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不適合者のレギュレーター  作者: シャロン=ミ
アクアマリン編

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EP31 真珠の眼と、双子の死神

ソフィアの残骸から這い出した眷属は、悍ましい姿をしていた。

表面には無数の眼が埋め込まれており、その奥底で鈍く光る瞳孔が、まるで生きているかのようにギョロリと動き、カイエンたちを捕捉する。

「……気持ち悪い。見てるだけで吐き気がするぜ」

ジルが眉をひそめながらボウガンを連射する。眼球を射抜くたびに黒い膿が噴出するが、肉塊は止まらない。

神殿の奥、玉座の影から、静寂を切り裂くようにして二つの影が現れた。教団の最上位――「司祭の双子、カルネとアズール」だ。

「……穢れた異物が、聖域に踏み込んだか」

仮面の下から、アズールの冷徹な声が響く。カルネが血のように赤い粉を空中に撒きながら、優雅に一礼した。

「ああ。私たちの『リリア様』が、ずいぶんと無様なお連れ様を連れてこられたものです」

カルネの言葉に、床にへたり込んでいたリリアが激しく肩を揺らした。

「……違う! 私は、あなたたちに呼び戻されたわけじゃない! 私は、私の意思でここに……!」

「おや、それは心外だ」

アズールが深海のような紺色の法衣を翻す。その手には既に数本の真珠ナイフが握られていた。

「私たちはただ、あの方の愛に飢える『リリア様』を、あの聖なる泉までお連れしたかっただけですよ。……さあ、カルネ。お遊びの時間だ。リリア様の心を乱すノイズは、綺麗に整理して差し上げましょう」

カルネが呪文を唱えると、床の石畳が溶け出し、そこから無数の「真珠の眼を持つ眷属」が競り上がるように出現した。

「ジル、ガザム! 敵の数が多い。カルネの召喚を潰せ! アズールのナイフは俺が引き受ける!」

カイエンの指示と同時に、アズールが腕を振るった。

ナイフは神殿の柱や、空間に浮かぶ真珠の粉末で不規則にバウンドし、光を屈折させながらカイエンの死角から襲いかかる。

カイエンは剣を背中で回し、背後から迫るナイフを最小限の動きで弾き飛ばした。

その間にも、カルネがリリアを見つめて妖しく微笑む。

「リリア様、そんな悲しいお顔をなさらないで。……私たちと、あの泉で永遠の歌を歌いましょう? それこそが、あなた様に相応しい未来なのですから」

「黙りなさい!」

リリアが叫び、

カイエンは魔剣の切っ先を、カルネが撒き散らす「真珠の粉末」へと向けた。

神殿という密室の中で、狂信者たちの愛という名の殺意が、激しく火花を散らす。

お読みいただきありがとうございます! 作者の〇〇です。

いかがでしたでしょうか? ついに姿を現した教団の最上位――司祭の双子「カルネ」と「アズール」。リリアに対する歪んだ執着と、容赦のない狂気が牙を剥く展開となりました。

増殖する真珠の眷属に、空間を歪めて死角から襲いかかるアズールのナイフ。絶体絶命のピンチに見える神殿の中、果たしてカイエンたちはこの圧倒的な物量と特殊能力をどう攻略するのか……!? 次回、双子との本格的な激突をお楽しみに!

「カルネとアズールの変態感が最高」「カイエンの背中合わせの迎撃かっこよすぎ」「リリアちゃんメンタル耐えて……!」などなど、感想・考察やブックマーク・高評価をいただけると、執筆のモチベーションがとんでもなく跳ね上がります! ぜひよろしくお願いします。

それではまた、次回の更新でお会いしましょう!

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