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灰の監視員(レギュレーター・アイ)  作者: シャロン=ミ


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EP1空域支配の墓標

雲海を突き抜けたその塔は、天を貫く一本の針のようだった。

かつては帝国の技術の粋を集めた栄光の象徴。だが今は、狂ったシステムが循環するだけの巨大な墓標に過ぎない。

カイエンは、塔の基部――『あしの庭』と呼ばれる広場に降り立った。

かつては帝国の貴族たちが散策を楽しんだであろうその場所は、今はその名の通り、すべての有機物が炭化し、舞い散る灰に覆われていた。空気が冷たいのではない。世界が腐敗し、死へと向かう「停止」の音がしているのだ。

カイエンの足元で、何かがカサリと音を立てた。

帝国の紋章が刻まれた将校の制帽。そして、その横には――変異し、結晶化したかつての仲間の肉塊が転がっている。

霧の向こうから、ガシャリ、と規則正しい金属音が響く。

かつて同じ軍旗の下で戦った近衛兵たちが、死してなお「警備命令」という呪いに縛られ、侵入者を排除しようと槍を構えていた。

彼らの瞳から光は消え、ただプログラムされた殺意だけが、錆びついた鎧の中に渦巻いている。

「……さて、状況を整理しよう」

カイエンの言葉に、周囲の空気がピリリと凍りついた。

彼は腰の制式剣に手をかける。魔剣ではない。これは、かつての仲間を「解体」するための、騎士としての最後の慈悲だ。

「標的は近衛兵八名。汚染レベルはクラスC。行動パターンは……標準的な帝国の波状攻撃か」

彼は独り言ちるように、淡々と指示を組み立てる。

冷徹な声が、凍てつく灰の庭に響く。

「無駄なエネルギーは使うな。関節部の魔石をピンポイントで叩く。……それが、機能を停止させる最も効率的な解法だ」

カイエンが踏み込んだ瞬間、塔が悲鳴のような音を上げて震えた。

高度2万メートル。

この絶望的な現場から、監査員の「解体」が始まる。

朗読ありがとございます!

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