EP72 最悪のタイミングと、赤面のエルフ
「…………」
カイエンからパッと飛び離れたアイフェリスは、顔をトマトのように真っ赤に染め上げ、信じられないものを見る目でその場に突っ立っている二人に叫んだ。
「あ、貴方たち、いつからそこにいたのよ……っ!?」
ボサボサ髪を揺らしながら、マキマは涼しい顔で指を一本立てる。
「カイエンがぶっ倒れて、熱い抱擁をしたところからでありますよ」
「最初からじゃないの……っ!?」
「いやぁ、最初はそっと立ち去ろうと思ったんだけどさぁ、なんかいい感じの雰囲気だったからさね? マキマ」
ヒナがニヤニヤと意地悪い笑みを浮かべながらマキマの肩を叩く。
「そうでありますな。このままここでいちゃいちゃオッ始めるかと思ったでありまっぐぶっ――!?」
言い終わる前に、ヒナが容赦なくマキマの横腹に強烈なエルボーを叩き込んだ。
「何するでありますか、この脳筋エルフ……っ!」
「なにって、あんたこそ頭の中ピンク色か! このすけべメカニック!」
「誰がすけべでありますか! 事実を述べただけであります!」
バチバチと火花を散らしながら、その場で掴み合いの喧嘩を始めるマキマとヒナ。
「……お前らな……」
カイエンが呆れ果てたように額を押さえる傍らで、アイフェリスは羞恥心で頭から湯気を出しながら必死に弁解しようとした。
「ち、違うわよ! 誤解よ! わたしがカイエンとオッパ……なんてするわけないでしょ……って、お前まで何言わせるのよっ!」
「――お前まで何言ってるんだ?」
「っ……なんでもないっ!!」
カイエンの冷ややかなツッコミに、アイフェリスはさらに真っ赤になって両手で顔を覆う。
あまりの恥ずかしさにこれ以上ここにいられないと悟ったアイフェリスは、大げさに「ごほんっ……!」とわざとらしく咳払いを一つ挟み、無理やり強引に仕事の顔へと切り替えた。
「こ、コホン……! ま、まあ、そんなことより……!」
アイフェリスは震える声を必死に抑え込みながら、マキマとヒナに向かってピシッと指を突きつける。
「貴方たちの無実と免罪は、これで完全に晴れました! 元老院たちの裏工作や汚い思惑の証拠も揃ったわ。今日中には、王都の女王陛下の元へと元老院の悪事がすべてバレるでしょう……だから、その、これ以上変な茶々は禁止よ!」
顔を真っ赤にしたまま気高く言い放つアイフェリスと、呆れ顔のカイエン、そして相変わらず言い争うマキマとヒナ――。
こうして、地下神殿を揺るがした大事件は、なんとも騒がしい幕引きを迎えるのだった。
終わったとおもうじゃん・・・?
まだまだ続きます!
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます!
「続きが気になる!」「面白かった!」と思っていただけましたら、
☆☆☆☆☆評価やブックマークで応援していただけると、とても励みになります!
皆さまの応援が、執筆を続ける大きな力になります。
また次話でお会いしましょう!




