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転生皇女はあったか家族がほしいのです  作者: 櫻向日葵


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20/22

7人家族の始まりです

「お母様、実は今日はお土産をお持ちしています」

「何かしら?」

「こちらです。

今朝、温室で作ってきました」

「ありがとう・・・って、これは…!」

そう言って自作のフラワーアレンジを手渡すと、お母様が驚いた顔をされた。

「どうかなさいましたか?」

「すごく懐かしい感じがするの。エヴァのフラワーアレンジメントを見るのは初めてのはずなのに」

「俺も、懐かしい感じがする」

マッティオ兄様まで驚いていらっしゃる。


「ところでエヴァ、頼んだものは持ってきてくれたか?」

「はい、お父様。こちらにございます」

「ありがとう・・・って、これは私が使っていたナイフそのままじゃないか!

覚えててくれたんだな」

「あなた、いったい何のお話ですか?」

「まあ、見ていてくれ。

エヴァがここに持ってきてくれたものとは違うが、フラワーアレンジメントを今ここで作る」

やっぱりね。

私が思った通りだったわ。



「できたぞ」

「「「「「!!!!!」」」」」

完成したアレンジメントを見た瞬間、お父様と私以外の5人がハッとした顔をする。


「やっぱりすごいですね、『高橋係長』。

私には真似できそうもありません」

「何言ってるの、『吉川さん』。あなただって作ってたじゃない」

えっ?!

ナルツィス兄様とお母様の口から、懐かしい名前が出てきた。

「そういえば『岩永さん』、小さいアレンジメントを作るのが早かったですよね」

「『前田さん』も負けず劣らずでしたよ」

「『長富チーフ』は部署統合してからいつも采配に四苦八苦してたのを、よく覚えていますよ。

これで、何でもやれる『真悠ちゃん』がいたらなぁ…」

アゼリア姉様とベスティアン兄様、マッティオ兄様の口からも聞こえた。


「『清水君』、その願いは叶っているよ」

「「「「「えっ?!」」」」」

「我々の目の前にいるエヴァ、彼女こそが『佐藤さん』だ」

皆から驚きの目を向けられるけど、私だってびっくりしてる。

「・・・皆さん、お久しぶりです。

突然いなくなって申し訳ありませんでした」

私がそう言った瞬間。

部屋は俄かに騒がしくなった。

私を含めて全員が再び会えて嬉しいのと、同じ職場の仲間同士だった7人が家族として転生していたことに驚いている。

同窓会さながらに語り合った。


そんな中、私はマッティオ兄様の右手首に小さくて丸い痣みたいなものがあるのに気が付いた。

「そういえばマッティオ兄様、右手首に何かできてるみたいですよ」

「ほんとだ。オレンジ色の痣ができてる」

「見せていただいてもいいですか?

お父様は紫と白、お母様は赤と白、ベスティアン兄様は藍色、ナルツィス兄様は緑、アゼリア姉様は黄色ですね」

「エヴァには何かできてる?」

「私は…青い痣があります。

あっ、そうだ!

お父様、私が持ってきたバラは余っていますか?」

「ああ。白いバラが2本、私が指定した色のものは1本ずつある」

「でしたら、痣と同じ色のバラを持ってみたらどうでしょう。

何かが起こる予感がします」

「そうね。エヴァの言うとおり、私も何か起こりそうなきがする」

アゼリア姉様が同意して、皆がそれぞれ痣と同じ色のバラを手にする。

その途端、それぞれが手にしたバラが光って、20秒ほどで元に戻った。

「いったい何が起こったんだ?!」

「手の痣がバラの形になりました。

何だか力が湧いてくるような…」

「そうだ!

皆、『ステータスオープン』と唱えて自分の状態を見てくれ」

皆がお父様の言葉に従うと…。


「私の魔力が2000になりました!」

ベスティアン兄様が驚いている。

「私も2000です!」

「私も!」

「僕も!」

ナルツィス兄様、アゼリア姉様、マッティオ兄様もだ。

「私は3000だ」

「私も3000あります」

お父様とお母様も驚いていらっしゃる。

「エヴァはどうだ?

測定の時から2000を超えてはいたが、今はどうだ?」

「私ですか?

あれ以来ステータスを見ていないのでよくわかりませんが、見てみます。

『ステータスオープン』」


・・・・・・。

え゛?!

これって…。

どこまでチートなの?

「お父様、5000オーバーです…」

「そなたの魔力が歴代最高レベルなのは変わらないな。

それから、先ほどの現象で、全員の魔力が上がったようだ。

何故なのかはよくわからない」

「僕も理由が気になりますが、考えれば考えるほどわからなくなります」

「そこは『異世界チート』ということで、止めといた方がいいんじゃないかしら?」

「ははははは。そうだな」

考えてもどうしようもないことってたくさんあるもんね。

寝られなくなっちゃうから、ここでやめといた方がいいかも。



そんな中突然、私の腹の虫が鳴った。

「・・・皆さん、お腹すきませんか?」

「そうだね。ずっと喋ってばっかだったね」

「こうして家族になれたことですし、皆で食事をしませんか?」

「いい考えですね。

できれば今後も、皆が揃う限り一緒に食事したいです」

「そうだな。

そうして、我々の絆を深めていこうではないか」



やっと家族として歩みだした私たち。

この先も、こうして笑いあっていきたい。

お読みいただきありがとうございます。

家族全員、転生者でした。

職場まるごとの。

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