75.謝罪
「本当に申し訳ない!!」
地下牢を脱出してから数十分。
私たちは巡回していた兵士さん方に発見され、再び王宮を訪れていた。
王宮に入ってすぐのところにアリシアさんが立っていて、私たちを見つけるや否や全速力で駆け寄り、ものすごい勢いで頭を下げた。
どういうことか聞いてみると、アリシアさんは話せる範囲で色々なことを教えてくれた。
そういうことが聞きたかったんじゃないけど、話の腰を折るのも失礼だと思ったから特に何も言わなかった。
曰く、すべての事の発端は1つの『奴隷商会』だそう。
この国では基本的には奴隷などは原則禁止となっている。
しかし一部の富裕層に人気があることから、検問の目を誤魔化して商品を運び込み、闇市等で売りさばくといったことをしている組織がいくつかあるんだとか。
巡回の兵を増やしたりしたがあまり効果はなかったそうで、王宮側も手を焼いていたそう。
そんな中、奴隷商会のうちの一つが突然姿を眩ませたそう。
最初は、この街から撤退したのではないかとあまり気にしていなかったらしい。
でもその商会の行方が分からなくなった以降、この街で少女が行方不明になる事件が多発し始めたらしく、時期が一致することもあってその消えた商会が裏で動いているのではないかという説が浮上し始めた。
ただそれを確かめるすべはなく、できることと言えば巡回の兵を増やすことくらいだった。
そんな最悪のタイミングで私が現れたとのこと。
おそらく最初にアリシアさんに鑑定された時点で私が異邦人だということはバレていたはず。
それに、この世界で黒髪はかなり珍しいということもあって、異邦人ということ抜きでも狙われる可能性は十分あった。
アリシアさんは説明する中で私が異邦人だって言っているわけじゃないけど、おそらくアッシュ君もドロテアちゃんも私が異邦人だってことは話の流れから察しているんだろう。
まぁ私が異邦人じゃなくてもアッシュ君たちのことだから特に何も変わりなく接してくれると思うけど……
…………おっと、話がそれたね。
話を戻すと、これ以上犠牲者を出したくなかったのと、正式な客人を誘拐されようものなら王宮としての面子が丸つぶれということもあって、私の保護計画が少しずつ進められていたらしい。
が、結局のところ私は連れ去られてしまい、アッシュ君がいなければ取り返しのつかないことになっていたかもしれない…………と。要約するとそんな感じかな?
別にアリシアさんが謝る必要はないと思うんだけどなぁ……だまされたっていうか連れ去られたのは私の責任だし…………
そのことをアリシアさんに伝えても、
「今回の一件はこちらの責任だ。ナツ殿が謝る必要はない」
の一点張りだ。
っていうかナツ殿って何よ………普通に今まで通り接してくれていいんだけどなぁ……
色々考えていると、ドロテアちゃんが私の耳元で、
「あちら側が責任を取るって言ってるんです。変に拗らせないほうが後が楽ですよ。それに……王宮が責任を取るって言ってるんですよ?猶更拗らせないほうがいいに決まってるじゃないですか」
と囁く。
ドロテアちゃん…………さてはあなた意外と腹黒いタイプだね?




