温泉地発見。18
何時もお読みいただきありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
「お前、まだ意識があったのか?」
「誰に向かって口をきいている下郎がっ!その汚い手を離せ」
カインの腕に力が入りギリギリと掴んだ腕を握りしめついには、握り切った。ルージュは腕を押さえながら立ち上がったカインを睨みつけていた。そして千切れた腕の部分に力を込め腕を再生させる、それでも呼吸が一向に静かにならない。
「ちっ、面倒な事をしやがって。こいつらが死んだらこいつが悲しむだろうがぁっ!こいつが悲しんだら大変な事になるんだ、その責任はだれが取るんたっての。【復活】
カインが指をはじくと指先から小さな光の球が4つ現れてバルビッシュ、ガーディ、サーシャ、ララに向かって飛んでいった。そして体に吸収されると身体全体が淡く光り傷が塞がり、ゆっくりと呼吸をし始めた。カインはその様子を見て小さく息を吐き安堵の表情を浮かべた。
「カインっ!貴様何者だぁ!」
「ギャアギャアうるさい小物だな、相手してやるからかかって来いよ」
カインの言葉を聞いてルージュはスッと表情を消しゆっくりとカインの方へ歩き出した。そして後五歩と近付いたところでどこから取り出した炎の剣を上段に構えツッコんできた。一気に距離を詰める踏み込みから剣先がぶれる程のスピードで剣を振り下ろす、カインは半歩だけ足を後ろに引き身体を半身にしてルージュの攻撃を紙一重で避ける。
ルージュの剣撃は振り下ろされてから跳ね上がり、逆袈裟に切り上げられた。その一撃もバックステップで躱し指を一本立ててチッチッチッと挑発をする。ルージュはその挑発に乗らずに炎の剣を中段に構えなおし4体に分身をした。
4体のルージュは一斉にカインに切りかかってくる、カインの逃げ場がない様に四方からルージュが切りかかるがカインは悉くその攻撃を紙一重で避け、足に、腕に、腹にそして後ろに回り背に重たい一撃を入れて反撃をした。
軽い攻撃に見えて一撃、一撃がとても重く受けた足や腕は骨折し腹や背には陥没するほどのダメージが与えられた。4体のルージュはよろめきながら1体にまとまり立ち上がると不敵に笑い始める。そして右手の指を一本立てると炎が吹き上がり、段々と丸く纏って直径1m程の炎の球が出来上がった。それでもルージュは【魔力】を供給し続けると炎の色がオレンジから白に変わり温度が爆発的に上がっているのが分かった。
『あれ?なんで僕はこんな所に?僕の身体が動いている?ああ、やっぱり僕死んじゃったんだ…』
《待て待て待て、カイン。お前は死んでいない俺が今お前の身体を使って顕現しているだけだ、だから自暴自棄になるな》
『その声は、もしかしてアレス様?』
《そうだ、アレスだ。お前がこの異空間に連れ込まれてから大変だったんだ、おばあ様、ガーディア様が大慌てで展開中が大騒ぎになった》
『…』
《お前、気づいてないと思うけど称号がガーディア様の寵児になっているからな。ガーディア様はお前を本当の孫だと思っているぞ。だから万が一にでもお前が怪我をしたりしたら天があれるんだ。もう少しで終わるからちょっと待ってろ》
アレス神はそう言うとカインとの会話を打ち切りルージュとの戦闘に集中した。カインはルージュが生み出した炎の球を俯瞰の位置で見つめていた。カインの目にもその炎の球にはとんでもない【魔力】が込められてるのが分かる。
《そう、不安がるな。お前の仲間にはちゃんと【バリア】が張ってある》
カインの不安が伝わったのかアレス神が直ぐに答えてくれた。アレス神の力強い言葉にカインは安心して戦闘を見守ることにした。カインとアレス神が会話をしている間に炎の球は直径3m程迄大きくなっていた。
「これを見て怖気づいたか、これだけの【魔力】を込めた【煉獄】俺も打ち込んだことが無い。だが分かるこれで消し炭に出来ない訳が無い。くらえぇ」
ルージュが狂ったかのように叫んでカインに向けて巨大な炎の球を飛ばした。ルージュはその様子を一瞬も見逃さない様にじっと見つめていた、カインが右手をゆっくり持ち上げてキャッチボールのボールをつかみ取る様につかんだ。
「馬鹿なっ!」
カインがつかんだ瞬間に巨大な炎の球が消えた。目の前で起きている事に理解が及ばずルージュはただ「馬鹿なっ!」と叫び続けていた。カインは五月蠅そうに耳を両手で塞ぐ、その様子に余計怒り狂ったルージュがカインにつかみかかって来た。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
しばらくの間1日2話更新で進んでいきます。
よろしくお願いいたします。




