反芻
誰かが話をしている声が聞こえる。目を開けると私はソファーに寝ていて黒いローブが掛けられていた。リュート様がいつも着ているローブだ。
「私リュート様と口づけを…」
先程の事を思い出し顔が真っ赤になるのがわかる。婚約もしていないのに、あんな事をしてしまうなんて…とんでもない事をしてしまった。
リュート様何処に行ったのだろう…ソファーから立ち上がりローブを畳む。ローブを持ち声のする方に向かうと、リュート様と目が合う。
「セシリア嬢目を覚ました?もう大丈夫?」
駆け寄ってきて抱きしめられる。顔を覗き込みながら体調は大丈夫か確認される。凄く距離が近い…近過ぎて戸惑ってしまう。
「リュート様近いです…」
「急に倒れるから心配したよ。」
私の頬を手で包みとても心配そうにしている。やはり近い。
「バンフィールド殿その辺にしてあげてください。セシリア大丈夫か?」
「お兄様!?」
「セシリアが倒れたと聞いて来たんだ。バンフィールド殿と話し合ったんだな。」
「え?はい?」
「セシリア嬢は必ず幸せにします。一生大事にしますので義兄上、私にお任せください。」
リュート様はとんでもない事を言っている。任されてしまっている!なんでそうなった??!
「リュート様…?私まだ了承してないです。」
「…え。」
「結婚してもらえるのだと…。想いを伝えあって口づけをしたでは…」
お兄様の前でその話はやめてー!!リュート様の口を両手で押さえ黙ってもらう。手を取られ指先に口づけをされる。
「何を?!」
「私と結婚してくれますか?セシィと呼び一緒に出かける権利を私に与えてください。愛しい人。」
「…はい。」
「ありがとう!セシィこれからよろしくね。」
目の前でこんな綺麗な人に請われたら断れないよ…手の甲に口づけをされ、近々指輪を買いに行こうねって。あぁ…平凡な私には太刀打ちできるはずがない。
「って事で!義兄上!手続きを進めさせていただきます。これから長い付き合いをよろしくお願いいたします。」
こちらこそ!って握手をしている。大丈夫なのかな…あぁぁぁ!仕事!
「私仕事!!!仕事行かないと!」
「倒れた時に図書館に連絡してあるよ。今日ゆっくり休んでと返事貰っているから安心して。」
あぁ2日続けて休んでしまった…お兄様が父上に連絡しとくな!って立ち去っていった。何をしにきたのだか。
「リュート様…私も失礼しますね。」
「体調はどう?もし大丈夫な様なら夕食一緒にどうかな?」
「あ…はい。わかりました。」
あとで迎えに行くねと言ってくれたので、家の場所を教え解散する。今日は怒涛過ぎる…激流に流されている。私本当に婚約者になったの?とりあえず家に帰ろう。
家に帰り口づけを思い出し悶絶する。あぁぁぁ!恥ずかしい!!ベッドで転がり回り何回も反芻しては悶絶してしまう。
リュート様が迎えに来るまで1人で思い出しては悶絶し続けた。




