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【コミカライズ進行中】スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす  作者: Gai


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千三百十一話 いい気はしない

「………………」


「アラッド、大丈夫ですか」


「あぁ、大丈夫だ……問題ない」


盾を使う猛者たち、影の者たちを全て倒し終えたアラッドたち。


今回の衝突でも、誰一人欠けることなく乗り越えることが出来た。

喜ぶべきなのは解っているが、それでも素直にそう思える気持ちではないアラッド。


「ほら、アラッド」


「ん? ……あっ、い゛っ!!!!!!!???????」


スティームが差し出したポーションを見て首を傾げるアラッド。


だが、差し出された物がポーションだと気づいた瞬間、自身の右腕がどうなっているかを把握。

そのタイミングでドバドバ溢れていたアドレナリンの効果も切れ、激痛がアラッドを襲う。


「はぁ、はぁ、はぁ、すっかり……忘れてたな」


「普通は忘れないと思うんだけどね」


「いや、スティームやガルーレにも覚えはあるだろ」


「私はあるね~~~~。怪我してることよりも今追撃すれば絶対に勝てる!!! って時とか、全く気にしないかな~~」


ガルーレはそういった状況に追い込まれれば自動でスキルが発動されるのが、そういった部分はペイズ・サーベルスが発現する前から変わらなかった。


「…………よくよく思い返してみると、僕もあったね」


戦闘スタイル的に相手の攻撃を受けないように戦う前提で挑むスティームだが、それはそれとしてこれまで無茶をしてきたのは一度や二度ではない。


「私も何度かありましたね」


フローレンスが騎士として本格的に活動を始めたのはここ最近の話。


しかし、フローレンスが有するスキル、聖光雄化の特性上、体を張って無茶をするのに適している。

聖光雄化を発動すれば攻撃力だけではなく防御力も向上すれば……なにもフローレンスが無茶をするのは攻撃面だけではない。


「とはいえ、今回はかなり危なかったですね」


「だよね~~~。正直、ファルやクロがこの黒い人たちに気付いてくれてなかったら、結構危なかった……ううん、死んでたかもしれない」


普段と変わらない様子で語るガルーレだが、ファルやクロの対応が無ければ死んでいたかもしれないという状況に、確かな悔しさを感じていた。


仲間に頼ることが悪いことではないものの、油断した隙を突かれるというのは、戦う者としてあるまじき恥!!!! と考えなくもない。


「そうだね。中々倒すのに時間が掛かったからか、変に達成感があった…………もしかして、そういう部分を狙っての組み合わせだったのかな」


「そうかもしれませんね。これまで衝突した方々の中で、一番私たちを殺すことに適した君合わせだったかと思います」


影の者たちは装備の質だけではなく、腕前も並ではなかった。


強力な猛毒を扱っていただけではなく、彼らの中には殺されると悟った瞬間、自爆した者もいた。

幸いにもスティームたちは直感で彼らの行動を悟り、被害を最小限に抑えることが出来た。


「自爆する人までいたもんね……あぁいうのって、上から命令されてたのかな」


「どうだろうね。そもそも殺されるなら最後に一矢報いようという自己判断かもしれない…………いい気はしないけど」


決死の覚悟で挑んでくる敵。


そういった存在と対戦経験がないわけではないスティーム。

それこそ、覚悟が決まっているモンスターであれば、死ぬのを前提で仕掛けてくる。


今回の戦争中にもそういった完全に覚悟を決め、スティームやアラッドたち……今回の戦争で用意注意人物と指定されている者たちに少しでもダメージを与えようと動く者たちは少なくなかった。


だが……今回の衝突まで、死ぬ覚悟を持った特攻ではなく、自身が死ぬことが前提となった攻撃を行う者はいなかった。


「……悪いな、一人相手に手間取って」


「そんなことないよ。だって、アラッドが戦っていた人……守護騎士の人が一番堅くて強かったと思うし」


「それそれ~~。他の人たちも十分堅かったけど、あの人超堅そうだったよね」


「ガルーレなら、発勁でダメージは与えられそうだけど」


「他の人たちはそれでなんとか突破出来たけど、あのレベルの人だと……発勁を打つってがバレて、普通に対処されそうなんだよね~~」


基本的に自分の戦闘に集中していた二人だが、チラ見ではあるもののアラッドの対応をしていた守護騎士の強さを把握していた。


少なくとも、真正面からでは敵わないと断言できる。


「俺は俺でまんまと手のひらで踊らされたけどな」


「反転ですね……アラッドの攻撃力があっての結果だと思いますが、片腕が使えない状況に追い込まれましたからね」


アラッドの場合は糸で無理やり動かなせなくはないが、基本的には腕が動かせない状況に追い込まれる。


因みに大剣や大斧のように両手で振るう武器による攻撃を跳ね返された場合……両腕が使用不能に追い込まれてしまう。


「さて……もう大丈夫そうか?」


「うん、いけるよ!!!」


「勿論」


「えぇ、大丈夫です」


傷を魔力は既に回復出来ていたが、守護騎士と影の者たちの戦いで確実に体力と精神を消耗していた。


摩耗した精神までは直ぐに回復せず、体力もまだ満タンとはいかないものの、再度強敵と戦っても問題ないぐらいには回復。


その後……アラッド一行は日が暮れる前に終幕の舞台へ到着した。

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