34.決闘
そして時は流れ……
日は西に傾きつつある。
スーシャさんたちは身支度を済ませていて、いつでも出発できそうだ。
そのなかには、アッシュ君の姿もある。
とても辛そうな顔をしているのが分かる。
……やっぱり、あいつが言ってたことは間違ってないらしい。
てことは、やっぱり対人も……
……とりあえず、声をかけよう。
何はともあれ、声をかけないことには始まらない。
判断するのはそこからだ。
「あ、あの!私もアッシュ君についていきたいです!無理なお願いだとは思いますが、どうか!検討していただけないでしょうか!」
自分でも驚くほどはっきりと、大きな声が出た。
元の世界でも、こんなに大きな声が出たことはなかったのに……
「はい、別に構いませんよ」
…………え?
あまりにも即答過ぎて、一瞬思考が止まった。
「スーシャ様、しかし……」
「なんですか?戦力としては申し分ありませんし、面倒見のいい方ですので断る理由がないと思いますが?」
護衛の人が何か言おうとしたけど、スーシャさんがそれを遮った。
「いえ、スーシャ様はご存知なのかもしれませんが我々は彼女の戦闘力を知りません。ましてや……」
「あら?私があなた達に嘘をついたことがありますか?」
おおう……
スーシャさん、なかなか意見を曲げないなぁ……
こちらとしてはありがたいけど、少しは聞いてあげても……
「……わかりました。ですが他の皆を納得させるため、彼女の力を計ったほうがいいかと」
「……そうですか。では、あなたが相手しなさい」
そう言って指名したのは、一番ガタイがいい護衛の人。
……鬼か!
斯くして、私と護衛のおじさんの戦いが始まろうとしていた。
「まずは詫びよう。私が話をこじらせてしまったせいで、君を戦いに巻き込むことになってしまった」
といい、頭を下げる護衛の人。
結構几帳面な人みたい。
「だが戦いとなっている以上、手加減はできん。本気で戦わせてもらう」
うん、そうだろうとは思った。
手加減なんて甘えだし、全力じゃないと実力は正確に計れない。
ピロン
軽やかな通知音と共に、私の目の前にステータス表示に似たディスプレイが表示される。
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決闘の申し込みを受けました。
受理しますか? Yes/No
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……決闘。
ゲームでPvPが行われる時とかに目にはしてたけど、まさかこの世界にもあるなんて……
勿論、Yesだ。
選択した瞬間、私達を中心とした半径10mほどの光のドームが現れる。
多分、この中から出たら負け……みたいなものだろう。
「では、始めようか。我が名はグレイシア家親衛隊が隊長、アーロン!いざ、尋常に勝負!」
た、隊長ぅ?!
絶対強いじゃん!
私はスーシャさんの方を見る。
ふいっ
静かに顔を背けられた。
さては……見て楽しもうとしてるな?!
は、嵌められたぁぁぁぁあ!
いつもコメントなどありがとうございます!
しっかり全部読んで返信させて頂いております!
とても元気が出ますので、今後も応援よろしくお願いします!




