17 魔王でも可
喧嘩してしまった丞とシープ。
仲直りはできるのか?
問題解決の妙案は浮かんだのか?
それでは、17話目、楽しんで頂けたら幸いです。
「やっぱり話すしかなさそうだね」
『そうですね』
疲れた顔で丞とシープは同意した。
もう令和異世界会は出来ている。
今さら、原因について喧嘩しても意味はない。
虎城君が野球部を辞めてしまった後では遅い。
「よく考えれば、隠す理由もないんだよね」
『そうですね。フぃみョンから地球人に、大きな影響をもたらす知識は持ち出せません。ポイント変換も、上限がありますしね』
疲れた、無駄に頭を使った。
丞はトイレの個室から出て、手を洗って教室に戻った。
午後の授業を上の空で受けて放課後、丞は虎城君に声をかけた。
ちょうど一人だ。
「虎城君、ちょっと話したい事があるんだ」
「いいけど、野球部の主将に呼ばれてるんだ」
これからまた野球部全員に引き止められるのだろう。
なにがなんでも辞める。
そう決意のこもった声で返事される。
少し意地になってるのかも知れない。
「その件なんだ、今日のところはもう一度一人で退部について考えたい、と伝えて出てこれないかな」
丞が頼むと、虎城君はその手があったかと表情を明るくした。
「じゃあ、多目的ルームで待っていてくれ、異世界会は今日そこで活動するんだ」声も軽くなった。
「わかった」
虎城君を見送って、丞は多目的ルームに向かった。
引き戸の前で待っていても良かったが、全員に話すつもりなので中に入る。
引き戸を開けると広い部屋の向こうに、ぽつんとかたまって、令和異世界会の会員が話をしていた。
「異世界って荷物はどのくらい持って行けるのかしら」
「いきなり呼ばれるから、準備出来ない」
「普段から持ち歩けばいいんじゃないかな。」
「収納スキルがありゃあ、何でも持って行けるんだけどな」
異世界に持って行くものを相談しているようだ。
「あのー」
丞は控えめに声をかけた。
「お、やっぱり入る気になったのか」
黒次が、六人目だと嬉しそうに言った。
「僕、親がいなくて寮暮らしなんだ。あまり遅くまでいられないけど」
「え、そうだったのご両親が」
白次が、なんていっていいのかわからない様子で言ってくる。
「いや、外国に行っているだけだから」
「ンだよ、無駄に気ー?使わせんなよ」
「まあ、いいじゃない。卯上の三人とは知り合いなのよね? 話した事ないのは私だけね」
委員長が自己照会してくる。
「大鮫島菖子よ。みんな委員長って呼ぶから、委員長でいいわよ。名字嫌いだし」
背中の半分ぐらいまでの髪を、真ん中でまとめて、真面目そうな眼鏡を掛けている。
「なんか意外だね。あんまり異世界とか信じなさそうだけど」
「自分で体験したことは信じるわ。異世界物のライトノベルは読んだ事ないけど、面白そうだし」昨日の体験は凄かったと少し興奮してる。
引き戸を開けて虎城君が入ってくる。
「あれ、今日はこれないんじゃなかったの?」
「飯堂寺に、言われた通りにいったら、帰してくれた」
悩み事が棚上げになって、ほっとした様子だ。
「揃ったね。みんなに話があるんだ」
緊張しながら、丞は言った。
「実は僕、異世界からきたドラゴンなんだ」
タイトルとジャンルの変更について活動報告に書きました。
心機一転して頑張ります。




