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ゲームクリエイター ~とある少女の冒険譚~  作者: メープル
王都躍動編
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83.報・連・相

王都から移動すること3日。

この3日間は本当に何もなかった。

魔物にも会わないし、盗賊のとの字もなかった。

まぁとにかく、私たちは無事にグレイシアに戻ってきた。


「ここまでありがとうございました。おかげさまで無事にたどり着くことができましたよ」

「いえいえ、護衛って言ってるのにほぼ何もできなくて申し訳ないです……」

「はは、まぁ戦闘はないに越したことはないですからね。返り血が商品についたりしたら売り物にならなくなってしまいますから」


商人さんはそう言ってくれるけど、何もできてないのは事実だし……もう少し色々できるようにならないとなぁ……


「では、報酬をお支払いしますね。3,000ゴールドでどうでしょうか?」


3,000ゴールドってことは……簡単な防具が買えるくらいの金額ってことかな?

まぁ戦闘もなかったし、これくらいが妥当なんじゃないかな?


「はい、それで大丈夫です。私が特に何かしたってわけでもないですし……」

「いやいや。護衛はあくまで襲われないための保険みたいなものですからね。決して役立ってないというわけではありませんよ。そんなに自分を卑下しないでください」

「わ、わかりました……」


私は思ったことを口にしただけなんだけど、商人さんからしてみれば自己否定が激しいって受け取られちゃったみたい。

う~ん……もう少しもらえるものはもらっておく精神で行った方がいいのかな?厄介ごとをもらうのはごめんだけど。

……まぁ今考えてもしょうがないよね。


私は商人さんにお礼を言って報酬を受け取り、そのまま街の中央へと3人で歩き出した。

一応帰還報告はしておいた方がいいよね。報・連・相は社会のマナーなのだ!




「……なるほど、王都でそんなことが」


屋敷に着くと、あっという間に応接室まで通された。

一瞬暇なのかもと思ったけど、きっと私たちのために仕事の時間を無理やり削ってくれているのだろう。

私は勇者に会うことができなかったことをスーシャさんに話した。


「詳しい事情は私にもよくわかりませんが、そこまでぞんざいに扱われたとなると少し腹が立ちますね」


スーシャさんもこの対応に納得してないみたい。

そりゃ、会ったこともないのにいらないとか言われてはいそうですかってなるわけないもんね。


「はい、なのでどうにか見返してやろうと思って……」

「その案に対しては私も賛成です。ですが何か作戦があるのですか?」

「とりあえず、しばらくの間は冒険者として過ごしつつ情報を集めようと思います。もしかしたら()()()()についての情報も手に入るかもしれませんし」

「目的……あぁ、そういうことですか。だとしたら私が反対する理由はありませんね」


お、許可が降りたみたい。


「ですが安全面には常に気を配ってくださいね?」


おぅ……にこやかな圧、再び……


「わ、分かってますよ!さすがに無理したりさせたりしませんから!」

「ならよし。……あと」


スーシャさんはドロテアちゃんの方を少し見て、私に向き直る。


「見知らぬ顔が増えているようですが、そちらの子は?」

「えっと、そのぉ……」


う~ん……なんて説明すべきかな……

私の従者ですだなんて簡単に説明できないし、全部話した方が……


「お初にお目にかかります。ナツ様の従者のドロテアと申します。ナツ様にはわけあって命を救われたため、私の命に代えても守り抜く所存です」


あっ……ちょっ……


「ほう……命を救われたと?」


スーシャさんはにこやかな笑みを浮かべながら私に向き直る。

それだけで、私の背筋に冷たいものがつうと伝う。


「詳しく、話してくれますね?」

「ふ、ふぁい……」


私はスーシャさんに気圧されながら、王都での出来事をすべてスーシャさんに話す。


「えっと……向こうで色々あって人攫いに捕まって、牢に閉じ込められて、その牢でドロテアちゃんと出会ったんです。それで、何とか脱出しようとして……」

「ちょっと待ってください。人攫いにはどこで攫われたのですか?」

「え、えっと、城下町で、です」

「ふむ……」


スーシャさんは少し考えこむと、「話を続けてください」と先を促す。


「えっと、脱出まであと少しってところで魔王軍の幹部を名乗る魔族と交戦状態になって、アッシュ君の助けがあって何とか撃退することができた……って感じです」

「なるほど……」


スーシャさんはまた少し考え、アッシュ君に質問する。


「アッシュ、その魔族と戦った場所がおおよそどのあたりだったかわかりますか?」

「ん~と……大体お城の真下くらい……だと思います」

「……なるほど」


スーシャさんが何を考えているのかはわからないけど、とりあえず解散ということになった。




ナツたちが応接室を後にしてから数分後。


「ふぅ……」


少し大きめのため息をつきながら、スーシャはパンパンと手を2回叩く。


「お呼びでしょうか」


間髪入れず、扉の方から声が聞こえる。


「先程の話、聞いていましたか?」

「もちろんです」

「城の地下、及び王の周辺について調べてください」

「御意」


その声を最後に、扉の向こうの気配は消えた。


「さて……一体どうなるでしょうか……」

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