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きっと咲く~桜の舞う頃に~  作者: オリンポス
最上級の才色兼備(対決編)
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96/105

最終対決(C)

⑥炭素です。

「あいつら?」

「ええ、地獄界の連中です。愚鈍裁判官フーリッシュジャッジなどと呼ばれているやつらなんですが、こいつらときたらろくに調書も確認しないで、私たちの仲間(天使)に無期懲役の判決を下したのですよ。わかりやすくいえば、終身刑ですか」

「終身刑? 天使にも寿命があんのか?」

「ありますよ。通常であれば人間の十倍生きられます」

「長生きするなあ――で?」

「ただでさえ天使界と地獄界には軋轢あつれきが生じていたのです。なのでこの際は法廷だけでなく、武力でも黒白を争うことに決めたんです」

「なるほど……。きっかけがあればいつでもやるぞ、という気構えだったわけだ」

「一触即発というやつですか。それで『あの大戦争』を仕掛けたわけですが、結果は無念の惨敗。私は天使界の敗走時に殿を務めたのですが、ちょうどそのときに師匠に出会ったのです」

「ほう……?」

「師匠は私に、『独立か死か』と尋ねてきました――。私はすぐに、なるほど『イピランガの叫び』かと理解しました。しかし『独立か死か』は日本語でいうところの、『いざ鎌倉』のように使うはずです……。ではこの人の意図はいったいなんなのか? そのように考えました」

「…………で、ムンクの叫びがどうしたって?」

「師匠はつまり、霊界(天国界、地獄界、天使界、悪魔界、神世界)を一つにまとめようとしているのです。天下統一というのでしょうか」

「へー、それは難儀だ」

「そういう意味での『独立か死か』だったのです。霊界を一つにまとめる(独立)か、ここで死ぬか、二者択一を迫られました。生き残るために私は独立を選び――そういう経緯で彼の軍門に下ったのです」

「ふーん、それじゃあ因縁はないな」

「いいえ、因縁はあります」

 そして畄嗣覇阿はいった。

 ごく当たり前に。

「私という優秀で右に出るものがいない、他の追随を許さぬほど完璧な弟子を所有していながら、自縛霊という悪魔界でも最底辺に位置するような下等種を、なぜこの期に及んで弟子にしたのか」

「仲間は多いほうが良いからじゃねーの?」

「許せません――犬飼颱あなたが許せません。私と同列だなんて、絶対に認めません」

「お前って自意識過剰だろ? ウザッてえな。だったらその氷柱つららみてーに伸びた鼻を、いまからへし折ってやるよ!」

「お望み通りにやってみなさい。望むところですよ」

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