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灰の監視員(レギュレーター・アイ)  作者: シャロン=ミ


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EP13 天空の玉座

一行の前に現れたのは、これまでの階層とは異質な、静寂に支配された空間だった。

最上階へと繋がる巨大な扉は、黄金と白銀の合金で精巧に彫金され、その表面には塔全体のエネルギー循環図が紋様として刻まれている。重厚な扉を押し開くと、そこに広がっていたのは「塔の心臓部」――空中に浮遊する巨大な円形の祭壇だった。

外観は、まるで星々を閉じ込めたかのような透明なドームに包まれている。ドームの周囲には幾千ものデータ・ストリームが光の帯となって流れ、その中央に、静謐な威容を放つ存在が浮かんでいた。

その名は『ホスト:光の城主・ソラリス』。

白銀の皮膚は流体金属のように鈍く光り、肩から胸元を覆う黄金の装甲は、まるで太陽そのものを鎧にしたかのように神々しい。彼の周囲には、光そのものが意思を持ったかのように稲妻が奔流し、空間を歪めていた。顔の表情は仮面に覆われているかのように冷徹で、その瞳は全ての演算を見通すかのように、ただ一点の曇りもなく四人を見下ろしている。

「……私の領域に踏み入る非効率な存在。バグか、それとも不要な変数か」

その声は四人の頭の中に直接響いた。合成音声のような無機質さと、神性のような荘厳さが入り混じる。

カイエンは一歩前へ出た。その手には魔剣ではなく、かつて所属していた組織の「監査官用エンブレム」が握られている。

「不要な変数ではない。……貴様を『停止』しに来た管理者ユーザーだ」

ソラリスは緩やかに腕を広げた。その動作一つで、祭壇の空間全体が光の牢獄と化す。

「カイエン。貴様がかつて私を創り、そして捨てた『組織』の生き残りか。……あの時、私にプログラムされた『守護』の命題は、今も永久とわにここにある」

アラが驚愕に目を見開く。

「組織が創った……? カイエン、このホストは、あんたたちの研究の成れの果てだっていうの!?」

カイエンは答えず、ただソラリスを見据えた。彼の瞳には、かつて管理を誤り、同僚も、組織も、そして自身の矜持すらもこの『光』に焼き尽くされたという、隠し続けてきた深い痛みが宿っていた。

「私の命は組織の御命令オーダーにあらず。……私は、私の過ちをここで清算する」

光の城主が右手を翳すと、空間から無数の黄金の刃が生成された。

塔の最上階、管理者と管理対象の、因縁に満ちた最後の演算が始まる。

本日も『灰の監視員』をお読みいただき、ありがとうございます!


塔の最上階で待っていたのは、カイエンの因縁そのものと言える存在『ホスト:ソラリス』でした。彼を巡る組織の過去、そしてカイエンが背負ってきた罪と矜持。すべての伏線が、この最後の演算(戦い)に収束していきます。


塔という閉鎖空間で生まれた神にも等しい存在に、四人はどう立ち向かうのか。

ここから先は、一瞬の隙も許されないクライマックスの連続です。


物語はいよいよ佳境に入ります。ここまで彼らの旅を見守ってくださった皆様、ぜひこの結末を最後まで見届けていただければ幸いです。

ブックマークや評価での応援が、この最終決戦を書き切るための最強の魔力になります!


次回、最後の決戦の幕が開きます。お見逃しなく!

ストックが溜まってますので、一挙放出します!

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