77.秘密裏の戦い
短めで申し訳ないです………
あまり体調が優れず……
「ん~…………」
少し眠い目をこすりながら、私は上体を起こす。
腕が自由に動かせるということは、アッシュ君とドロテアちゃんの腕枕から解放されたということだろう。
2人はどこに行ったんだろう?
ふわぁ、と少し大きめのあくびをしながら、軽く伸びをする。
眠気のせいかうまく頭が回らない。
私はこの眠気をどうにかすべく、洗面台へと向かう。
王宮が用意してくれた宿というだけあって、かなりいい宿だということがわかる。
ルームサービスもついているし、部屋にはバスルーム、洗面台などの設備がある。もちろん鏡付き。
雑誌のようなものもあるし、退屈な時間をつぶせるくらいのグッズは揃っている。
〇パホテルみたいだね。この世界で言っても伝わる人いないだろうけど……
どうしようか悩みながら、冷水で顔を洗う。
水はルームサービスで持ってきてもらった。さすがに水道管はないらしい。
「ふぅ……」
思ったよりも冷たかったけど、おかげで頭がしゃっきりとした。
私は顔を上げ、鏡を見る。
そして、ひゅっと息を呑んだ。
いつの間にか、私の真後ろにドロテアちゃんが立っていた。
しかも様子が明らかに普通ではない。
心臓がバクバク鳴っているが、私の頭は驚くほど冷静だった。
「ど、ドロテアちゃん?どうかしたの?」
明らかに他に聞くべきことがあるはずなのに、こういう状況で明らかに聞いてはいけないことを聞いてしまった。
やはり頭も冷静ではないらしい。
「い、いえ別に?ただ通りがかっただけですよ?」
目が泳いでいるので一瞬で嘘だと分かった。
「そ、そんなことより、せっかくなので髪を梳かしてあげます!」
いつの間にかドロテアちゃんの手には櫛が握られていた。
じり……じり……と近づいてくるドロテアちゃん。
その姿はどこか狂気じみているようにも見えた。
その気迫に押され、私もじりじりと下がる。
が、ここは洗面所。逃げるスペースはほとんどない。
と、その時扉を開けアッシュ君が中に入ってきた。
明らかに怯えた私と、櫛を持って私に近づくドロテアちゃんという奇妙な状況を見て、ある程度の状況を察してくれたらしい。
アッシュ君がドロテアちゃんの耳元で何かを囁くと、ドロテアちゃんはハッとしたような表情を浮かべて、そそくさと逃げて行ってしまった。
「あ、ありがと…………」
いまだに心臓がバクバクと鳴っているが、何とか危機的状況を脱せ他ことに安堵しつつアッシュ君にお礼を言う。
アッシュ君は少し顔を赤らめながら、何も言わずにどこかに行ってしまった。
少し照れてるところも可愛い。
というか……さっきのドロテアちゃんは何かあったのかな?
裏でアッシュとドロテアがナツの所有権を争っているとは考えもしないナツであった。




