67 田と十と回
浮気しようかなと思っています。
この小説のジャンルをこっそりVRゲームに・・・
ジャンルが変わってても気にしないで下さい。お願いします。
では、67話目楽しんで頂けたら幸いです。
「あちゃ~ダメだったか。右手法は内側に出口がある時は使えないんだ。シープ、地図見せて」
丞はシープの書いてくれた地図を見る。
外側に細かい出っぱりがあるが、だいたい田の字に見える地図が書いてあった。
「この田の字の4つの四角、どれかに出口があるのか」
丞は顎に人指し指と親指の間を当てて考える。
「普通なら入口から遠いこの二つの四角が怪しいよね?」
『はい。でも裏をかいて入口に近い方もありえます』
「入口に近い方に出口があれば時間を多く残せるけど」
『出口が遠い方なら調べる時間がもったいないです』
どうしたものか。丞とシープは首をひねって考える。
『立ち止まって考えていると時間がすぎるだけです。歩きながら考えてはいかがでしょう』
「そうだね、そうしよう」
丞とシープは田の字の中心に向けて歩き始めた。
「ちょっと急ごうか」
丞の歩くスピードがあがる。
『まだ、三時間あります。そのペースで最後まで持ちますか?』
「最初の四角に出口があれば大丈夫」
丞はさらにペースを上げた。
「ヒィ。フウ。オェ」
田の字の中心につく頃、丞は息切れしていた。
シープは丞の後ろで生暖かい目で見守っている。
『ここまで入口に近い方の四角には、はいれる入口がなかったです』
「はぁ、そ、そうだ、ね。田の字、の十字の横線に、あるんだ」
丞の息切れがおさまっていく。
『入口から遠い四角の入口は縦横どっちの線でしょうか?』
「もっと先まで見えればいいんだけど」
丞達がどう目を凝らしても10マス以上は見えない。
「このゲームはサポート使えないの?」
『はい。サポートなしです』
「そうか。テレビゲームみたいになれば隣の通路が見えたかもしれないね」
ない物は仕方ない。丞達は田の字の中心のマスに入った。
ギュルっと目眩のような感覚がした。床が回転したようだ。
「今の何?」
『やられました。罠です』
シープが丞に地図を見せる。
〈回転床発動ペナルティータイム592〉と書いてあって地図が丞達を中心に10マスしか表示されていない。
「10分この状態って事?」
『そうでしょう。入口の赤いマーカーが表示されれば方向が分かりますから』
「なるほど。そうか」
丞は青いマーカーを手に取ると先のマスに貼り付ける。
『これでペナルティータイムが終了すればこの回転床は意味がなくなります』
シープが丞の貼り付けたマーカーを見てうなずく。
「ペナルティータイムか。来た道を戻る可能性が四分の一だから移動するのが正解かな?」
『丞様の運次第です』
シープが皮肉っぽく言う。
「シープの運にしよう。シープはどの道に行きたい?」
丞が皮肉っぽく返す。
『これは一本とられました。右の道にします』
シープが小さい手でピシャリとおでこを叩いて右の道に入っていく。丞も後に続いた。
しばらく進んでも壁が続いている。
田の字の四角に入る入口が見つからない。
『ペナルティータイムが終わりました』
シープの差し出した地図をみると田の字の縦線の十字の上のラインに点滅している点が表示されている。
「まっすぐ進んでいたんだ」
『そうですね』
「じゃあ、このまま進んで田の字の四角の入り口を探そう」
『そうしましょう』
丞とシープは途中の落とし穴に落ちないように小走りで迷宮を進む。
「四角に入る入口無かったね」
『はい。でも無いとわかるのも大事です』
「田の字の十字の横線に出口がある可能性もあるかな?」
『可能性は少ないと思います』
シープと丞は話しながら田の字の十字の中心に戻る。
「床を踏まなきゃ回らないよね」
丞が通路の角に抱きつくようにして中心の床をふまずに右に曲がる。
『はい。ペナルティー表示はありません』
シープが正方形の板を確認する。
「よし。まずは十字の左の線を確認。それから左側の四角の中の確認だ」
丞は走り出した。頭の後ろに浮いてシープもついていく。
「ヒュー、ウッ、フー」
丞が四角の入口の床に四つん這いになっている。
十字の左の線の端まで確認してちょうど真ん中にあった四角の入口に戻ってきたところだ。
『大丈夫ですか?最後まで体力持ちますか?』
シープが丞の背中をさする。
「だ、だいじょ、ぶ。」
全く信用できない事を言いながら丞が立ち上がる。
「入口から遠い四角から調べよう」
フラフラと田の字の四角の入口に入る。
右手を壁につけるのも忘れない。
「シープ、残り時間は?」
『9148秒です』
「一万切っちゃったか。田の字の四角を調べるのに、どれぐらいかかるか知りたいから出るときにまた教えてくれる?」
『わかりました』
『丞様、次のマスは落とし穴です』
丞は床が透明になる前に通り抜ける。
『角は回転床です』
角に抱きつくようにして曲がる。
田の字の四角の中は回の字構造だった。
一辺のちょうど真ん中に落とし穴、角に必ず回転床がある。
なぜか視界が開け、10マス以上、直線ならどこまでも確認できるので、最初の回転床に引っ掛かった以外は順調に調べられた。
「この四角は外れか」
『はい。残り時間は7018秒です』
「え~と?」
丞は指を順番に折って計算を始める。
『三十分ぐらいたってます』
シープが丞より早く答えを出す。
方眼紙の隅にシープがこっそり書いた計算の跡がある。
「よし、次いこう」
丞は調べた向かいの四角の入口に入る。
「嘘でしょ?なんで?」
丞は最後の四角の回構造の中心でしゃがみ込んでいた。
田の字の四角の三つを調べ終わった後、シープと運がないねと話ながら最後の四角を調べ終わってしまった。
「出口が無いってありなの?」
『いえ、これはちゃんとしたゲームなのでありえません』
「何か見落してるのかな?」
『視界が開けた後は立ち入ってないマスがありますが』
残り時間は1618秒、調べ直すのは不可能だ。
丞とシープは正方形の板を眺める。
書きあがった地図は田の字の真ん中の縦線で線対象になっていて、なかなか綺麗だ。
何か見落しやヒントになるものがないかじっくり見る。
すると残り1500秒で〈この迷宮を脱出せよ!〉の文字が点滅し始めた。
脱出、出ること、出ればいい いい?
「入口!」『入口です!』
丞とシープが同時に気づく。
「入口、入ったあと、閉まって無かった!」
『そのまま出れば良かったんです!』
「近道しよう!」
丞が落とし穴に落ちる。
床に敷き詰められた柔らかい素材を踏みしめて、唯一の階段に向かって走る。
「「「おめでとうございます!」」」
丞達が入口から飛び出すと、外にいた四角い人達が迷宮クリアをお祝いしてくれる。
残り時間は1018秒だった。
「ヒュー、ウェ、ピー」
丞は四つん這いになって切れた息を整える。とてもじゃないが喋れない。
『ありがとうございます。と言っています』
シープが適当に丞の呼吸音を訳す。
「ハァ、フウゥ、ヒー」
『大変素晴らしい迷宮でした』
「チョ、テキ、イワ」
『機会があればまた挑戦したい』
やっと立ち上がった丞とシープは喜んでいるのか、ギュルギュル回る四角い人達に見送られて、ミラクル迷宮の建物をでた。
「ちょっと、シープ。適当な事言わないでよ」
丞がシープに詰め寄る。
このゲームは体力的にキツイ。正直もうやりたくない。でも、四角い人喜んでたし。丞が考えた結果、適当な事を言ったシープが悪いという結論になった。
丞に詰め寄られたシープは少しも慌てない。
『丞様』
「何?」
『起床時間です』
「狡い!」
丞は叫びながら飛び起きた。
文章で迷路を書くのは大変でした。
漫画やアニメなら図で説明できるのですが。
漢字に感謝しています。




