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25 異世界会会員のお試し=甘味ドコ

 日間空想科学のランキングに乗りました。

 応援ありがとうございます。


では、25話目楽しんで頂けたら幸いです。

「よし、行くぜ!シープ」

 黒次は勢いよく走って行ってしまった。

「昔から、黒次は勢いだけはあるよね」

 白次が黒次を見送る。

「考えなし」

 月子さんは見送らない。シープに夢中だ。

『黒次様に連絡しますか?』

 シープが異世界会会員に聞いてくる。

「いいよ。危ない場所はないんだよね?」

 念の為と言う風に白次が確認する。

『ありません』

 シープの返事うなずいて、白次、月子さん、委員長、虎城君の四人は、遠ざかっていく黒次を見送る。


「でも、ここ凄いわね。走り出したい気持ちもわかるわ」

 委員長が楽しそうに、くるっと一回転する。

 残りの三人も歩いている大きな通りを見回した。


 色んな種族の人とすれ違う。

 ほとんど、地球人と変わらない体格で、腕や足が多い人。

 昆虫や蟹っぽい人。

 一部が機械になっている人。

 色とりどりの水溜まりみたいな人が爽やかな、においを振り撒いて横を抜けていく。

 上に浮かんでいる、シャボン玉はナビのようだ。


 建物も色々ある。

 アラビア風の建物。

 映画で見た近未来風の建物。

 膝ぐらいの、立った猫みたいな人が出入りする空間に空いた穴。

 透けている人が、吸い込まれていく、何かわからない塊。


 甘味ドコと書いてある看板前で、四人は止まった。

 覗くと地球人に近い人が、甘味らしいスイーツを食べている。


『甘味処を再現したお店です。入りますか? この前のお詫びに奢りますよ』

「シープすてき」

 シープを両手で持った月子さんの頬擦りが激しくなる。

「やめてください」

 シープが非実体モードで逃げて委員長の横に現れる。

 ガッ!

 油断していた白次担当のシープが捕まった。

 元月子さん担当のシープはしれっと、白次の横に移動した。

「入りましょうか」

 委員長を先頭に異世界会の四人は、のれんをくぐる。


 可愛い犬のような顔の店員さんが四人席に案内してくれる。

 和服をイメージしたのはわかる。けど、そうじゃないと言いたくなる制服を着ている。

「ご注文は?」

「おすすめを教えてもらえるかしら?」

「一番人気は、あんみつと抹茶のセットです」

「それでいい?」

「いいよ」

「あんみつすき」

 虎城君は無言で頷いた。

「シープは?」

『私は、物質は食べません』

「ではセットを4つで」

 テーブルから四人前のあんみつセットが出てくる。

「お」「凄いわね」「スゴイ!」「・・・」

 テーブルの表面が光って、あんみつセットがにじみ出てくる様子に、四人それぞれ驚く。

 あんみつの寒天が三センチ角だ。

 茶碗に入った液体の色がピンクだ。

 茶碗の横に白い粉の入った小皿がある。

「ごゆっくり」

 注文の品がそろったのを確認して、店員さんは次の接客に向かう。

「食べにくいわね」

 委員長が大きめの寒天を砕く。

「良かった。味は抹茶だ」

 勇気を出して白次はピンクの液体を飲んだ。

「これ、砂糖」

 月子さんは山盛りの白い粉を全部ピンクの抹茶にいれた。

 虎城君は無言で食べている。


「これからどうする?」

 白次がテーブルのみんなに聴く。


「ここは異世界ではないのよね?」

 委員長が浮いてるシープを見上げる。

『はい。フぃみョンはVRMMOです。定義によりますが異世界ではありません』

 シープが委員長の目の高さに降りて答える。

「異世界のゲームはあるのかしら?」

『ございます。異世界に転生、転位した設定で色んな事が楽しめます』

「例えば?」

『様々な立場や状況から、世界の発展や自己の幸福をめざすシミュレーションゲームが多いです。発展度や幸福度、ゲームで稼いだお金などでポイントが貰えます。大抵は一人用ですが、対戦ゲームもあります』

「ゲームにいる人は?」

『NPCです、世界も実在しません』

「じゃ、あんまり意味ないわね」

 委員長とシープのやり取りに四人そろってため息をつく。


『人の価値観はそれぞれです』

 シープが四人バラバラなあんみつセットの減り具合を見る。


「美術館はあるのかしら」

『無料、有料、会員制全て有ります』

「では無料の美術館に行こうかしら」と委員長。


「カワイイのものは?」

『小動物園はいかがでしょうか』

 ちょっと違うけどそこにすると月子さん。


「ロボットゲームは?」

『もちろんございます。大別すると操縦するか、製作するかに別れます』

「僕も一緒でいいかな、野球以外はよくわからないんだ」

 白次がそれでと言うと、虎城君が同行を希望した。


 それぞれの行き先が決まったので、別行動する事になった。

 やっぱり書いておきたい。

 読んで応援してくださっている方の幸せを祈ります。

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