全に消え去っていた。

「ライザ、サリー。僕も、二人のことが本当に大好きだ。これから先、太郎国がどれだけ大きくなっても、僕たちのこの『スローライフ』の心だけは絶対に忘れないようにしよう」

「「はいっ(ええ)!」」

僕たちは身を寄せ合い、誓いのキスを交わした。

外からは、秋の虫の鳴き声と、時折テントから聞こえるルチアナの「むにゃむにゃ……おかわり……」という寝言だけが聞こえてくる。

100均グッズとドワーフの技術が生み出した最強の魔導ワゴン『T-ACE』。

その車内で過ごす、妻たちとの甘く、穏やかな初めての夜。

僕の異世界スローライフは、これ以上ないほどの最高のスタートを切ったのだった。

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