62 TKG
この作品、改稿がちょっとずつ進んでおります。
最初の頃の文章には初々しさがありますね。
それに比べると最近の文章はくどいかもしれません。
うまくバランスがとれるよう努力します。
では、61話目楽しんで頂けたら幸いです。
「まあ、フぃみョンでの記憶はTKGにも必要だから仕方無いんだが」
おやつを取りに行った九海を見送って全が変な事を言い出した。
「卵かけご飯に必要?何か美味しいレシピがあるの?」
丞が前のめりになる。是非とも教えてほしい。
「いや残念だが食べ物じゃない。地球 勝手に 守り隊の略だ」
全がどうどうとなだめながら、丞の体勢を戻す。
「それだとTKMだよ」
丞が突っ込む。
「守り隊をガーディアンと読ませる。でGだ」
「無理矢理だなぁ」
丞が呆れる。
「ちゃんと意味はある。人前で地球勝手に守り隊の活動がと話していたら変だろ?でもTKGの活動が、なら卵かけご飯好きの集団ですむ」
そうかな?僕なら聞き耳を立てるけど。
丞のダイエットは成功するのだろうか。
「何の話をしてるの?」
九海がいくつかのお菓子の袋を持って戻ってきた。顔色も元通りだ。
「TKGの話だ」
全が早速、四角いブロックの絵が描いてある袋を開ける。立体パズルみたいなお菓子だ。
「TKGか。メンドイよね」
九海が真っ青なブロックのお菓子を丞に薦める。
「結局なんなのTKGって」
丞が青いブロックをかじって口を押さえる。ウエハースみたいな食感でめちゃくちゃ酸っぱい。
「宇宙人のお節介やうっかりから地球を守るボランティア活動よ」
笑いながら九海が、口を押さえる丞に飲物のコップをくれる。
「丞は地球に宇宙人がどれだけいると思う?」
全が真面目な顔で聞いてくる。
「さあ?結構いるのかな?なんか宇宙人同士は会わないって方程式もあるらしいけど」
ジュースで酸っぱいブロックの味を洗い流した丞は、ジョンさんやオカルト番組を思い出しながら答えた。
「ああ。あの方程式か。でもあの方程式は二次種族以降が抜けてるからな」
全が青と赤のブロックをくっつける。
「二次種族?」
丞も喋りながらブロックを適当に選ぶ。
「俺達みたいな自然発生したのが一次種族。二次種族は一次種族に作成された種族だよ。丞は作成されたと聞いてどんなのを思い浮かべる?」
全は選んだブロックを組み立てて、何か作っている。
「ロボットかな。今も色々できてるし」
丞はブロックで人形を作る。
「そう。不老不死や宇宙空間適合。ほとんどの場合、一次種族より優れた種族になる」
全は自分の作った固まりに合うブロックを探している。
「不老不死?」
丞は、ブロックで作った人形を眺める。腕の部分が取れた。
「そうだろ。きちんと設計されて部品さえ供給されれば永久に活動出来る。うちのじいさん達も一緒に地球にきたんだ」
全が丞の作った人形に新しい腕をつける。
「ロボットなの?」
丞は腕が入れ替わった人形を眺める。
「丞も見ただろ?丞が寝た部屋全体だよ」
全の前にはブロックで作られた一昔前のUFOがあった。
「そうだったの」
丞は自分の作った人形をかじる。色に合わせて違った味が口の中で合わさって、なかなか美味しい。
「ああ。星の海までこぎ出せるようになった種族の冒険者は大体一次、二次種族ペアで後戻り出来ない海路を進むんだ」
遠くを見つめながら、全も自分の作ったUFOを食べる。
「兄貴、話しがずれてる」
丞のコップにジュースを注いで、九海が話を戻す。
「そうだったTKG。地球を守る活動だ」
全がわざとらしく、誇らしげに言う。
「地球って守る程、価値あるの?」
丞は巨大化変身英雄の特撮を思い出す。
最近は特撮でさえ地球を侵略してこない。
「住んでいると気づけない。けどこの銀河の中じゃ凄く珍しい」
新しいお菓子の袋を開けて全が説明を始める。
「まず、国という単位が珍しい。言葉の種類の豊富さもな」
全が器に向かって傾けたお菓子の袋から透明な赤、青、黄の三色の丸い板がたくさん出てくる。
「大抵の星は発生した知的生命体が分断されないから、そのまま国無し一言語。文化が成熟すると遊びで新しい言語を作ったりするけど」
九海が黄色のお菓子だけ取りながら、全の説明を補足する。
「文明の進歩も他の星と違う」
全は黄色のお菓子がなくなった器にお菓子を追加する。
「大抵の星は国無しだから戦争って概念が無いの。そうすると楽しようと文明が進むから、あっというまに生命維持に必要な事を自動化して、労働から自分たちを開放する。生まれてから死ぬまで好きな事をしているの」
九海は確保した透明な黄色のお菓子をかじる。
「そして他と違う文明から生まれる他と違う文化。最高だ」
全が三色のお菓子をトランプみたいに持って、つけっぱなしのゲーム画面を見る。
「あんまり誉められている気がしないんだけど」
丞は他の星の人と比べて地球人は進歩が遅いと言われた気がした。
赤いお菓子をかじる。お芋の薄切り揚げみたいな食感と味がする。ちょっとしょっぱい。
「俺も最初に聞いた時は戸惑ったよ。でも、こんな風になってるのは地球人のせいじゃない。地球環境のせいだからな」
全が三色重ねたお菓子にかじりつく。
「そうそう、ワタシもこっちの学校で聞いたときびっくりしたし」
九海が黄色のお菓子を一枚ずつかじる。
幼馴染みも最初は丞と同じ感想だったようだ。
「それで地球みたいな星は百個ぐらいあるんだが、あるときお節介な宇宙人がある星に堂々とファーストコンタクトしたんだ」
全が話をかえる。
「どうなったと思う?」
九海が聞いてくる。
「え、宇宙戦争?」
丞は映画を思い浮かべる。
「まさか、制宙権を取られてるんだぞ、戦いにならないよ」
全が上から物を落とすジェスチャーをする。
「正解はあっというまに他の星と同じになったの。地球時間で百年もかからなかった」
丞が答えないので九海が答を言う。
「そんなに早く?」
丞はお菓子のなくなった器に残った粉を眺める。色が全部合わさると灰色に見える。
「ああ。生産活動が自動化された世代が増えて、働いてた世代と代わったらもう他の星とあんまり変わらない」
全が空になった器に新しいお菓子を入れる。今度のお菓子は形は一緒だが不透明でピンク一色だ。
「その星独自の文化が好きだった人達が作ったのがTKGのもとなの。色々な宇宙人が参加してるのよ」
九海がお菓子の器に更に追加で別のお菓子を入れる。色とりどりの宝石みたいなお菓子だ。
「僕、宇宙人からフぃみョン貰ったんだけど取り上げる?」
丞はいつもフぃみョンが入っているポケットを上から押さえる。
「まさか!忘れたのか?俺達が丞をここに連れてきたんだぞ」
全と九海が笑う。
そうだった。丞は安心して新しいお菓子をつまんだ。
明日は日曜なのでもう1つの連載、変身女子高生が十時頃に投稿予定です。
まだ書き上がってません。
自分で決めた締切に追われる変な状況を作っています。
ヒーロータイムに拘らないで不定期連載にしようかなと心が揺れております。




