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89 フレンド申請フセイリツ

 ブックマークが二枚増えました。

 ブックマークして頂いた貴方々ありがとうございます。

 イベントや鉄道の自由席であっさり良い席が確保できるように祈ります。

 いつも読んで下さる皆様もありがとうございます。

 憂い無く、さまざまな事が楽しめるように祈ります。


 変な逆恨みに巻き込まれませんように。


では、89話目楽しんで頂けたら幸いです。

「姫様だよ! ナンニャー王国の! 九海も・・・え?」

 丞は慌てて振り向いて言った言い訳を最後まで言えなかった。

 相手が九海ではなかったからだ。

 腰まである黒髪に白い着物を着た女の人が丞に向かって微笑んでいる。

「誰?」

「さあ、誰でしょう?」

 目キラキラさせながら言ってくる。


 え~と。残念ながら丞は女性の知り合いは少ない。

 委員長、月子さん、九海、姫様、イーシーン・・・

 そのうち、アバターや姿を変えられそうなのは・・・


「ジョンさん?」

「正解!」

 ポンと白煙が出ていつもの羊っぽい人になる。


「イントロデュース ジョン! 私ファンですわ!」

 姫様がジョンさんと握手している。

 ミッケニも後ろに並ぶ。


「ジョンさんって有名人?」

『はい。結構有名です』

 丞とシープは流れに乗り損ねた。

 並んだ方がいいかなと目で話し合う。


「タスク イツデモ アクシュ」

 いつものしゃべり方に戻ったジョンさんが、並ばなくてもいいよと教えてくれる。

 どうやら、アバター毎にしゃべり方が設定されてるようだ。


「キョウ アエタ グウゼン チョドイイ ワタシ チキュウ アソビ ショウカイ ゲーム ツクタ チキュウジン タスク モニター クダサイ」

 ジョンさんが胸の前で両手をだらりとたらす。


「今からだと起きるまでそう時間が無いんですが」

 胸の谷間に気を取られている丞は、着物の合わせが逆なのに気づかない。


「イシュウカン グライ アイダ」

 ジョンさんが手で見えない何かを七等分する。


「なら、今日の夜に」

 早い方がいいかなと丞は返事する。


「私もやりたいですわ!」

「ええ、とても」

 女子二人もジョンさんに参加をねだる。


「イイヨ タスクモ トモダチ サソウ クルトキ レンラク シテネ」

 ジョンさんは笑って頷くと、次の予定があるからと行ってしまった。



「イントロデュース ジョンのゲーム! 楽しみですわ!」

 姫様が胸の前で手を組んで目を輝かす。


「ジョンの紹介する物に外れ無しですからね」

 ミッケニも頷く。


「うん、うん。で? この猫耳少女は誰なのかなぁ?」

 九海も頷く。そのあとジトーっと音がしそうな視線を丞に送ってくる。


「姫様だよ、シャーム姫!」

 九海? いつからいたの? 丞は九海のスニーク能力に驚く。


「やっぱりか。王族ともなるとアバター変更できるだけのポイントが使えるのね」

 九海が猫耳少女を上から下まで見る。


「こんな事もできましてよ!」

 姫様がさっき作ったばかりの変身バンクを披露する。

 パチパチと九海が拍手する。


 魔法少女の敵役は毎回これを見るのか。

 そりゃ、ノーリアクションが正解になるよね。

 丞はアニメで繰り返し変身を見せられる敵の気持ちがわかった。

 まあ、姫様の変身は可愛いから何回見てもいいけど。


「ここにいるのは誰でしょう。おそれ多くもナンニャー王国・・・」

 ミッケニが姫様の変身に一枚かもうと努力している。


「ここにおわすお方をどなたとじゃないのかな?」

 丞はミッケニのセリフを直す。

 誰でしょうのところで答えを言いたくなる。


「それだと、名乗られたら土下座しないといけなくなるぞ」

 全が訂正内容に口を挟む。


「あれ、兄貴もきたの? 何で?」

 テーブルセットの椅子に座りながら、九海が不思議そうにたずねる。


「丞に相談されてな」

 空いてる椅子に全も座る。


「忘れてた。ねえミッケニ、王様達から僕宛てにフレンド申請がきてるんだけど?」


「無視すべきですわ!」

 姫様が叫ぶ。


「え、どうしてでしょう?」

 ミッケニは戸惑っている。


「ミッケニもわかんないの?」

「無視すべきですわ!」

「はい。なぜ丞に申請が」

「無視! 無視! 無視!」

「ミッケナさんとトゥラォさんからもきてるんだけど」

「僕の両親です・・・」


「私を無視しないで下さる?」

『まあ、まあ』

 姫様をシープがなだめる。


「あれ、俺の方にもフレンド申請がきた」

「私にも」

 幼馴染み二人が何かを探すように辺りを見る。


「これは姫様に近い人に申請してるな」

「姫様達が連絡を無視した時用の保険なのね」

 双子がフレンド申請の謎の答にたどり着く。


 姫様はあらぬ方向を向いて、ごまかすように顔を洗うような仕草をしている。



「フレンド申請って断ってもいいの?」

 僕じゃなきゃダメというわけじゃないなら断りたいと、面倒くさがりの丞は質問する。


「いいぞ。一回断られたらしばらく申請しないのが礼儀だ。どんなに偉い人でもな」

 全が丞の理想の答えを言ってくれる。


「じゃあ、ちょっと保留しようかな」

『私の方で丁寧に御断りしておきますね』

 シープが丞の理想の答えを言ってくれる。


「待ってシープ。送る前に一度確認するから。絶対僕に確認してから返事してよ」

 危ない。シープならやってくれそうだ。

 逆の意味で。丞はシープに疑惑の目を向ける。


『わかりました。でも』

 シープの口元が緩む。


「でも?」

『丞様は起きる時間ですよ』

 ニヤリと笑ってシープが勝利宣言する。


「早起きだな?」「まだ二時間は寝てられるでしょう?」

 双子の驚く顔に見送られて丞は寮のベッドに戻った。

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