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45 宇宙ステーションを後に

 投稿1ヶ月記念投稿二回目です。

 書き始めに比べて書ける文字数が少し増えました。

 継続は力なりでしょうか。

 その分面白くなってればいいのですが。


 では、45話目楽しんで頂けたら幸いです。


 厨房の外に出るとトレジャーハンターが、十人揃って隠れながら騒いでいた。

「シープ!アレって」

『はい兵器が近づいています』

 ライトで照らしきれない暗闇から、不気味な赤い光が近づいてくる。


「いや、兵器じゃなくてあっちを見ろ!」

 六本腕のトレジャーハンターが片側三本の腕で何かを指差す。

 三本で指差されるとよくわからない。

「兵器の右だよ右!」

 声がすると視界の一点がマークされる。

「池の形のメモリーボード!」

 他のトレジャーハンターと一緒に丞も叫ぶ。

「百万ポイント!」

「ここにあったのか!」

「俺の物だ!」

「ばか!兵器の横だぞ。飛び出すな!」

「そうだ、俺らまで見つかるだろ!」

 トレジャーハンターが叫びあう。


「ちょっと落ち着こう。兵器がこっちにきてるのに騒いじゃダメだ」

 猫っぽい人が顔を洗う仕草をしようとして、ヘルメットに阻まれている。

「Fがほしいお宝はアレだろ」

「ジェネレータや金庫は、兵器を破壊したあとでも回収出来るからな」

「でも、場所が悪い。兵器に近すぎる」

「このまま隠れてやり過ごせるか?」

「ジェネレータが停止したのに何でそっちいかないんだ?」

 兵器が止まって近づいてこなくなった。

「止まったぞ」

「何でだ?」

「くそ。メモリーボードに近いな」


「おい。これ見てくれ」

 一人のトレジャーハンターが小さく立体地図を出す。その場の全員が注目する。

 各階に残った赤い点が等間隔で停止している

「何でこんな所で止まってるんだ。何も無いだろここ?」

 猫っぽい人が首をかしげる。

「ヤバイ!マジでヤバイ」

 腕が六本ある人が何かに気づく。

「なんかわかるのか?」

「アイツら自爆してステーションを吹っ飛ばすんじゃないか?」

「そうか!だから等間隔の配置に着いたのか!」

「何でそんなマネを」

「兵器の考えなんか真面目に考えるだけ無駄だよ」

「さっさと逃げるか転送してもらおう」

 トレジャーハンターがまた騒ぎだす。


「でも、メモリーボードを回収しなくっちゃ」

 丞が言うと静かになった。

「あんな、兄ちゃん。状況わかってる?欲張るといいこと無いよ?」

 隣のトレジャーハンターが忠告してくれる。

「シープ。フぃみョン外活動で怪我とかの心配は無いんだよね?」

 丞はひそひそ声で確認する。

『はい。ですが亜空間ボックスが壊れたり行方不明になる可能性はあります。報酬が貰えなくなります』

「亜空間ボックスが壊れたらどうなるの?」

『入れた順番に空間が許す限りの物が出されます。出しきれないものは亜空間をさ迷い始めます』

「さ迷ったらそのまま?」

『たまに他の亜空間に入って取り出されます。取り出す専門家もいます』


「俺はやるぜ」

 猫っぽい人が立ち上がる。

「Fが一番ほしいお宝はアレだろう。お宝を獲ってくるのがトレジャーハンターだからな」

 落ち着いた声にベテランの風格を感じる。

「付き合う」「俺も」

 次々に賛同者が現れる。

「俺はごめんだ。すまないな」

「いいさ。人それぞれの生き方があるからな」

 猫っぽい人が肩をすくめる。

 丞を含めて五人が残る。


「さて、自爆まであとどのくらいあるんだろうな。仕事を急ぐか」

 猫っぽい人が兵器の方を向く。

「それなんだが。これを見てキリ」

 一人のトレジャーハンターが変な語尾で話しながら、荒い画像の兵器を表示する。

 兵器の上でカウントが減っている。

「何でわざわざカウントダウンしてるんだ?」

「兵器は基地警備のつもりで動いてたんじゃないか? ジェネレータが止まって基地が落ちたって判断して自爆するけど、基地の人員が逃げる時間は待つ。俺も一回逃げた事ある」

 腕が六本ある人がつらそうに言う。

「え、そうなの。ハードな人生送ってるキリね」

「ゲームで」

「ゲームかい!」


「漫才はそれぐらいにしろ。カウントが正確なら自爆まで七分。難しい事は出来ない。みんなで近づいて一斉に飛びかかるぞ。他の案があるヤツはいるか?」

 猫っぽい人が言ってくる。

「いや、急には思い付かない。それでいこう」

 六本腕の人が答える。

「やるキリ」「それでいこう」

 丞も頷いた。


『スーツを吸着モードにします』

 手と脛が床に吸い付く。

 ペタペタと丞はメモリーボードに近づいていく。

「メモリーボードを回収できると思う?」

『何とも言えません』

「僕も大事な物、無くした事あるんだ。すごく悲しかった」

『そうなのですか。今も見つかって無いのでしょうか?』

「その時は机の奥から出てきた」

『整理整頓は大事ですね』

「見つけた時、すごく嬉しかったんだ。メモリーボードがFの思いでの品なら絶対に回収したい」

 決意とは裏腹に丞の体はあまり進まない。

「はぁ。フー。ヒィー」

 喋る余裕も無くなってきた。

『これ以上近づくと音で気づかれる可能性があります』

 メモリーボードの五メートル手前でシープに止められる。

 兵器も目の前だ。センサーのベルトが止まって、上に表示されたカウントダウンが静かに減っていく。

 丞は、だまって息を整える。


[全員配置に着いたか?]

[いいな?]

[3、2、1、0!]

 猫っぽい人からの合図をシープが文字表示してくれた。

 残ったトレジャーハンターが、メモリーボードに向かって飛び出す。

 丞も飛び出したが遅れた。勢いも他のトレジャーハンターに比べて明らかに遅い。

 ギュンと音が聞こえそうな勢いで兵器のレンズが向けられて、兵器に近い順にトレジャーハンターが消えていく。

「くそ」「ダメキリ!」「うぉつ」 「・・・」


「もう少し!入る!」

 転送ゲートにメモリーボードが入る一瞬前に、丞は白い光に包まれる。


『丞様。起きて下さい』

 シープの声が聞こえる。

 目を開けると白い天井が見える。

 丞は透明なフワフワした物に包まれて横になっていた。服は着ている。

「シープ。ここどこ?」

 全裸でなくてよかったと思いながらシープに聞く。

『Fの宇宙船です』

 シープが実体化している。

「僕、寝てたの」

『転送のショックで意識が無くなってました。何回か転送されると慣れますよ』

「寝てフぃみョンにきて、気を失うって変だね」

 転送前の事を思い出す。

 丞の回収用転送ゲートはメモリーボードに届かなかった。

「メモリーボードは? 緊急転送されてもステーションに戻れるんだよね?」

『もう無理です』

 シープが窓の外を指差す。

 大きな破片の周りをFの作業用宇宙船が

幕で覆っている。

『宇宙ステーションは兵器の自爆で破壊されました。今はデブリ飛散対処中です。危険なので近づけません』

最後は十六時投稿です。

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