第19話 黄昏時の暴虐
「さあ、やるわよ、ヘファイストス」
「合点承知の助でさあ」
「黄昏時ね」
「彼は誰時ね」
「バカタレドキね」
「……」
「……」
黄昏系女子の三人は、呵責容赦ないヘラ女神のおぞましい攻撃とその被害者を眺めつつ、気だるそうに会話をしていた……。
さてと。だいぶ間が空いてしまったので、みなさんお忘れではないでしょうか?
え、覚えておられます……?
そう、我を忘れ、ペルセウスを襲おうとしたアテナ女神はヘルメス神の縄に捕らわれ、そのヘルメス神といえば、直前にアテナ女神に踏みつけられたことによる体力消耗で寝込んでしまい、ぐうすかぴい状態だったのでございました。
「うおーほほほほほ。知恵の女神アテナ、あーんたのようなおバカちゃんがこの私を出し抜こうなんて、よーくもそんなことが考えられたわねーえ」
バコン、バコン。
「うう……」
「たしかにあんた、腕は立つのかもしれないけれど、こんな手も足も腰も出せないような状況じゃあ、ねーえ」
「母上、腰はいらねえですぜ」
「あーら、腰はターイセツな、女の武器よ。あ、でも、そんなこと言っても、純粋無垢なコンチキショーちゃんにはわーからないわよねーえ」
「母上、コンチキショーちゃんよりおバカちゃんのほうがいいですぜ」
「うるさいわねえ、ヘファイストス。あんたもちゃんと、やんなさいよ、こんなふうに」
バコン、バコン。
「うう……」
「だってあんたも、そいつに恨みがたまってるはずでしょう」
「まあ、たしかに……。おい、薄汚い泥棒の神め。HPS の恨みだ、くらえい」
パコン、パコン。……ごにょごにょ……。
「えっと、あとは……。とにかく、Hナントカカントカの恨みだ、くらえいっ」
パコン、パコン。……ごにょごにょごにょ……。
そんなこんなで、いよいよ太陽の神が海の淵へ沈んでいこうというときに……
「そこまでだっ、美女と野獣っ」
そう言って現れたのは……
「な、何者っ……?」
「ぼ……、俺はペルセウス、最高神ゼウスの子だ。薄汚い美女とやかましそうな野獣め、この僕……、俺が……、相手だーっ」
シャキーン。……ボトリ。
「うおーほほほほほ。神々の誰かならいざ知らず、お前のような人間相手にこの私が倒せるとでも思ったか、コンチキショー、って……、きゃああああああああうわあっ」
「え……?」
はい。
なんとなあく、予想はできてしまうかもしれませんが……
権勢誇るヘラ女神に何が起こったのかは、次回のお楽しみということで。
「あ、最後に『え……?』って言ったのは、僕だよう」
「ヘルメっち嘘ついたー。本当は僕なのにーい」




