表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/64

第六十二章

 

 その報告をルナが受けたのは、昼過ぎだった。 


 ファンニが何か問いたいのを我慢しているように、ルナへと告げる。


 ダンとブリスらについての、ルナの希望が全て叶えられたのだ。


 ダンには貴族の後見人がつき、教育の機会が与えられ、ブリスたちは軍隊の学校には入れる。


「だから今、時間を与えるので、その子たちに教えてあげて来なさい」


 ファンニに言われ、ルナは勇躍して馬車に飛び乗った。


 目的地は例のゴミ集積場。


 日が高いからか、まだロドリン地区は平和なフリをしていた。


 ルナは停車した馬車から降り、折良く集まっている少年たちに、近寄った。 


「ルナっ!」


 彼女に気づいたダンが、泣きながらその胸に飛びついた。


「どうしました……?」


「ああ」とそこに、一人の名も知らぬ大人の男がいる。


「ダンの父親、コリーが死んだ……今確認をして来たところだ……昨日の晩、何者かに襲われたようだ」


「父ちゃんが、父ちゃんが殺された! 父ちゃんが、死んだんだっ!」


 ダンの悲痛な悲鳴に、ブリスたちも言葉を失っている。



「コリーは最近おかしかった。妙に金回りが良かった……みんな噂していた……やっかいなことに手を出したんだって……あるいはマズイ奴から盗んだか」



「違う!」ダンは男に声を枯らして叫ぶ。


「父ちゃんを悪く言うな! 父ちゃんは、父ちゃんは……ちくしょう、ちくしょう」


 ダンの涙で、ルナの服が湿っていく。


「おれが、おれが必ず犯人を見つける! おれが復讐するんだ! 父ちゃんの」



「いいえ、ダンさん。その必要はありません」



 と、ルナは否定した。





「あなたのお父様を殺した人殺しどもには、必ず神様、聖カリステゥス様が天罰を落として下さるでしょう。そうです! コリーさんを殺した人殺しどもは、



 必ず地獄に墜ちるのですっ!


 

 だから、あなたはただ、それを待って見ていれば良いのですよ」


 ルナはその時、優しく微笑んでさえいた。


「地獄に……? 本当かい? ルナ」




「ええ……彼らは地獄に堕ちるだけです」




 それからルナは、ダンとブリス、コーム、ゲルトに人生の転換を告げた。


 みんな驚き、興奮したが、ダンの手前、喜びを爆発させるものはいなかった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ