88 フレンド申請セイリツ
ブックマークが増えました。
ブックマークして頂いた方ありがとうございます。
熱中症にならないように祈ります。
いつも読んで下さる皆様もありがとうございます。
体を冷やすのが重要らしいです。
屋内でも油断しないで。
暑さの本番はまだまだ先。
こちらは全々熱くない展開の88話目、楽しんで頂けたら幸いです。
「私としたことが。はしたなかったかしら?」
白髪の猫耳少女が丞に向かって可愛らしく首を傾げる。
十歳ぐらいかな? もっと下かも?
丞は猫耳少女と見つめ合う。
「すまないな。これで許してくれ」
猫耳少女より五センチぐらい背の高い少年が、テーブルから出した新しいポテチで丞の視線をさえぎる。
髪が白、黒、茶のメッシュだ。
「どうも」
丞は見知らぬ少年からポテチを受けとる。
「丞、ひさしぶりだな。元気か?」
テーブルのそばにいた黒と茶をメチャクチャに混ぜたような髪の猫耳オッサンが、親しげに丞の肩を叩いてくる。ちょっと痛い。
「ロイヤルオーダーって言うから何かと思ったら知り合いを探せって。何々、いつからうちの星の姫様と知り合いなんだ?」
一仕事終えたからとオッサンがテーブルから大きいマタタビみたいな木の実を取り出す。
「ええと、ひょっとして」
丞は三人の正体が何となくわかるが、一応確認してみる。
「おう、こっちのアバターではあったことなかったな」
オッサンが腰の部分でカポン! と割れた。
中から出てきたのはサッビだ。
トレジャーハントの時も丞はオッサンぽいと感じていたが、やっぱりオッサンだった。
「テーブルの上失礼するぜ。足はきれいだからよ」
サッビがアバターからテーブルに飛びうつるとオッサンの体が消えていく。
「そういえば、きちんと名のってなかったな。私はミッケニだ。姫様の乳兄妹にして従者見習い」
ミッケニが立ち上がって自己紹介し丞に向かって胸を張る。
「ここにいるのは誰でしょう『『シャーム姫』』おそれおおくも・・・」
ミッケニの口上の途中で丞とサッビが答えを言う。
「いや、早押しのクイズではないのだが・・・」
ミッケニが何か間違ったかと考え込む。
「そうですわよ」
司会者が正誤を言わないので姫様が正解と丞達に教えてくれた。
ポテチを片手に、いつのまにか出した紅茶を飲んで、シープが表示させた番組一覧を熱心に見ながらだったが。
「ポテチ食べる?」
丞はミッケニにもらった袋をパーティ開けする。
「お、悪りいな」
サッビが器用に薄い揚げいもを摘まむ。
「姫様、私が紹介してるときぐらいちゃんとしてください」
ミッケニが姫様の横で東風を一生懸命吹かしている。
『この、御神楽戦隊カグラちゃんが今期の人気トップです』
「見たいですわ!」
馬耳東風、ミッケニのお小言は馬の耳ならぬ猫の耳にも届かないようだ。
「仕事終わりにマタビーとポテチ。たまんねぇな」
サッビがかぁ~っと唸る。
「それマタビーって言うの?」
丞は大きなマタタビっぽい木の実の名前を知った。
「おう。食うか?」
サッビがテーブルから新しいマタビーを
出す。
「姫様!」
ミッケニが大きめの声を出している。
「ミッケニ、お座り」
姫様が自分の隣の椅子を指差す。
「未成年ですから」
興味があるがお酒っぽいので丞はマタビーを遠慮した。
『丞様は地球人ですからマタビーで酔いませんよ』
シープが丞に囁く。
「じゃあ、もらおうかな」
そもそもフぃみョン内って、飲酒と喫煙は禁止かな? と思いながら、丞はサッビと乾杯する。
「変身? 素敵ですわ!」
姫様が胸の前で手を組んで目を輝かす。
「ああっ。また余計な事を」
ミッケニが姫様の横で小さく呟く。
「余計ってなんですの」
姫様は呟きを聞き逃さない。
「さっきの小言は聞こえないのに、何で今のは聞こえるんですか」
姫様の聞き取り能力にミッケニが驚く。
「耳の角度に秘訣があるのですわ」
姫様が耳を動かす。
「その耳の角度ってファッションじゃなかったのか・・・」
王妃様も母さんから注意された時にやってたなとミッケニは思い出す。
「このアニメ、次のお話はありまして?」
『はい、ございます』
「シープって僕のナビだよね?」
『はっ、そうでした』
「忘れないでよ?」
丞は姫様のロイヤルオーラにやられているシープに突っ込む。
「ええ、その通り」
姫様に仕えるのは私だとミッケニも丞に同意する。
「俺はそろそろ行くわ。丞もなんかお宝探すときは連絡しな」
サッビが丞に自分のフぃみョンを差し出す。
『『フレンド申請です。お受けしますか?』』
「うん、お願いするね」
丞は思考通信のシープとサッビ両方に答える。
「またな丞」
姫様達にも挨拶してサッビが人混みに消えていく。
「変身! やっぱりいいですわ!」
カポン! と腰で割れた猫耳少女から白い子猫がテーブルの上に飛び出す。
「アバター設定変更。変身!」
テーブルからジャンプした姫様の周りで光るリボンや流れ星、大判や小判がクルクル回る。
「ナンニャー星国王女シャーム!」
姫様がもとの猫耳少女になってポーズを決める。
パチパチと丞とシープが拍手する。
ミッケニは右手で顔を抑えてうつむいている。
ポーズどうですの? もうちょっと右腕を高く こうですの! 姫様足は閉じてなどとしばらく決めポーズの微調整をする。
「楽しそうね。丞? そのひとだぁれ?」
誰かが丞の両肩を掴んだ。




