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63 TKGおかわり

 皆様はオカルト番組好きですか?私は小さい頃苦手だったんですが今は好きです。


 好奇心と想像力が刺激されるところが良いですね。


では、63話目楽しんで頂けたら幸いです。

「俺達TKGが気をつけているのは、大規模なファーストコンタクトや行き過ぎた技術の伝達だ」

「そう言う凄いのは上の方でやっていて、ワタシらの活動はショボいけどね」

 九海が小さな宝石形のおやつを摘まむ。

「どんな事をしているの?」

 丞も遠慮なくお菓子に手を伸ばす。


「多いのは宇宙人旅行客の案内かな。あと、地球に無いものを落とした時の捜索。UFOで擦っちゃった壁のごまかしとか、破片の掃除とか」

 九海がばりっとピンクの円盤を食べる。まるで煎餅だ。


「思ったより地味だね。UFOってそんなに飛んでるの?」

 丞もピンクの円盤を食べる。やっぱり海老っぽい味のする煎餅だ。

「ああ。バンバン飛んでる。大抵の人は気づかないけどな」

 ピンクの円盤に丸い宝石形のお菓子を乗せて全がまたUFOを作る。

「やっぱり見えないの?」

 丞は透明な宝石形お菓子を眺める。

「それもあるけどFOになってるんだよ」

「FO?」

「確認飛行物体。車や飛行機や鳥の群れにみせてるのよ」

 九海が宝石形のお菓子を指に載せる。お菓子が指輪に見えてくる。

「普通の人は道路に車が走っていても、空に飛行機や鳥が飛んでても気にしないよな」

 全がピンクの円盤を器用に割って飛行機の形を作る。

「最近はアプリで飛行機の運航状況を確認できるんじゃないの?」

「そこでTKGの出番さ。ダミー情報、ダミー飛行機。空港に勤めたりしてごまかすんだ」

「まあ、成人して暇な人がやってるんだけどね」

 ピンクの円盤も宝石形のお菓子もなくなった。


「あと、人付き合いの上手い人はUFOとか宇宙人の研究家と仲良くなって情報を教えて貰うんだ」

 俺は無理と全が首を振る。

「こっちが教えて貰うの?教えるんじゃなくて?」

 丞は首をかしげる。

「そうだ。教えて貰ってTKGの情報と照らし合わせる。本当の宇宙人のうっかりなら、そっと証拠隠滅するんだ」

 全が謝る真似をする。

「ひどいね」

 丞に謝られても困る。


「ああ。でも、こっちから資料を渡す事もある。公文書と同じフォーマットで本当の事を書いて」

 全が丞にゲームのコントローラーを渡す。

「大丈夫なの?」

 丞がスタートボタンを押すがゲームが始まらない。

「丞もUFO番組で見たこと無いか?記録に無い公文書だぞ。信用度は0を越えてマイナスだ」

 コントローラーの本体との通信用の発光部分に、お菓子のシールが貼ってある。

「ひどい」

 丞はそれを剥がしてボタンを押す。今度は普通にゲームが始まる。

「あの人達はめげないから大丈夫。否定されたり、バカにされたりするから精神が鍛えられるんだな。情報を読みといてTKGに気づく人もいる」

 剥がしたシールを見ながら全が言ってくる。


「気づかれたらどうするの?まさか記憶を・・・」

 やな事を考えた丞の車がカーブを曲がり損ねる。

「その人次第だな。物的証拠を残さないように逃げる事もあれば、正直に話して仲間に入って貰う事もある」

 全の車が丞の車を抜いていく。

「他の人が知らない事を知りたいだけって人もいるのよ。フぃみョンに連れてくると感動しちゃって、他の人に教えないと約束してくれるの」

 九海の車が絶妙なタイミングで全の車に妨害アイテムを使う。

「オカルト討論番組だと否定、肯定どっちにもTKGのメンバーが座ってるのよ。激論しているとおかしくって」

 結局ほとんど差がつかずに三台揃ってゴールする。


「ふーん。全や九海と遊べない時はそんな事してたんだ」

 丞はレースの合間にジュースを飲もうとコップに手を伸ばす。

「ああ。でも丞もこれでTKGの参加資格ありだ」

 全と九海が乾杯と丞のコップと自分のコップをぶつける。

「フぃみョンを使った事があるかが参加資格の一つなの」

 ジュースを飲みながら九海が言ってくる。

「どうだ、俺たちと一緒にTKGやるか?」

 全が空になった丞のコップにおかわりを注ごうとする。


「いや。言いづらいけど・・・たまにならいいけど」

 ちょっとでいいと丞はコップでジュースの容器を持ち上げる。

「そうだよな。正直、俺らもめんどうくさい」

 全が残ったジュースを自分のコップに全部注ぐ。

「学校で時間決められてなきゃ絶対やりたくない」

 九海も自分のコップのジュースの残りを飲み干す。

「無いとは思うが、丞にも手伝って欲しい時には連絡するよ」

 全がジュースを一気に飲んで三つのコップは空になった。




「さて、そろそろいい時間だな」

 格闘ゲームで負けた全が伸びをしながら丞に言ってくる。

「え、まだ明るいよ?」

 丞は窓の窓の外を見た。まだ昼間だ。

「ああ。地球と一日の長さが違うんだ。こっちの方がちょっと長い」

 全が何かをのばす真似をする。

「そうか。いま実際には何時なの?」

「シップ。向こうは今何時だ?」

 全が目を閉じてここにいない誰かに聞く。

「五時半になるとこだそうだ」

「シップって全のナビ?」

「空来家のナビだな。ナビの本体はじいさんの所だ」


「じゃあ、おいとまをって、フぃみョンって最低六時間からだよね?」

 丞も立ち上がって伸びをする。VRなのにゴキゴキと良い音がする。

「それは小型の携帯端末だからだよ。うちのは船備え付けの大型だからな。もっと短い間時間でも使える。玄関とマンションのエントランスどっちにする」

 全が聞いてくる。

「どっち?」

 丞はなんの事かわからない。

「うちのフぃみョンでこっちに来るときの位置だよ。丞も九海が下ギィッ!」

 ドン!と凄い音がして全が黙る。

「ほら、リビングにいきなり丞に来られると色々困るのよ」

 足を押さえてうずくまる全の変わりに九海が説明してくれる。

「ああ、なるほどね。じゃあ玄関で」

 全裸の時に部屋にいきなり人が現れる状況を想像して丞は納得した。


 丞は空来家の玄関で、倉居家の秘密の部屋に戻り、全と九海に見送られて家路についた。

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