第18話 忠臣H
臣「お、今回は珍しく、オイラが活躍の回ですかな?」
さてと。
ここまでお読みくださっている読者のなかには、不思議に思っている方もいらっしゃると思います。
最高神は何をやってるんだ、と。
最近では、あれでございますね。第15話でヘルメス神の口から、「ペルセウスの母でもあるダナエからの口添えにより、メドゥーサ討伐の許可を出した」ことが語られましたが、その本人が第1話以降登場していないこともあり、「あいつは何をやってるんだ」という読者の方が倍増しておられることと推測しております。
そこで、そこらへんの事情に詳しいヘファイストス神に、少しだけ語っていただきましょう。
「へえどうも、読者のみなさま。それでは簡単に、と。ええ、実際のところですな、最高神ゼウスは、ダナエにうつつを抜かし、使いものにならなくなっているんでさあ。それというのも、もはや夫の浮気性に為す術なしと見た偉大なる我が母上ヘラが、アフロディテの魔性の帯を手に入れ、ダナエの腰に巻きつけ、ゼウス神の心を操ってるっちゅう話でねえ。でもって、眠りの神ヒュプノスの奴も母上に加勢し、もはや最高神は黄金の雨と化し、ダナエに降り注ぐ以外の考えを持てぬようにされていたのでごぜえやした……、と。語り部さん、こんなふうに言っとけばよろしい?」
さてと。
語り部である私が、「うん」と頷いたので、ヘファイストスはヘラ女神の館へと帰っていったのでございますが……。
「馬鹿ねえ、アテナも。あいつはペルセウスを使って私を出し抜くつもりらしいけど、私は天下を見据えているんだから」
「さすがは母上。アテナ女神のみならず、ゼウスをも倒して天下布武っちゅうことですな」
「そうなった暁にはね、ヘファイストス。あなたには黄昏系女子の園を任せようと思っているのよ」
「そりゃあ母上、体のいい左遷ってやつでさあ」
「フッ、こりゃあ済みません。冗談よ」
「ところで母上」
「なあに?」
「先刻、ヘルメスがゼウス神の館から出るのを見やした。どうやら、メドゥーサ退治の許可を得た模様でごぜえやす。なぜなら、ペルセウスはすでに、メドゥーサの洞穴へと入っていきやしたのでねえ」
「そんなにニヤニヤして。まったくヘファイストス、あなたはどっちの味方なのよ」
さてと。今回は短くなってしまいましたが、ご容赦ください。
次回はいよいよ、ヘラ女神が黄昏系女子の園へと降り立ちます。
臣「母上のお味方に決まってまさあ」




