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私たちの監督は14歳で、かなりヤバいっ!!  作者: フムフム竜
小学生編
68/74

第68話 河西vsマリー&モニカ

第3クォーターを終えて61対64の3点差を追う展開。


2分間の休憩時間に入る時、あぁぁぁっ!?という声が聞こえた。


声の主はマリーで、負けているという展開にかなりご立腹の様子。


マリー「ちょっと!!負けてるってどういうこと!?強いのは1人であとはゴミしかいないって聞いたわよ!!まさかアンタ達、そのたった1人に負けてるわけ!?」


モニカ「まぁまぁマリー。落ち着きまショウ。こういう展開の方が私たちとしてはやりがいありマ~ス」


現れたマリーとモニカの身長に敵チームもかなり困惑する。


選手3「なによ、あのデカい奴ら」


選手4「中学生か・・・それとも高校か?」


マリーがクルッと振り返り敵チームの方へと向かう。


マリー「失礼ね!!こう見えてもアタシたちは9歳。小学4年生よ!!」


モニカ「よろしくデ~ス」


選手1「嘘だろ!!そのデカさで小学4年かよ!!こんなデカいの河西と黒崎だけかと思ったぞ!!」


マリー「甘いわね。世界中探せばアタシたちみたいなのはたくさんいるわよ」


アスラ「無駄話はいいからさっさとこっちへ来い」


マリー「わかってるわ」


アスラたちのところへ戻る間際、河西とすれ違う。


マリーはそこでピタリと足を止めた。


マリー「アンタが河西ってのね。その体格もそうだけど雰囲気でわかるわ」


河西「あらあら私(わたくし)もずいぶんと有名になったものですわね」


マリー「宣言しておくわ。この試合が終わる頃にはそのお高くとまった口調を見事に変えてあげるわ」


河西「ふふふ、それよりあなたが試合が終わるまで立っていられるかしらね」


試合再開前に火花を散らすマリーと河西。


ベンチに戻り、マリーはアスラに提案する。


マリー「アタシ、1人でアイツをマンマークするわ。やらせてちょうだい」


全員「えぇっ!?」


さすがに全員が無理だと思った。


にもかかわらずアスラはマリーの提案をあっさり受け入れる。


アスラ「モニカは真野と交代で入れ。自陣のゴール下で待機だ」


モニカ「了解デ~ス」


そして最終クォーターを迎えた。


作戦通りマリーは河西をマークする。


河西「あらあら私をあなたが、お一人で?先程の変な御方を背後に付けた方がよろしいのでは?」


マリー「そんなのはいらないわよ。アタシ1人で十分」


河西「ふふふ、ずいぶん威勢がいいですわね。そんなあなたをぶち壊す瞬間を想像するだけで興奮いたしますわ」


マリー「この変態お嬢。その腹立たしい口、すぐに黙らせてやるわ」


河西「ふふふ」


河西は自陣でパスを受け取るとそのままボールを放った。


マリー「はぁ?アンタ一体どういう・・・」


マリーの言葉を遮るようにガコンッと音を立ててボールはそのままゴールネットを通り抜けた。


河西「ふふふ、さすがに言葉も出ないようですわね」


マリーは特に驚いた反応もせず、スタスタ自陣のゴール下まで歩く。


マリー「貸してモニカ」


モニカ「イエ~ス」


マリー「そんなんで・・・得意気になってんじゃないわよ!!」


モニカからボールをもらったマリーは河西と同様に投げ見事に入る。


その瞬間、全員が声をあげて驚いた。


マリー「ふんっ、あんまりアタシたちを舐めないでちょうだい。あのぐらいだったらモニカにだってできるんだから」


衝撃の発言に周りはざわつく。


風谷「あ、あのぐらいって・・・そんな簡単にできるもんじゃないだろ」


森「普通は入っただけで奇跡なんやで」


中山「もう笑うしかできない。何なんだろうこの異次元レベル」


河西「ふふふ、やりますわね。さすがにイリーナの代わりに出てきただけありますわ。でしたら・・・これならどういたしますか?」


河西は再びボールを投げる構えを取る。


マリー「バッカじゃないの?アタシに同じ手が通用するわけないでしょ」


森「飛んじゃダメや!!イリーナもそれでやられたんやで!!」


森の助言を無視してマリーは黒崎と同様にジャンプしてシュートコースを塞ぐ。


河西「ふふふ、もう遅いですわ。あなたもイリーナと同じベンチで眠っていたただきますわ!!」


右腕から放たれた剛速球がマリーの顔面を襲う。


マリー「ぐっ!?」


黒崎とは違ってバゴッと鈍い音が響く。


マリーも黒崎と同様に顔を抑えて倒れ込んだ。


全員「マリー!!」


河西「ふふふ、また1人・・・」


マリーと衝突したボールはそのままゴールへ・・・


河西「!?」


ボールはリングの奥の方に当たり危なくゴールから転げ落ちるところまで行ったがギリギリで入る。


河西「(ど、どういうことですの・・・)」


風谷「マリー!!大丈夫か!!」


森「だから飛ぶなって言うたやん!!なんでウチの言うこと聞かんねん!!」


マリーは無言で掌(てのひら)を森に向ける。


森「な、なんや?」


マリー「アタシは大丈夫よ。かなり痛かったけどね」


マリーの額は赤かったが、黒崎のように腫れあがってはいなかった。


ゆっくりと立ち上がるマリーに敵チーム・・・特に河西は目を見開く。


マリー「あら?アンタでもそんな顔するのね?人間味があっていいんじゃない?」


河西はふふっと笑う。


ただ明らかに無理をしているのはわかる。


河西「なかなか言ってくれますわね。ですけどそんな強がりがいつまで続くか見物ですわ」


モニカ「それではマリーが強がりかどうか見ていただきま・・・ショウ!!」


今度はモニカがボールを自陣から投げてゴールを決める。


信じられない出来事のはずなのに、もはや誰も驚くものはいなかった。


マリー「さぁかかって来なさいよ。アタシは逃げも隠れもしないわよ」


河西「いい覚悟ですわね。その意気込みだけは称えて差し上げますわ」


竹中「(これ普通に退場もんだけど、アスラくんに止められてる以上ここは黙って見ているしかない)」


河西「今度こそ・・・終わりですわ!!」


マリー「それはこっちのセリフよ!!」


河西の渾身のボールがマリーの顔面に入る。


バァァァァンッという音と共にマリーが吹き飛んだ。


河西「手応え・・・ありましたわ」


チラリとボールの行方を追う河西。


ボールはリングを・・・通らず、バックボードに当たる。


河西「え?」


モニカ「力が僅かに入ってしまったみたいデスネ」


ボールを捕ったモニカがそのまま決めて70対70の同点に追いついた。


マリー「ふふ」


マリーの笑い声に河西の身体が一瞬ビクッとなる。


河西が後ろを振り返るとそこには額を抑えながら立ち上がるマリーの姿があった。


河西「な、なぜ・・・ですの」


マリー「あら?もしかしてビビってるわけ?」


河西「あ、あり得ませんわ。私(わたくし)のボールを2度も喰らって立ってられるなんて」


マリー「アンタ・・・負けたら最強の野球選手を強制的に目指すことになるんでしょ?こんなことでビビってたらこの先持たないわよ?アスラ兄ちゃんなんかアタシの比にならないくらいヤバいんだから」


河西はチラリとアスラの方を見る。


河西「まぁ・・・只者では無いことくらいわかっていましたわ。ですが彼もあなたも・・・野球の現実を知らなさ過ぎますわ!!」


河西は合図を出し、相手チームが例の動きでパスを待つ。


ボールはギュルルルルルと音を立てながらモニカの待つゴール下まで一直線に進む。


モニカ「ようやく私の出番デ~ス」


風谷「大丈夫か!!あのボールの回転・・・半端ねぇぞ!!」


中山「弾いても相手に渡っちゃうし、あのパスをどうやって防げば・・・」


モニカ「防ぐ方法はただ一つ。ボールを見事キャッチすることデ~ス」


森「それが出来れば苦労はせぇへん!!」


モニカは表情を引き締め、ボールを待つ。


ボールは手元でモニカから逃げるように変化し、それを捕ろうと飛びつき右手を伸ばす。


思い切り伸ばした右手はボールに届くが凄まじい回転がモニカの掌をえぐる。


モニカ「ぐっ!?」


顔を引きつらせながらもボールの回転を抑えようとするモニカ。


ボールの回転は徐々に弱くなっていく。


そしてついに・・・回転が止まった。


この試合で始めて河西のパスを止めた瞬間だった。


風谷「おぉぉぉぉぉ!!すげぇぇぇぇ!!」


森「ついにあのバケモノパスを止めたで!!」


中山「これで向こうの攻撃手段は完全に封じた!!」


真野「いける!!このまま行けば絶対勝てます!!」


歓喜の喜びをあげる一方で常盤孤児院の面々は絶望の表情になる。


選手1「嘘だろ・・・こんなこと今まであったか?」


選手2「夢か?夢を見てるのか?」


選手3「夢に決まってるじゃない。これまでの試合の出来事を見ても現実のプレーなんて一つもなかったわ」


選手4「それより・・・」


視線は河西の方へ。


河西は下を向いたまま黙ったままだ。


モニカ「おっとまだ試合中デシタ」


モニカはボールをヒョイと投げゴールを決める。


73対70とついに逆転した。


河西「(私(わたくし)が・・・負ける?常に勝利を義務付けられそれを遂行してきた私(わたくし)が・・・いや、まだ試合は終わっていませんわ)」


キッと河西はマリーを睨む。


今までで一番の殺気を放っていた。


河西「見せてあげますわ。これが本当の私(わたくし)の・・・ボールですわ!!」


真野「本当のボール?一体今度は何をするつもりなんでしょうか?」


アスラ「今までの投法は相手にぶつけてゴールを決める計算したボール。だが今回は相手を潰すためだけに投げるボールだ。スピードも威力も桁違いになるのは間違いない」


真野「そんなことしたらマリーは・・・」


河西「私(わたくし)をここまで追い詰めたのはあなたが初めてですわ。ですがそれが誤りであることを今から教えて差し上げますわ」


マリー「アンタこそ喧嘩売った相手を後悔するといいわ」


河西「死になさい!!」


マリーの顔面目掛けて投げられたボールはこの試合で一番のスピードだった。


マリー「(確かに速い・・・でもこの程度のスピードなんてアスラ兄ちゃんの近距離ノックより100倍マシよ)」


全員「マリー!!危ない!!」


アスラ「スピードは違えど2度もボールを見たんだ。近距離ノックの最終段階をクリアしたお前の実力を見せるのだ」


マリー「見せてやるわ!!これが近距離ノック最終段階をクリアしたアタシの特訓の成果よ!!」


マリーは河西のボールを避けずに顔面で受ける。


惨(むご)い光景に敵味方が目を逸らす。


しかし・・・


マリー「アンタにそっくりそのまま・・・返してやるわよ!!」


マリーはサッカーのヘディングをする要領で河西の顔面に弾き返す。


河西「がっ!?」


弾き返されたボールは河西の顔面に直撃した。


今までとは比べ物にならないぐらいに激しい音を立て、河西はそのまま吹き飛んで倒れ込んだ。


シ~ンと静まり返る体育館。


マリーは河西の横に落ちているボールを拾い、今までの鬱憤を晴らすような強烈なダンクを決める。


マリー「よっしゃぁぁぁぁ!!ついにやったわよ!!このお嬢の顔面に見事にぶち込んでやったわ!!」


マリーの歓喜の雄たけびにアスラチームも呼応するように声をあげる。


モニカ「さすがマリーデ~ス!!」


風谷「やったぞ!!ざまぁみやがれ!!」


森「これでヤツの殺人バスケを完全攻略や!!」


中山「やった!!これで野球を辞めないで済むんだ!!」


真野「私たちの努力が報われた最高の瞬間ですね!!」


三崎「疲れた」


黒崎「相手のボールをヘディングで返すなんて・・・もう何のスポーツかわからないわね」


ここでアスラがタイムアウトを取る。


盛り上がる中でのタイムアウトに全員の頭に?マークが浮かんだ。


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