表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームクリエイター ~とある少女の冒険譚~  作者: メープル
王都躍動編
88/94

87.素材変化

「ナツさん、お見事です」


そう言いながら、ギルマスは手を叩きながら私に近づいてくる。


「お見事、じゃないですよ!アッシュ君が頭から落ちたらどうするつもりだったんですか!」

「ぶつかる前にナツさんが飛び出すと思っていたので特に何も?……あぁ、もし飛び出さなかったらこの床の素材を柔らかいものに変えていました」

「素材を変えるってそんな無茶苦茶な……って、素材を変える?!」

「ええ、この程度の大きさのフィールドなら私の魔法(素材変化)で鉄だろうと水だろうと、私の知っている物質なら自由自在です」


トンデモ発言を連発するギルマス。

素材を変えるってもうそれ錬金術じゃん。

しかも知っていればって……いくら何でも無茶苦茶過ぎない?


「あ、もしかしてさっきの電撃も……!」

「ご名答。こっそり床の素材を鉄に変えてました。まさか空を飛んで回避されるとは夢にも思いませんでしたが……」


どおりでおかしいと思ったよ!

遠目じゃ素材の変化なんて太陽光の反射具合くらいしか見極めるのは難しい。


……というか、なんで鉄なんだ?

電気を通すだけならアルミとか銅とか使えば少ないエネルギー消費で済むのに……


……いやもしかして……アッシュ君の冷気を利用した……?



あ、金属が電気を通すことは、みんな知ってるよね?

だから、鉄は電気を通しはするんだけど……実は鉄って電気が他の金属たちに比べると若干通りにくいんだ。

それなら流す電気の量を増やせばいいって思うかもしれないけど、そうすると使うエネルギーが増えちゃうから、消耗が早いの。


んで、ここからが私の仮説。


1つは、この世界で電気が通りやすい物質、もしくはギルマスの知っている電気を通しやすい物質が鉄しかない説。

ただ、正直この説が正しいとは思えない。

ギルマスって立場なら、多方面から絶えず情報が入ってくるはず。

それだけ情報があれば、電気の通りやすい物質の情報なんてたくさん集まってくると思うの。

だから、さすがにそれはないんじゃないかなぁ……


というわけで2つ目。アッシュ君の冷気を利用して超電導を狙った説。

超電導っていうのは金属とかを極低温まで冷やすと起こる現象で、簡単に言えばめちゃくちゃ電気が通りやすくなるの。

戦闘時、アッシュ君は体から冷気を放ってた。

それがどれだけ冷たいものかわからないけど、一瞬で訓練場の温度を真冬並みにまで冷やしたんだから、生半可な温度じゃないはず。

だから、ギルマスはそのアッシュ君の冷気を利用して超電導を起こして、少ないエネルギーで訓練場の床を覆うくらいの紫電を発生させたんだと思う。


このギルマス……恐ろしい……


「あの……その『素材変化』……?って何にでも使えるんですか……?」


私が考え事をしていると、ドロテアちゃんがギルマスに質問する。


「そうですね……手の内はあまり明かしたくないのですが……特別ですよ?」


ギルマスはそう言うと、着ていた服の左袖を捲り始める。

そして、露出した左手にギルマスが右手でチョンと触れると、左腕は金属特有の光沢を帯びていく。


「……はい、こんな感じで人体にも問題なく使えますし、その辺に落ちてる木の棒とかでも使えますよ。……まぁ魔力の消費が大きいのが欠点ですが……」


ギルマスがもう一度左腕に触れると、ギルマスの腕は元に戻った。


「すごいですね……」

「やろうと思えば何でもできますよ。むしろナツさんになら使えるのでは?」


そう言いながら私を見つめるギルマス。

……え、私これできるの?


「……正気ですか?」

「正気ですよ失礼ですね。多分ナツさんの能力を使えばできると思いますよ。それこそ、あなたの能力をフルで使うことができれば、一度見た魔法をそっくりそのままコピーすることだってできるはずです」


……なんやて?

多分ギルマスが言ってるのは私の『魔法創造』のことを言ってるよね……?

ちょいちょい、そんなのできたらチートだよ?

何でもコピーなんてそんなぶっ壊れたことできるわけ……


私は半信半疑で、自分の左腕が金属になった場面を想像する。

すると、私は左腕に違和感を覚える。

なんというか……重い?


私は左腕がどうなっているか確認するため、視線を左腕に移す。


「ほら、できたじゃありませんか。しかも腕に触れずに」

「ナツすごい!」


そこには、金属光沢を帯びた私の腕があった。

触ってみると、元から金属だったかのようにカチカチになっている。

でも、温度は私の体温と同じだ。触ると若干温かい。

……私の体内組織どうなってるんだろう問題については考えないでおこう。


……てかチートじゃん。こんなの。

ほんとにコピーできちゃうのかよ!ぶっ壊れじゃんか魔法創造!!


「ほんとにできちゃった……」

「私もびっくりですよ。まさか本当にコピーされるとは……一応私のオリジナルなんですよ?この魔法」


私は左腕に力を込め、動かせるかどうか確認する。

力を入れると、腕は私の思うように動く。

手を握ったり開いたりするのはもちろん、普段通りの動きは余裕でできる。

しかも、思っていたより魔力の消費が少ない。

左腕だけなら、今の私の魔力でも30分くらいなら持ちそう。


「あれ、これ戻すときはどうしたら……」

「戻すときは元の素材に戻すイメージでやるとやりやすいですよ」


元の素材に戻す……

私は元のような腕に戻る様子を想像する。

すると腕の違和感はだんだんなくなっていき、やがて完全に消滅した。


「ふぅ……」

「お見事です」


こうして私は人外への第一歩を踏み出したのだった。



……って誰が人外だ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ