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【コミカライズ進行中】スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす  作者: Gai


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千百九十一話 懸けて当然

(こいつぁ、ヤベぇなッ!!!!!!!)


大剣使いの虎人族は……テンションが高い様子に反し、冷静な判断力を有していた。


力比べは好きだが、それでも何かしらの強化スキルを発動したライホルトの一撃を真正面から対応するのは難しいと判断し、回避を選択。


「がっ!!!???」


だが、そうなる可能性を予測していたリエラが背後に回り込んでおり、火を……炎を纏った細剣が彼の腹を貫き、先程と同じく優れた魔力操作技術で瞬時に刃に纏う炎を体内に移動させ、爆散。


リエラが虎人族の背後に回り込む瞬間、再び本気に近い実力を発揮したラディアにより、リエラの奇襲が妨害されることはなかった。


「…………ッ!!!! ハッハッハ、死にかけたぜ!!!!!!」


しかし、心臓までは届かずとも、重要な器官を爆散させられたにもかかわらず、虎人族の冒険者は意識を折り戻し、動き始めた。


(っ、備えていたか)


一撃必殺とも言えなくない攻撃を叩き込まれたにもかかわらず、絶命しなかった。


その様子に、ライホルトは驚き固まる……ことはなかった。

奥歯にポーションを仕込むという小技を、現役冒険者として活動しているラディアから聞いていた。


「にしても、騎士道精神に、反するんじゃぁ、ねぇのかッ!!!!」


「それを貫き、守りたい者を、守れれば、苦労はしない」


切り札である巨人の怒りを発動したとしても、負ける可能性がある。

そう感じ取ったからこそ、ライホルトは騎士道精神に則って虎人族の男とタイマンを張ることなく、リエラに奇襲を仕掛けてもらった。


「ハハッ!!!!! なるほど、なッ!!!! 良いぜ、お前みたいな奴、嫌いじゃないぜ!!!!!!!」


「そうか」


虎人族の男は、全ての騎士を妬み、嫌っている様なタイプではない。


ただ、冒険者らしく堅苦しい考えは合わない。

それもあってか、騎士でありながら固くしい考えを持っていないライホルトを好ましく思えた。


とはいえ、ぶつかり合う存在である以上、殺し合うしかない。


「ッ!!!!!」


「おっそろしい、斬撃だな!!!!!」


(やはり、こうなるかッ!!!!!!)


素の状態、身体強化を発動した状態であれば自分に劣らないパワー。


であれば、戦況を別けるのはその他の能力。

虎人族は獣人族の中では確かに優れたパワーを持つが、決してそれだけしか能がない種ではない。


パワーが上がれば、必然的に斬撃の速さも上がるが……虎人族の冒険者は、それをまぐれじゃなく回避出来るだけのスピードと俊敏性がある。


パワー勝負ではなく、そこで勝負されては分が悪い。

タイマン勝負ではなく戦争中の戦いであれば、尚更優れた点で勝負するのは当たり前も当たり前の戦法。


(くっ、こうも速く、動かれては!!)


先程と同じくライホルトのサポートに回りたいリエラ。


しかし、相手がBランク冒険者の中でも、スピードを苦手としないタイプとなると、一度成功した奇襲をもう一度成功させるのは難しい。

一度目のやり取りで学習していると、その可能性を読まれているとなれば尚更。


ラディアが他の戦闘者を抑えられる時間も長くはない。


(であれば、致し方ないか)


ライホルトは……アルバース王国とゴリディア帝国の戦争に、遊びに来た訳ではない。

ただ単に戦いに来た訳でも、経験を得ようとしに来た訳でもない。


「ッッッッ!!!!!!!!!!!!!」


友の為に……命を懸けて戦いに来た。


「フンッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!」


「がっっっっっ!!!!!?????」


わざと隙を生み出し、虎人族の男が振るう炎の大斬を、自ら受けた。

その箇所に岩石を……その上に更に鋼鉄を纏って、なんとか防ぐことに成功。


とはいえ、切り裂かれてはいないとうだけで、隙を突いてぶっ殺そうとする大斬の衝撃、纏う炎の熱さは伝わっており、確実にヒビが入っていた。


だが、そうなるのは織り込み済みであり、ライホルトは全身全霊でその衝撃に耐え……弾かれた衝撃で倒された瞬間、渾身の大斬を返した。


「リエラっ!!!!!!」


「了解っ!!!!!!!!!」


戦況が変わった。

その間、ラディアとリエラは自分たちが取るべき選択を即座に理解。


リエラは自分では……という万が一の可能性を理解し、受け入れ……悔しさを噛みしめながら、絶対に無傷ではないと確信されているライホルトを守るために刃を振るう。


「つっっっっ、ッ!!!! まだ、じゃッ!!!!!!!!!」


カウンターの大斬に対し、なんとか自身の大剣を盾にすることで、真っ二つにされる未来は防げたものの、衝撃までは殺せなかった。

後方にいたであろう者たちを弾き飛ばす勢いで吹き飛ばされ、木々に激突してようやく停止。


体勢を立て直さなければならない……しかし、大剣を握る両腕に、手に力が入らない。

相棒が手から零れる中、悪くないマインドを持っている騎士の仲間が、自分を仕留めようと迫る。


腕は動かない、相棒は握れない。

そんな虎人族が取った行動は、至ってシンプル。


全身に炎を纏い、蹴りで対応。


「そうくると、思っていました」


「ッッッッ……はは、熱かった、ぜ」


諦めることを知らない。

虎人族の男からその熱さを感じ取っていたラディアは反撃の蹴りを避け、水流を纏った刺突で胸部を貫き……先程の件もあり、そのまま振り上げ、斬り裂いた。

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