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ゲームクリエイター ~とある少女の冒険譚~  作者: メープル
王都躍動編
89/94

88.迫リクル運命ノ刻

新年2発目の投稿。遅いって言わないでね。

これでも頑張ったんだよ!!

大ボリュームだよぉ!頑張って詰め込んだからさぁ!!

時間が、欲しい。(切実)

「ひとまず、彼の能力については粗方把握できました。必要な書類を作ってくるので先に受付に戻っても大丈夫ですよ」


ギルマスはそう言うと、通路の奥へと歩いて行ってしまった。

何はともあれ、無事に終わって何よりだ。


「私たちも戻ろっか」

「そうですね、ここですることもありませんし」


アッシュ君もこくりと頷いたので、私たちは来た道を辿って受付まで戻る。


道中、アッシュ君とドロテアちゃんの視線はずっと私の左腕に集中していた。

きっと私の腕がちゃんともとに戻っているのか気になっているんだろう。

今のところ違和感は無い。多分大丈夫だろう。


にしても、やっぱり”魔法創造”はチートだったなぁ……

一度見ただけでコピーできるとかおかしいって。あのピンクのぽよぽよしてる可愛い食いしん坊と似たようなもんじゃん。

このままじゃほんとに人外って呼ばれそうなんだけど……

今後のこととか考えて、なるべく穏便に済ませられるなら穏便に済ませたいし、変な噂が出回ると困るんだよねぇ……



……よし、魔法創造(この子)にはしばらく大人しくしててもらおう。

多分、今の私じゃこの子の100%の実力を発揮できないだろうし、周りにこの能力が露呈しても困る。

私嫌だよ?偉い人に捕まって最終兵器みたいな扱いされるの。

そうならないためにも、周りの人に公開する情報は制限していかないとね。


私はこの世界の人間じゃないけど、この世界を滅ぼすための兵器でもない。

この子は、私利私欲のために使っていいものじゃない……と思う。知らんけど。

まぁ困ったときは遠慮なく使うけどね。出し惜しみして負けるとかシャレにならないし。


『…………』

「ん?アッシュ君何か言った?」


ふと、誰かの声が聞こえたような気がして、アッシュ君に声をかける。


「え?僕は何も言ってないよ?」


アッシュ君は足を止めて振り返り、そう答える。


「そう?ならドロテアちゃん?」

「私も何も言っていませんよ?」


ドロテアちゃんも似たようなことを返す。

うーん……気のせいだったのかな?

……まぁいっか。


……そういえば、元の世界って今どうなってるんだろう?

帰ることを目標にしたけど、こことあっちの時間の流れ方が同じなら、既に1ヶ月は経ってるはずなんだけど……


ふと、元の世界のことが気になり始める。

友達は元気にしてるかな?バイト先の先輩は?

……もしこの世界の1日が向こうの1年とかだったら……


私は首をぶんぶんと振り、嫌な考えを振り払う。


……今考えたって、しょうがないじゃない。

今は、前に進むしかないんだから。

大丈夫……きっと大丈夫だから……


私は2人と再び歩き出した。




ーーーーーー


パチリと目が覚める。

体を起こしたところで枕が濡れていることに気が付いた。

……これで3日連続だ。


私は枕元に置いてある写真立てを取る。

そこにあるのは一枚の写真。

私と、”長い黒髪の女の子”が一緒に映っている写真だ。


「なっちゃん……」


目から大粒の涙が零れ落ちる。

ついこの間まで、一緒に話してたのに。

ついこの間まで、楽しく過ごしてたのに。

なんで……どこに行っちゃったのよ……


私がなっちゃんと知り合ったのは小学校の頃。

転校してきて、誰も知り合いがいなくて心細かった時、最初に私に話しかけてくれたのはなっちゃんだった。

あの時のなっちゃんは、まるで天使か女神さまのように輝いていた。

中学も高校も同じところに進学。

一緒に笑って、一緒に泣いて……一緒に……


彼女は、3日前に突然失踪した。

連絡もつかず、家に行ってみても誰もいなかった。

最初に私の頭に浮かんだのは、『誘拐』の2文字だった。

そこからのことは、よく覚えていない。

気が付いたら、家のベッドの上で泣いていた。

その日はそのまま眠ってしまった。


次の日、警察の人が家にやってきた。

なんでも、なっちゃんの交友関係について聞きたいらしい。

私は覚えているだけのことを警察の人に話した。

警察の人が帰った後、私は外に出てなっちゃんを探した。

なっちゃんとよく通っていたゲームセンター、カフェ、なっちゃんのバイト先……いろいろなところを探した。

でも、何も情報は得られなかった。

日が沈み、私は疲れ切った体を引きずるように家に帰り、泥のように眠ってしまった。


そして、昨日。

また警察の人がやってきた。

なんでも、なっちゃんの家を調べるため、一緒に来てほしいらしい。

きっと、親しい仲の人なら何か気が付くかもしれないという考えだろう。

私は快諾した。


なっちゃんの家に着き、警察の人がドアを開ける。

中は荒らされた形跡もなく、私が最後に来た時と全く変わっていなかった。

なっちゃんの両親は、事故で亡くなってしまったと、なっちゃんから聞いたことがある。

だから、この家には1人で暮らしているとも言っていた。

なのになっちゃんの家はいつ見ても綺麗なまま。

なっちゃんはかなり綺麗好きだったから、きっと毎日掃除していたのだろう。


警察の人は1階を先に調べるらしい。

私は一足先に、なっちゃんの部屋がある2階へと向かった。

階段を上って左側の部屋……なっちゃんがよく言っていたのを思い出し、少し涙ぐむ。

私は涙を拭き、なっちゃんの部屋に入る。


やはり、なっちゃんの姿はここにはなかった。

あるのは、電源が入りっぱなしのパソコンと、なっちゃんのベッド。

余計なものを置かないのは、相変わらずだ。

……でも、変だな。


私は違和感を覚え、パソコンを眺める。

なっちゃんがパソコンの電源を入れっぱなしにしていたところを、私は見たことがない。

しかも、パソコンの画面は真っ白。

……明らかに何かがおかしい。


私はパソコンを調べ始める。

電源ボタンを押してみるが、反応しない。

私はケーブルを手繰り、コンセントを探す。

コンセントはすぐに見つかった。


……が、プラグは刺さっていない。


ますます違和感を覚え、机の上を調べてみる。

すると、パソコンにUSBメモリが刺さっていることに気が付く。


そこには、『自作ゲーム』と書かれたタグが付いている。

私は興味本位でUSBメモリに手を伸ばし、引き抜く。


直後、『ブツッ』と音を立ててパソコンが暗転。

慌てて電源ボタンを押すが、電源が付かない。

パニックになった私はUSBメモリを手に持ったまま階段を駆け下りる。


そして気が付くと家のベッドに横になっていた。

手には自作ゲームと書かれたタグが付いたUSBメモリ。


「やっちゃったぁ……」


背筋をつうと冷や汗が伝う。

これって捜査妨害とかになっちゃうのかな……

返しに行った方が……


直後、私の頭の中に閃光が走る。


失踪したなっちゃん、なっちゃんの部屋で見つけたUSB……

……無関係だとは思えない。


「……よし」


私は自室に置いてあるパソコンにUSBメモリを差し込む。



「……なに……これ……」


読み込みが終わり、パソコンに表示された文字を見て、驚愕する。


そこには、こう書かれていた。


――――――

川上夏:テストプレイ中

テストプレイに参加しますか? Yes/No

――――――

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