いきなり家族として話しかけるのも憚られるので、まずは皇女としてのお勉強です
ローゼンブルク家が家族とは程遠いことが分かった。
となれば、まずはお父様たちの呼び方を侍女たちと同じにしておこう。
馴れ馴れしいと思われて不利益を被るのはまっぴらごめんだ。
それと、この国の皇族は7歳から学院に入学する10歳前まで家庭教師の下で皇族としての基礎学習、学院入学と同時に公務を担うみたいだけど、皆勉強できるし、皇太子殿下、第2皇子殿下、第1皇女殿下、第3皇子殿下は皆入学前から公務に行ってる。中でも特に優秀な皇太子殿下は8歳の誕生日の翌日には公務デビューしてる。いくら何でも早すぎじゃない?
こんな状況なら、私に期待されてるのって“どれだけ早く公務を担えるか”だよね…。
いずれにしても、勉強しないことには公務もできない。
また、いざという時に多くの魔力が必要になるから、今の魔力量も知っときたい。
となれば、最初にやることは1つ。
「アガーテ、ここにタイラー侍女長を連れてきてくれる?」
「かしこまりました」
2分もしないうちに来てくれた。
うちには優秀な人材が揃っているね。
「エヴァ様、侍女長をお連れしました」
「只今参りました。エヴァ様、本日はどのようなご用件でしょう?」
「相談があって呼んだの。
私、あとひと月で7歳になるでしょう?だから、皇女としての勉強を始めなきゃならない。家庭教師をつけるときは皇帝陛下か皇后陛下に相談する必要があるかしら?」
「基本的には皇后陛下ですが、ご自身で手配して事後報告でも構いません。それと、勉強の途中でも皇宮庁の筆記試験と実技試験に合格したら基礎学習のカリキュラム修了と看做されます。また、筆記と実技両方が満点だと学院卒業資格も同時に得られ、高等学院へ入学できます。しかし、成し遂げた方は今まで1人もいらっしゃいません」
何それ?めちゃエグイ!
「ありがとう。それともう一つ相談なんだけど、皇族はいざという時に魔力を使うことになるでしょう?私の魔力が今どのくらいあるか知っておきたいの。どんな方法で測ればいいかしら?」
「城内の地下にある測定室の風船に触れることで測れます。両陛下や4殿下方はご自身の身長の3倍くらいに膨らんだそうです。エヴァ様は先日のナルツィス殿下の件で魔力が多いことはわかっていますので、そのくらいにはなると思います」
「風船?測ってないときはどのくらいの大きさ?」
「ちょうどエヴァ様のお顔くらいです」
魔力測定ってそんなもんなの?
小説とか漫画とかによくある水晶玉じゃないんだ。
何と言っていいのやら…
「あの…申し上げにくいのですが…」
「どうしたの?アガーテ」
「実は…
測定には皇帝陛下が立ち会われることになっています。
公務に入る時期を判断するためです」
「えっ?!
なんかすごく不安だわ。マナーとか大丈夫かしら?」
「ご無理もないことです。陛下ときちんとお話しなさったことがないのですからね。
ちょうど今、グロスバウアー公爵夫人が布製品の商談でこちらにいらしていますので、終わった後30分ほどお時間をいただけるか確認してみましょうか。」
「お願いするわ」
グロスバウアー公爵夫人か…
家を取り仕切るだけでなく、夫である公爵と共に領地運営に携わるばかりか皇族や貴族子女のマナー指導もしていて、多方面で活躍するスーパーレディ。前世でいうバリキャリ。
私、大丈夫かな…
お読みいただきありがとうございます。
次回は侍女たちの視点が入ります。




