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ゲームクリエイター ~とある少女の冒険譚~  作者: メープル
グレイシア領編
51/94

50.レベルをあげよう!part6

私は朦朧とする意識の中、自分の体に目を向ける。

ドラゴンに噛みつかれた私の体は深く抉れて、血が吹き出していた。

貫通しなかったのは奇跡と言って良いだろう。


……ゲームなのに…血なんてあったんだ……


命の危機が迫っているのを自覚しながら、私はそんなことを考える。

今までは傷が浅いものが多かったから、血が流れるなんてことがなかったからだ。


私はふと、体力を確認する。


------

名前:川上夏

体力:2/70

------


私の体力はかなりギリギリまで減っていた。

体力がゼロになるまでは……死なないのかな?

そもそも、この体って本物なのかな……?


この血は本物なのかな……?


今まで、考えもしなかったようなことが次々と浮かんでくる。

……私、ここで死ぬのかな……?


死んだら、どうなるのかな……?


この体が仮のものだとしたら、本来の私の体はどうなっているんだろう……?


やっぱり、仮死状態とかになってるのかな……


私の友達は……元気にしてるのかな。



誰かが走り寄ってくる気配がした。


シンさんかな?……おそらく私は助からないんだろうなぁ……

アッシュ君と一緒に旅をしたかったけど……どうやら無理そうだね……


だんだん……意識が………



薄れゆく意識の中、最後に私が見たのは”金髪で碧眼の女性”だった。

そして、私の意識は闇の中へと飲み込まれ……



なかった。


「……ん……?」


視界が急激に晴れていく。

体に感じるのは、いつか感じたような”暖かさ”。

これは……回復魔法……?


「ふぅ……これで窮地は脱したはずです。じきに動けるようになるでしょう」

「ギルマス……!ありがとうございました!」


聞こえたのは、知らない女性とシンさんの声。


……ギル……マス……?

なんで…ギルマスがここに……?

あ……ダメだ意識が……


私の意識は、闇の中に落ちていった。




「しかし、驚きましたよ。ドラゴンと戦ったのは聞いていましたが、まさかたった3日で討伐してしまうとは」

「ナツのおかげですよ。あの子がいなかったら、僕たちのパーティは壊滅的な被害を受けていてもおかしくはなかったですし、トドメをさしたのもあの子ですよ」

「そのようですね。いやはや、報告で聞いてはいましたがここまでとは……」

「ええ、僕も驚きました。まさかあのドラゴンを同士討ちにまで持っていけるとは……。僕の攻撃が通らないと見るや、命の危険を犯してまで動く判断力と瞬発力。そして、ダメージを負っているにも関わらず、あきらめず最後まで戦い抜く精神力。……僕たちにないものばかりですよ」

「そうですね、彼女からは見習うべきところが多いように感じます。目を覚ましたらお礼を言わなければ」

「お礼、ですか?」

「はい。実は……ここ最近、街道にドラゴンが現れたという報告が多発していたんですよ」

「……それって」

「ええ、おそらくあなた方が戦ったドラゴンです。我々も手を焼いていて、近いうちに討伐隊を編成する予定だったんです。ですが、ここで倒してくれたのでその必要がなくなりました。街道は多くの人々が行き来しますからね。これで被害も収まるでしょう……」

「なるほど、僕たちの後ろでそんな大きな話が動いているとは知りませんでした」

「どちらにせよ、こんなに大きな傷を回復魔法で完全に塞ぐのは不可能です。しばらく後遺症が残るとは思いますが……まぁ、スーシャ様ならなんとかなさるでしょう」


そんな話が行われている中、ナツは静かに寝息をたてるのであった。

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