私の決意を伝えに行ったら、皆が待っていました
皇后陛下とご対面です。
「エヴァ様、そろそろお時間です」
「今行くわ。
持っていくものを一緒に運んで頂戴」
「かしこまりました」
身支度を済ませ、部屋を出る。
多い荷物は、アガーテを含む3人の侍女が持ってくれた。
こういう時に手伝ってくれるから、本当にありがたい。
皇后陛下は、このアレンジメントを喜んでくださるのか。
私が決めたことに対して、どんな反応を示されるのか。
『お母様』と呼ぶことをお許し下さるのか。
道中そればかりが頭をよぎって、だんだん不安になってきた。
ところでお父様は、この後いったい何をなさろうとしているのか。
花と道具を持ってくるよう仰ったということは、目の前でフラワーアレンジをなさるおつもりね。
もしかして、皇后陛下も転生者かどうかを確かめる為だったりして。
・・・それはちょっと考えにくいか。
お父様も私も転生者だけど、皇后陛下までそうだとは限らない。
そうこうしている内に到着した。
「皇后陛下、エーファンゲリンが参りました」
「入って頂戴」
「失礼いたします」
言葉を交わした後、扉が開いた。
「?!」
中にいらっしゃったのは、皇后陛下とお父様だけではなかった。
皇子殿下や皇女殿下もいらっしゃった。
つまり、皇族が全員そろっていた。
「驚かせてしまって申し訳ない。
皇子たちや皇女にも立ち会ってもらいたかったのだ」
なるほど、お父様のご希望だったのね。
「エーファンゲリン、身体の具合はどうかしら?」
「はい。
お蔭様で、今はすっかり良くなりました」
「それを聞いて安心したわ。
ところで、皇女としての勉強をどう進めるか、自分で決めたのね?」
「はい。
私は・・・家庭教師をつけず、皇宮庁の試験を受けることにしました。
今日お伺いしたのは、実技試験の立ち会いをお願いするためでもあります」
「そなたがそう決めたのであれば、全面協力をしよう」
「ありがとうございます」
「それから、エーファンゲリン。
貴女には謝らなくてはならないわ」
「何故ですか?」
「今まで、公務を優先するばかりで、家族の時間を持とうとしてこなかった。
ベスティアン、ナルツィス、アゼリア、マッティオに対してもそう」
「何を仰います。皇族ならば公務優先は当然です」
「魔力測定で倒れて運ばれていく貴女を見た時は『家族を失うかもしれない』と思って、本当に焦ったわ。
それと、ナルツィスを救ってくれたこと、専属侍女から聞いたの。
貴女は『目立ちたくないから』って内緒にしてたみたいだけど。
これは本来、親である私たちがやるべきことなのに代わりにやってくれて、本当に感謝しかない。
自分の子が危険な状況にならないとわからないなんていけないわね。
いけない親だけど、私を『母』と思ってくれるかしら?
貴女を『エヴァ』と呼んでいいかしら?」
胸がいっぱいで言葉が出てこない。
「エーファンゲリン、あの時は助けてくれてありがとう。
お蔭で、今ここにいられる」
「俺たちも『エヴァ』と呼んでいいか?
皆で『家族』になりたいんだ」
「私も、弟や妹を気にかけるべきだったのに、それをしようとしてこなかった。
こんな風だが、私たちを『兄』と思ってくれるか?」
「あなたは私たちの大事な『妹』よ」
「・・・私も、お父様だけじゃなくて皆を家族と呼びたかったんです。
『お母様』、『ベスティアン兄様』、『ナルツィス兄様』、『アゼリア姉様』、『マッティオ兄様』。
私のことも、是非『エヴァ』と呼んでいただきたいです」
やっと言えた。
これで、私たちは7人家族として一歩を踏み出すことができたんだ。
お読みいただきありがとうございます。
ようやく家族が揃いました。




