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22  白羊の六人

では、22話目です。

楽しんで頂けたら幸いです。

『つれないですね。最初の時は期待の眼差しだったのに残念です』

 シープはあまり残念に思ってなさそうに言った。

『何時に起きますか』

 シープが丞に向き直る。


「限定版でお願い」

『何時間使用しますか』

「みんな、二時間でいいよね。卯上の三人は電車の時間もあるし」

 丞は異世界会会員全員を見回しながら確認する。

「そうだね」

「一本遅らせればイーじゃねーか」

「遅すぎ、怒られる」

「私もあんまり、遅くなるのは」

 丞は虎城君を見た。

「僕は自宅だよ。みんなにまかせるよ」

 そうだった。うなずいて丞はシープに使用時間を伝える。

『では、限定版二時間で起動します。限定モードなのでゲームは観覧しか出来ませんがよろしいですか?』

「それでお願い」

 丞が返事する。

『ではフぃみョンに移動します』

 シープが腕を振る。波紋が広がる。




 気がつくと六人は、ガラスで出来た木のしたのベンチにいた。

 丞には、お馴染みの場所だ。

「綺麗」

「凄いわね」

「なんで出来ているの」

「木なんてどーでもいいだろ」

 虎城君は黙って木の、色とりどりの葉を眺めている。

「じゃあ、二時間しかないし、別行動にしよう。一時間半後に、ここに集合でいい?」

 丞はテーブルセットの椅子に腰かける。

「広すぎて、どこにいけばいいかわからないわ」

 委員長が異世界会を代表して丞に意見を伝える。

「ああそうか。シープお願い」

『わかりましたたたたたた。』

 シープが分裂して、六体のミニシープになった。


「カワイイ!」

 月子さんがミニシープを片手でガッっと掴んで頬擦りした。


『過剰なオサワリは禁止です』

 ミニシープが非実体モードで月子さんのホールドを抜けて、テーブルの上に表れる。


『担当代わりませんか』

 月子さん担当のシープが他のシープにたずねる。

『さあ行きましょう。時間もないですし』

 他のシープは担当している人と、一緒に行ってしまった。


『ああっ』

 ガッ!と音がしそうな感じで残ったシープが月子さんに捕まる。

 そのまま、涙目になったシープが月子さんに連れられて行く。

 丞は子牛が売られてゆく歌を脳内で再生する。

『みなさん、行きましたね』


 丞の背中に隠れていたシープが言った。

「楽しんでくれるといいけど」

『残り二つの子機は予備ですか?』

「全と九海を誘おうと思ってるんだ」

 全と九海の双子は、丞の幼馴染みだ。

 家が近かったので自然と、よく遊ぶようになった。

 全とは小中学校同じクラスだった事もあって、とても仲良くなった。

 学校が別になっても、誘ってくれる親友なのだ。

 九海は中学に入ると女の子同士で遊ぶようになって、丞とちょっと距離が離れたが、卒業式に制服のボタンを、全部引きちぎられるぐらいには仲はいい。

 ボタンはその後、返されたが。


「シープは分裂してたけどどうなってるの。今も他のシープとつながっているの?」

 丞は小さくなったシープを指でつつく。


『今はバラバラです。通信すればつながります。合体したときに統合されます。月子様について行った私も』

 シープがブルリと震えた。


「統合されて混乱しない?」

 丞は首をかしげる。

『分裂しない人にはわからない感覚です。記憶は丞様がフぃみョンの説明を、書き込まれたのと一緒です。感覚だと昨日のように感じる一昨日と昨日の記憶がみたいな感じです。あと、自分と会う事です』

「いまいち、分からない」

 丞の頭がどんどん傾いていく。


『疑似分裂できますよ。ポイントが必要ですが』

 シープが何かを分けるしぐさをする。

「そこまでしないよ。僕も散歩しようかな」

『そうですか、御供します』

 丞とシープは連れだって広場の人混みに消えていった。




 丞が散歩からガラスの木の下のテーブルに戻ると、委員長と月子さんがいた。

 二人の担当のシープがいない。


「いろいろ見たわ。なかなか面白そうね」

「シープ!」

 月子さんは丞担当のシープをわしづかみにした。

 シープは非実体モードで逃げる。

 だからいなかったのかと、丞は納得しながら二人に聞いた。


「あと三人は?」


「さあ?」

「白次と黒次は遅刻魔、虎城君は知らない」


「わりー遅くなった」

 黒次が走ってきた。


「あれ?シロとコジョーは?いねーじゃん」

「まだ来てない」

「ンだよ。走って損した」

 月子さんと黒次君付きのシープは、にらみあっている。


「何か飲む、奢るよ」

 丞は時間通りにきた三人に何かしたくなった。

「コーラ」「レモンティ」

 黒次と委員長が注文する。


「いらない」

 月子さんは飛び回るシープをつかまえるのに夢中だ。

 月子さんの手がとどかない高さに上がらないのがシープのお腹を、いつか黒く塗る理由なんだよな。

 丞はシープと月子さんの追いかけっこを見ながら考える。


 テーブルからロングの缶コーラと、一リットルのレモンティが出てくる。

「こんなこともできるのか!」

 黒次が出てきた缶コーラを、いろんな角度から確認している。


「一リットル・・・せめてコップは?」

 委員長が丞に聞いてくる。

 丞はサービスのコップを出した。

 使い捨ての薄いコップだが、緻密な模様と色が美しい。


「凄いコップね。紙パックのレモンティと釣り合わないわ」

 委員長が紙パックから、レモンティを注ぐ。


『虎城様から連絡が入っております全員宛です』

 早口でシープが言う。

 月子さんと追いかけっこをしているシープは余裕がなくなってきているようだ。


「「ごめん、九回裏なんだ。申し訳ないけど最後まで見たい」」

 異世界会会員全員の頭の中に虎城君の声が聞こえた。

 どうやら野球を観戦しているらしい。


「いいけど、二時間たったら自動で起きるよ」

 丞は声を出して虎城君に答える。


「「わかってる。じゃあまた部屋で」」

 嬉しそうな虎城君の声がした。


「アイツ、ヤッパ野球好きなんだな」

 黒次がしみじみと言った。

「そうだね」

 丞は虎城君が野球を辞めないで本当に良かったと思う。


「白次に連絡して」

 さて、最後の一人はどうしたと丞はシープに思考通信を頼んだ。


『つながりました』

 くるくる回ったシープがある方向で止まる。

「白次、今どこ」

 丞は異世界会会員にも伝わるように考えている内容を声に出す。


「「ロッボウォリヤーの観覧席、ごめん、人が多くて出られない」」

 白次のすまなそうな声が丞の頭の中だけに聞こえる。


「ああ、人が多くて出られないの? わかった、部屋で合おう」

 白次の状況を声に出した丞の周りで、異世界会会員達がうなずく。


 そんなこんなしていると起きる時間になった。

 異世界会会員全員が虎城君の部屋で目を覚ます。


「今日、二十三時時半から六時間以上、寝られない人いる?」

 丞はあくびや伸びをしている異世界会会員に確認した。

 全員、眠れるようだ。

「じゃあ、フぃみョンの子機は貸すから、またフぃみョンの中で会おう」

2019,06,12メモ 

 現在、改稿ここまでです。

 次から執筆に慣れた所までちょっと読みづらいです。

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