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ゲームクリエイター ~とある少女の冒険譚~  作者: メープル
王都躍動編
71/94

70.明らかにやばい!

ねっとりぐちょぐちょした床の上で、私たちは明らかにやばそうなやつに遭遇してしまった。

いや、最初からこうなるのは決まってたのかもしれない。

明らかに部屋の作りがボス部屋だし。あいつ浮いてるし。絶対ボスじゃん。


「……ナツ、これは非常に分が悪いですね」


動きにくい中、ドロテアちゃんが何とか私の隣まで歩いてきてそういう。

実際その通りだ。

こんなに動きにくかったらまともに回避もできないし、私の素早さを全く発揮できない。

元からそこまでスタミナがあるわけでもないし、こんな状況で持久戦とかになったらこちらに勝ち目はない。

いくらドロテアちゃんがいるとはいえ、戦うにも限度がある。


私がそんなことを考えていても、全く戦闘が始まる気配がない。

何か嫌な予感がして宙に浮いていたあいつの方を見る。


が、そこにあいつの姿はなかった。


いったいどこに行ったのかと慌てて探すと、ドロテアちゃんが私の肩を叩き、奥の扉の方を指さす。


扉の方を見ると、部屋の中心付近にあいつが座り込んでいる。

しかも、時々「ふへへ……」という声が聞こえてくる。

どうも様子がおかしい。


警戒していると、突然ドロドロねちょねちょの床にあいつが背中から倒れこんだ。

そしてそのままフローリングでゴロゴロするかのようにして、泥を全身に付着させていく。

さっきからやってることが意味不明過ぎて頭の中が『???』でいっぱいだ。

ドロテアちゃんもかなり困惑しているように見える。


すると、突然あいつがゴロゴロするのをピタッとやめ、寝転がったまま宙に浮かび上がりながら体制を起こし、私の目の前まで一気に間合いを詰めてきた。


「………っ?!」


避けようとしたが、泥のせいでうまく動けない。

攻撃に備えて身構えたが、何を思ったかあいつは私の目の前で止まり、私の顔をじっと見つめている。

全身泥まみれなのに、泥なんて存在していないかのようにひたすら私を見て、少し考えた後満足げな笑みを浮かべて、


「……合格」


と一言呟いた。

どういう意味なのか全く分からず、思わず尋ねる。


「ご、合格……?」

「うん、合格。あなた、私のお友達になってよ」


一瞬何を言われたのか理解できず、ポカンとしてしまう。

しかもこいつ、ドロテアちゃんの方を見向きもしない。


てか、近くで見るとすっごいちっちゃいな……

15……いや、140cmってところかな?こいつっていうよりこの子って言った方がよさそう。


……ってそうじゃなくて。

とりあえず、「お友達」とはどういうことか尋ねてみる。

すると、少し考えた後、簡単に説明してくれた。


「んと、一緒に泥で遊ぶの。一緒に泥で遊ぶ人がいなくて困ってたの」


…………え?

この子ほんとに最初に声かけてきたやつと同一人物?

ぜんっぜん雰囲気違うんだけど……


てかあなたさっき私たちのことおもちゃとかなんとか言ってたよね?

絶対使いつぶされるやつじゃん!

第一なんでこんなドロドロねちょねちょした泥にまみれて平気でいられるのかな!!

嫌!!ぜっっっっっっっっっっっったい嫌!!!


私は首を全力で横に振る。


「そう…………なら、そっちの子はどう?」


しょんぼりしながらも、ドロテアちゃんに話しかける女の子。

だけど、ドロテアちゃんも私に負けないくらい全力で首を横に振る。


「そっか…………ならやっぱりお人形さん(コレクション)にするしかないか…………」


しれっと恐ろしいことを言う女の子。


そして無造作に手を叩く。

次の瞬間、扉の前にあったオブジェが人のように動き出す。


「自己紹介してなかったね。私は……アヤメ。魔王軍幹部。抵抗しても無駄だよ。おとなしく私の『お友達』になるか、私のお人形さん(コレクション)になってよ」

戦闘に入れなかったぁ……

次回戦闘入れます。

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